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2007年12月26日 (水)

葛野司書・共同演習 2007年総集編

 今年も葛野歳時記・共同演習がすべて終わりました。後期分(情報サービス、資料組織1・主題分類)については、まだ入選作を公開できませんが、ともかく年内に今年の後始末を付けておきましょう。

1.情報図書館学 前期夏 近未来の図書館を造ろう

200707情報図書館学
 毎年楽しみにしています。課題は近未来の図書館を企画・設計するとなっていますが、工学部建築学科の科目じゃないので、そんなにぎりぎりと図面にあわせる必要はなく、好きなように考えて好きに作るという、参加者が一番楽しめる内容です。
 なにかを理解するとき、一度作ってみるとよく分かってくる、という私の基本的な考えがあります。
 「こんな風な図書館があればよいのになぁ」と、ぼんやりした状態で、現実の図書館や博物館を何度も訪れて、身体で考え始める必要があります。
 その上で、できるだけ気持を自由にして、近未来の自分や子孫を想定し、その時欲しい、あればよいと思う物を作り出すと、よい図書館ができます。
 そして、後期はその自分たちで作った図書館を「評価」するという各個人の力量が試されます。前期はグループで、ああでもない、こうでもないと知恵をしぼって、後期はみんなで作った図書館を、一人静かに考え込んで、可能ならば「新しい、評価方式」を作り上げれば、花丸優秀です。
 はたして近未来の図書館は、図書の貸出冊数だけで評価ができるのでしょうかねぇ?

2.資料組織1・主題分類 後期冬 専門分野の資料・情報を分類してみよう

200712資料組織1・主題分類
 主題ってなかなか目に見えてこないものです。表層的(外に現れた形)に分類する方法もありますが、これも複雑な絵柄や写真を分類して整理するときのことを考えると難しいです。だから深層的(内に含んだテーマ)に分類するのはもっとややこしくて、観る人によってもズレがでてきます。
 そんな難しいことを20前後でするんですから、なかなかうまく行きませんね。ただ、時々意表をつくような斬新な分類手法もでてきます。(今年のは、分析合成と表関係を組み合わせた高度な分類でした)
 きっと人は、幼児期から、身の回りの人や物や話を、なにかしら分類とか区分とかをして人間になってくるのでしょうね(笑)。
 わかりにくい時は図書館の十進分類された書棚を毎日にらみつけてください。分類の難しさと現実対処法とが見えてきます、きっと。
 そうそう、2007年後期の評価結果は2008年1月に公表します。

3.資料組織2・目録 前期夏 原点を見つめて:紙の冊子体目録を作ってみよう

200707資料組織2・目録
 特定分野の図書の精密な目録を作るわけです。紙の冊子体・目録だからコンピュータの目録(OPAC)よりも、基本がよくわかるようになっています。ルールブック(NCR)にしたがって作ってもらいたいのですが、大抵別宇宙の作品がでてきますね。そこには別のルールがあって、よその人がみたらきっと目を回します(笑)。
 ルールを理解するにはルールを自分達で作ってみることですね。標準ルールがどれほど考え込まれたものかがよくわかります。
 なお一般に、特定分野文献の専門目録は、なんらかの分類がしてあります。けれど葛野では、主題分類は資料組織1で別に課題があるので、ここでは強くは要求していません。それよりも、「記録」単位で請求記号をきっちり作って、ページ概念のない世界で、請求記号だけで索引や本編が使える精密世界を作るように要求しています。
 もちろん、一つ一つの記録情報は、一般的な目録よりも多様で豊富な情報を求めています。
 次の情報サービス課題と混乱する班がありますが、難しく(笑)簡単に言うと、冊子「目録」は記録枠組み(フレーム)情報の相互関係性を請求記号の順序だけで決定することです。記録・情報間に双方向リンクのない「情報サービス課題」なのです。もちろん、多様な「索引」は要求します。
 と、ますます難しいですねぇ。それをともかく、毎年完成させてきたのだから、若いって素晴らしい!

4.情報サービス 後期冬

200712情報サービス
 情報サービスは科目の花形です。と、受講生達も伝統的にそういう神話を造ってきてくれました。だからなのか、毎年目眩のしそうな作品が次々と現れてきます。
 そして、いわゆる教科成績評価のもととなる成果ランキングも熾烈を極めます。各班副班長の相互評価と、私と、助勤2名のランキングが、それぞれ微妙に、時には嵐のように異なり、すべて終わるまでは先が読めません。
 さて何よりも、一体何を課題として求められるのか?
 現実の複雑大量な情報を、「情報空間モデル」とか「樹形図」とか呼んでいる設計図のもとに建物(紙の冊子体)を作って、そこに整理格納しよう、というのが課題になります。
 む、むつかしい~。
 よく考えるとその建物は、図書館のようなものです。
 図書館は図書という目に見える記録情報を、分類というたった一つの視点・観点で整理整頓しているわけです。しかし現実世界の情報・記録は相互に絡み合って、無縁に見える強い縁が相互にあって、一筋縄ではいきません。
 この複雑怪奇な情報群を、どこからでもアクセスできるように綺麗にまとめてみましょう、と、それが「情報サービス」の共同演習課題なんです。如何かな?

2007年も終わり
 上にあげた共同作品達の評価もすべて出ました(公開は2008年一月)。どの科目も入賞作品は葛野の後輩達のために、残すに値する作品でした。過去に参加した卒業生達も、職場で家庭で、往時に使った独特の方法論、プロジェクト遂行戦略・作戦、物の考え方を無意識に使っていることでしょう。
 情報・記録を集めたり、分析したり、整理したり、探したり、使ったりするのは、人生生涯のリテラシーです。
 すべて終わってから、もう一度想起すると、それがはっきりとわかってきます。
 では、2008年の司書卵さんたち、再見

参考
 過去作品

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受信: 2008年7月16日 (水) 04時43分

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