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2007年10月16日 (火)

少年司書ロボ0号(04) プチロボXの両足(お笑い短足・扁平足)

承前:少年司書ロボ0号(03) サーボモータに骨(ブラケット)をかぶせる

二足歩行の足と手
 今回のプチロボXの組み立てで、二足歩行での「足」というものの原型というか原理はだいたい分かった。この少年司書ロボ0号だと、股関節、膝関節、足首関節と、片足につき3つのサーボモータを使っている。
 それぞれのモータにそれぞれの微妙な角度を伴った動きを指示すれば、生物が歩行する「足」の役目を金属の足が果たす。もちろんそのプログラムは私みたいな初心者には無理なので、はじめからモデル(台本:スクリプト)が付いている。完成の暁には、それをまねたり、修正したりして、思うように動かすわけだ。

 ただ、このプチロボXキットでは、腰全体を回転させるサーボモータはない。このために、微妙な方向転換は、まず無理かもしれない。勿論身体の重心を変えることで、そろそろと歩く方向を変えることは可能だろうが難しい。他の高級キットでは、腰にサーボモータを付けて、方向も自由に変えられるものがある。価格や用途にあわせた、それぞれのキットだと思った。

 さて、手。
 これは、手つかずと考えた方がよい。両肩にサーボモータがあるだけで、前後に振ることしかできない。肘とか手首とか、まして指の関節はないのだから、手を左右に動かしたり、物をつかむことはできない。
 これは、昔から映画などでみるマニピュレータというものに相当するのだろうか。だが私がこれまで見たのは人間が長い機械製の手指を、離れたところから操り人形のように使って、放射性物質とか強い毒をさわるものだから、ロボットの手とは、少し異なる。そのマニピュレータをサーボモータで操り、肩につければ人造「手」になるのだろう。
 興味がわいたのでロボット用の手をさがしてみたら以下の記事があったが、私にはいささか高価なものだ。片手だけで、プチロボXの一台分以上の出費になる。しばらくはあきらめるしかない。
 (株)アールティのロボットアーム: http://www.rt-net.jp/old/movie.shtml

工作04-1 足(左足)の組立

足裏(左足)からのネジ留めの様子
足の裏(左足裏)
足首サーボモータと電池ボックス(左足)

 写真の左右と実際の左足、右足とは逆になる。
 実は最初に、右足は組み立ててしまったので、ここでの説明は左足の組み立てになる。
 少年期に比較的模型をさわっていたので、訳がわからなくなると、ともかくあちこちさわって調整して知らぬ間に完成させた経験がある。それが、右足だ。ここでは、左足を順をおって、理屈にしたがって、組み立てていく。
 組み立てが難しいわけではないが、おなじ形のブラケット{ボディ、アーム}を付けた関節(サーボモータ)を、用途・場所に合わせて方向を変えて接続するので、マニュアル写真を正確に読み取るか、実際に動かしながら組み立てる必要がある。そして、4本のネジ留めが必要なところは、4本をバランス良く均等に締め付けるという工作の基本姿勢が必要である。

工作04-2 左膝関節と左股関節

左膝の組立
左股関節と、左膝関節
 左・膝と左・股とは、似ているがブラケット・アームの取付位置が異なる。これは文章にすると余計にわかりにくくなるので、写真をよく見ていただいて正確にネジ留めすること。注意点は、アームの取付位置と、そして、アームの切り込み部分の方向、この二点である。なれないと混乱する(笑)。
 ただし、プチロボXを完成し、十分慣れて、別の変形(トランスフォーム)ロボットにするときは、このあたりの方向や位置を自由に考えて、いろいろな変わったロボットに変身させることになる。

工作04-3 左膝と股の結合

左股関節と左膝関節の結合
ブラケットアームとハトメ
 少年司書ロボ0号は、結果として短足になる。その原因が、足首とか膝とか股を直結させるからだ。間に長い骨が入らない。これはこれで組み立てがすっきりして、合理的ともいえる。そしてそれは、プチロボX・設計思想のよってきたる所だろう。
 接合は、相手の丸形ホーンの裏側に当方アームの切り込み部分を差し込み、同時に相手のハトメを当方アームの穴にはめ込む、となる。最初の右足組み立ての時は、いささか迷ったが、一度二度と接合すれば、左足は思いの外、簡単だった。他のロボットは知らないが、わかりやすくて、接合はしっかりしている。

工作04-4 完成した両足

くねくね両足
完成両足
 写真のように、完成した両足は、くねくねと良く曲がる。ただし前後方向だけで、左右には捻られない。当たり前か、人間の足も左右には捻ることができない!
 これを見ていると、幼児期に遊んだ、竹輪を針金でいくつもつなぎ合わせた蛇とか龍のおもちゃを思い出した。少年司書ロボ0号も、関節をいっぱい付けて~、と思ったが、そのあたりが現代の模型ロボット・キットでは、制御基盤を触る腕がないと無理のようだ。残念だがしかたない。
 しかし、9つとか、20近いサーボモータを動かすのでも、高級キットではいろいろな支援(教示による学習)があるにせよ、二足歩行させるのは、至難の業だとおもった。
 時をかけよう。はじめから、すべてをマスターできるわけがない。ゆっくりと。

感想
 ということで、サーボモータやブラケット{ボディ、アーム}による関節を、組み合わせることで、両足らしいものができた。すでにご承知のように、この方法で、ちゃんと動いている。だが、組み立てはまだまだ続く。
 慣れればもう少し気楽だが、最初は、関節と関節とを接合させるのに、少し面食らった。だいたい工作とは、事前に方法が読み切れるものだが、年齢なのか(笑)、複雑なのか、マニュアルを良く読んで手を動かして、初めて納得できた。そして、ブラケット一つとってみても、ものすごい小さな工夫の積み重ねがあると、思った。
 その精度、その汎用性。人間は、やはり賢いな!

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コメント

サーボモータの固定

 ラジコン飛行機では常にホーンをセットする側のビスで固定します。サーボの底の4本のネジを外してそれで固定する事は今まで経験が無いですね。

何故か考えてみましたが、サーボホーンに回転時に力が掛かりますので、不安定になるのと違いますかかね。

 飛行中、エレベータとかラダーを打つとかなり数キロの加重がかかるので、サーボの安定の為だと考えています。

ロボットを動かすサーボではそれほど加重がかからないのか、それとも固定するのが底のネジの方が便利だからでしょうかね。

 頑張って遊んでください。

投稿: jo | 2007年10月16日 (火) 11時21分

 Joさんがおっしゃるのは先回の、サーボの底蓋はずし骨付き関節絞め、のことですよね。それについては、ちっこいロボだから、バランスの上で、そうするのが最良だったんでしょうね。

 今回の話だと、サーボモータ自身が別の関節に懸垂して、自分自身を水平、倒立、いろいろさせるわけですね。この件、以前のMu記事で間違いがありまして、ロボットでは、サーボ自身が回転すると考えてもよいのですね。

 固定された模型飛行機のサーボとは、ちょっと雰囲気が違います。サーボモータが定位置で、飛行機全体が回転しはしないでしょう。ロボットは、どうも、サーボから見ると、天動説になることも多いですよ。

 で、ネジ問題。このプチロボはバトルタイプじゃないので、比較的自由にセットしているようです。他の記事では、サーボモータを両面テープで貼り付けたりもするようです。

投稿: Mu→Jo | 2007年10月16日 (火) 15時23分

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