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2007年10月 7日 (日)

少年司書ロボ0号(02) サーボモータのチェック:プチロボXの動力源

承前:少年司書ロボ0号(01) プチロボXの概略

人型ロボット模型には中心の動力源がない
 この回では、少年司書ロボ0号の、関節、筋肉、骨の三拍子を兼ねた動力源である「サーボモータ」のチェックを行う。

 サーボモータは古くからラジコン模型飛行機などで制御用に使われてきた。しかし少年司書ロボ0号の原型プチロボX・キットのような「人型ロボット」では、その使い方が異なっている。ラジコン飛行機やラジコンカーには、他に必ずでっかいエンジンとか、大型電動モータが動力の中心として別に載っているが、人型ロボット模型には、大抵は、身体のどこにもそんなものはない。小さいサーボモータがそこら中に散らばっているだけだ。

 サーボモータは、ラジコン模型飛行機などでは、主翼の上下、尾翼の左右、エンジンの回転数などの制御(コントロール)に使われている。サーボモータの軸を少しの角度ずつ動かすことで、翼をコントロールしている。高速でプロペラをまわす最大の動力源は、別の「エンジン」とか「電池モータ」であって、それが飛行機を推進させる。制御用のサーボモータで飛行機が飛ぶ例は多分ないだろう。これはラジコンカーでも同じだ。

 ところが人型ロボット模型となると、たとえば二足歩行のプチロボXでは、中心となる動力源がこれまでの考えとは異なる。他の模型では制御に使われているサーボモータが、模型ロボットでは、「動力源」と「制御」を兼ね備え、身体の各部に分散しているわけだ。

 実は、人間も身体のどこかに巨大な動力源があって動いているわけではない。
 お気づきとは思うが、心臓は血液を流すポンプであって、血圧で手足が動くわけではない(笑)。

 自動車とか飛行機とかはエンジンが中心にあって分かりやすいのだが、人間は、どこにもエンジンや電動モータがないのに複雑な動きをする。
 これは関節とか筋肉とか骨を、大脳や小脳が上手に制御しているからだろう。
 プチロボXでは、その{関節、筋肉、骨}を一個づつのサーボモータでまかない、合計9つの{関節、筋肉、骨}で、よちよち歩きをする。

工作02-1 電池と制御基盤

電池と制御基盤:プチロボXは分散電源
 少年司書ロボ0号は、燃料になる電池を両手両足に4本こっそり隠し持つ。他の高額ロボットを見ると、ノートパソコンに積むようなでっかいのを備えていたが、プチロボXでは、すべてはプチだからこうなるのか。ただ設計意図を想像してみると、バランスを取るのによいのかも知れないと思った。特に扁平足のデカ足に電池を積んだ様子には爆笑しつつも、「すごい発想!」と感心した。将来人並みの足になったなら、臑(すね)もつけて長身にし、その中に組み込むのもよいだろうなぁ。
 さて、その電池のコードを基盤の四隅に付けるのだが、充電式の単三電池と知るだけで、他は無知。各サーボモータへの動力分電とか、基盤とかオプションの受信機への電源とか、一体どうなっているのか全く知らない。しかし、キットは無知を支援してくれるはず。
 「まずは、動かしてみよう」これにつきる。

工作02-2(1) サーボモータの可動チェック(1)

サーボモータの可動チェック(1)
 最初に一個だけサーボモータの可動を試してみる。基盤にはPC(涼夏2007PC)から、RS232Cのケーブルを引っ張って、差し込んでおく。
 次に基盤のM0ソケットのマイナス表示を目印にして、黒線をマイナス方向で、サーボモータの線を差し込む。M0は左足首モータ用だが、それはずっと後で決定する。で、基盤の右手前の棒スイッチをonに倒す。右奥のランプが点く(安心した)。
 しかしサーボモータはうんともすんとも言わない(不安~)。そこでマニュアルを読むと、パソコンの制御画面を見よ、となる。

工作02-2(2) サーボモータの可動チェック(2)

サーボモータの可動チェック(2)
 PCの制御画面でNo.0という小窓を探し、そこにマウスカーソルをあてて左ボタンを押したまま左右にスライドを動かす。小窓名称No.0のゼロは基盤のM0ソケットのゼロに対応している。
 マウスボタンを放す。すると、サーボモータの牛のツノのような「棒状ホーン」がピコリと瞬時に動く。もちろんスライドバーの動きで角度が変わる。これでOK.

工作02-3(1) ホームセット

サーボモータのホームセット(1)
 次にサーボモータの軸回転・中心位置決めに入る。以下の作業はまとめて9個のサーボモータをすべて対象にする。
 「ホームセット」という命令(PC制御画面の左下に隠れている)を各サーボモータに実行するわけだ。
 「ホームセット」を押すと、写真の様にホーンが真横に向く。ここがサーボモータのホーンの初期値というか、中央値というか、私は初期センタリングとか自分で呟いて実験していた。
 なお、「ホームセット」ボタンは、一度だけ押した。あとは、各サーボモータを基盤のM0~M8に接続するたびに、ホーンがぴょこたんと真横に向いた。

工作02-3(2) 丸形ホーン付け

サーボモータのホームセット(2)
 先の写真では、サーボモータの頭にある棒状ホーンの、その根本のネジが半分浮いている。次に丸形ホーンを取り付ける為に、この棒状ホーンを総て取り外すわけだ。写真は丸形ホーンを付けた状態である。ネジはそのまま流用する(キットのネジを使うと、数が合わなくなる)
 これらの作業は、サーボモータを一つ一つ基盤の所定ソケットに付けては、センタリングさせて、棒状から丸型ホーンに変えていく。
 動かないときは、多分モータの極性間違いだろう(黒側をマイナスにすること)。またマニュアルにしたがって、丸形ホーンには油性インクで印を付けておく。どこに付けるかは次の写真にある。

工作02-4 チェック完了

サーボモータのチェック完了
 写真は総てのサーボモータを基盤に試験接続させて、「ホームセット」命令によるセンター合わせ、センタリングをし、かつ丸形ホーンに取り替えた完了姿である。
 完了したら、次の工作のために、すべて取り外しておく。

感想
 これから何度も繰り返して愚痴るだろうが、老眼・近眼の人には惨い作業の、しかもまだ序盤戦。9個のモータでこうなんだから、これが20個とか40個になると、なかなかそれこそ「隠居仕事」だね。忙しい若いもんには不向きかも(爆)。
 しかし、PC制御画面に併せてホーンがぴょこりと動く姿を見ると、まるで「生きておる!」、気持はだんだんフランケンシュタイン博士か、天馬博士になってきた。攻殻機動隊、士郎正宗ワールドも近い(おおげさな)。ああ、プルートも思い出した。
 要するに、アクチュエータ、つまりサーボモータの中に「少年司書ロボ0号」の未来が詰まっていると、私は工作序盤戦で快感の世界をかいま見た。

まだまだ続く

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承前:少年司書ロボ0号(02) サーボモータのチェック:プチロボXの動力源 ロボットの骨格:ブラケット  二足歩行ロボットの原動力である関節を作るには、サーボモータを支える骨が必要になる。プチロボXではそれをブラケットと呼び、ブラケット{ボディ、アーム}と言う風に、二つのアルミ板器具で構成されている。このブラケットという呼び方は、他のロボットでは「フレーム」とか「サーボ・マウント」とも呼ばれている... [続きを読む]

受信: 2007年10月10日 (水) 03時27分

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