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2007年10月23日 (火)

少年司書ロボ0号(05) プチロボXの胸と頭

承前:少年司書ロボ0号(04) プチロボXの両足(お笑い短足・扁平足)

随想:ロボットの胸と頭
 ネット上でざっと見ただけだが、現代の二足歩行ロボットは、比較的大きな脳を持つ生物(爬虫類・ほ乳類)に比較して、脳の置き場所が「胸」になっていることが多い。だから、プチロボXには頭を支える首とか頭自身が、どこかと特定しがたい(笑)。首も顔も頭もない!

 もちろん少年司書ロボ0号は、そのあたりの顔無し、頭無しをなんとか手当するつもりだが、プチロボXに限らず他のロボットも頭や顔はダミー(嘘物)に過ぎず、あってもなくても良いのが多い。研究室で開発されている数千万円クラスの二足歩行ロボットは知らないが、現代の二足歩行ロボットには見かけ上、実質的な頭はないと言える。

 理由は簡単で、たとえサーボモータを制御するだけの制御基盤でも、頭に乗せるほどには小型化ができていないようだ。だから小脳に相当する制御基盤は、プチロボXの場合、大きな胸に納められている。これは他のロボットの多くもそのようだ。
 余談だが、四肢のモータ配線を、頭につなげることを想像すると、鳥の巣のような爆発頭になる。

 ターミネータなんかを思い出すと、シュワルツネッガーの目も頭も、外見は人間らしくちゃんと機能していたが~。
 実はそこに答えがあるようだ。
 つまり、様々なセンサーを調べていて思ったのだが、特に「目」は頭という一番高い所に置くのが理にかなっている。距離を計るには目を最低でも二つ、間隔を離して設置するのがよい。すると、目をそこに置いたとき、初めて人型二足歩行ロボットの「頭」が意味を持ってくる。
 そういう目や耳が自由に扱える日までは、今の二足歩行ロボットの「頭」はダミーと、考えておこう。

工作05-1 プチロボXの頭は肩

プチロボXの頭!と肩!
頭に首をつけたプチロボXの生首
 現代ロボットの頭とか首とか顔とか肩とか、いわゆる上半身のことを考えると、混乱する。プチロボX君の場合、首相当と、両肩相当のサーボモータが合計3つあるだけだ。これだと、両肩が左右の上下に傾くのと、両腕が前後に動くしかない。だから、少年司書ロボ0号は、上半身の動きがとても簡素になる。
 しかし、プチロボXの大きさや、価格や、対象が初心者むけであることを考えると、これで十分とも言える。資源が少ない方が、人によっては工夫の余地があって、よい結果を生むことさえある。私は将来、この首と両肩だけのモーターをなんとか華麗に動かしてみたいと、思った次第。

工作05-2 頭と四肢

腕と電池ボックス
頭に両腕を付ける
プチロボXの頭部、首、四肢

 プチロボXの特徴は、単三電池を四本使って、それを四肢に分割セットしているところだ。二足歩行ロボットを、初心者でもそれなりに動かすには、ロボット自体の安定性が必要である。それは重心のかけ方でもある。両足首と両腕に電池を一本ずつセットしたのは、正解だった。トルクが小さいサーボモータでも、電池を一個ずつ分散荷重させた状態だと、うまく動かせるものだと思った。
 写真「プチロボXの頭部、首、四肢」を見ると、それぞれ独立した機能部(モジュール)を作っていき、最後にブラケットのアームとボディ鳩目で接続させたのは、気持ちよいインターフェースで成功だと思った。こういう様式は、いつごろ、誰が考案したのだろうか? この世界にも、知恵者がおったのだろう。

工作05-3 胸に制御基盤で頭脳となる

制御基盤の箱への収納取付
 現代の二足歩行ロボットの多くは胸に脳を納める。ここで脳と呼称するのはCPUをさすが、それは組み込み型の「マイコン」であって、PCとは比較にならない。その違いは、マイコンは用途が決まっているが、PCは汎用性をもっている。前者はすでに多くの機械製品にこっそり埋め込まれている。自動車などには一杯入っているが、利用者が意識することはない。
 プチロボXの脳(マイコン)は、大脳に相当するPCからの命令(無線ないし有線で)にしたがって、9つのサーボモータを混乱なく動かすためにある。私は、このマイコンをプチロボXの運動を任せられた小脳と思っている。

工作05-4 腰と脳付き胸が一体

プチロボXの腰

腰板アルミと胸箱(制御箱)

裏から見た腰板アルミと胸箱

胸箱(制御基盤収納)と、首用アーム

 制御基盤の入った胸箱は、上方で首や肩、両腕を支え、下方で腰を経由して両足につながる。小さな部材を効率よくネジ留め接続していく工作なので、いろいろな工夫がこらしてあるが、詳しくは各写真に説明を付けておいた。

感想
 工作もここまでくると一段落という思いが強かった。最初は微細ネジやブラケット方向にものすごく迷いが生じたが、人間は賢い(一般論)、私もなれると苦労が小さくなった。鼻歌交じりで、制御基盤をネジ留めしていた。そして、腰や胸のブラケットも、当たり前というか理にかなった設計思想だと、感心するに至った。

 ただ、制御基盤をアルミケースに付けるとき、絶縁ということに注意が向いた。写真では見えないが、プラスティックの小さな支え輪を填めて、基盤をケースから浮かせた状態でセットしたことや、胸箱の裏から腰板をネジ留めするときは、そこだけ短い、ぎりぎりのネジ長を用いたこと。そういう細かな注意事項が少しずつ分かってきた。

 PC自作(涼夏2007PC)ではケースがアクリルだったから絶縁については気にもしなかった。その点、プチロボXなどの超小型ロボットでは外枠が金属なので、ネジ長を間違えるとショートして制御基盤がオシャカになるのだろう。

 さて、工作も次回は終わりに近づく。四肢はめ込みと、ワイヤリングというか、配線のまとめになる。あらかじめ書くと、PCでもロボットでも、配線ということの重要性をこの頃痛切に味わいだしてきた。いずれ良い方法が生まれるのだろう。もちろん、現今究極の手法は、CPU自体やメモリのように、チップ製造の銅線印刷固め絶縁手法なのだろう。(実は、よく知らない!)

ちょっとくどいメモ
 配線について、その秘術に気がついた。PC自作の最後の配線仕事だが、さきごろMacG5を研究した際、Macは比較的長い配線もいとわず、ケースの隅を大回りさせてスパゲッティ状態を避けているな。さらに、マザーボードの上げ底空間を利用して、ボードの下部に線を通している。これらも、現今有効な手法だと感心した。将来の自作PCでは使わせてもらおうぞ。

04←また続く→06

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