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2007年10月 6日 (土)

ベニバナ(紅花)と邪馬台国

 平成19(2007)10月3日の産経新聞に奈良県桜井市・纒向(まきむく)遺跡で「邪馬台国時代のベニバナ花粉」という記事があった。<染料に使用、(邪馬台国)畿内説を補強>と副題も添えてあった。

纒向遺跡関連古墳地図 MuBlog

纒向遺跡関連古墳地図
 新聞の掲載地図で見ると、纒向石塚古墳の南側あたりの溝のようだ。奈良教育大准教授金原正明の話を読むと、1立方センチあたり数百の花粉が3世紀遺構に見られたので、これは自然なものではない、とあった。だから栽培したものが当時使われたのだろうと、私は想像した。

   卑弥呼の献上品?邪馬台国時代のベニバナ花粉みつかる2007.10.2 18:10 MSN産経ニュース
   急に寒くなる今日この頃2007.10.03 JoBlog

ベニバナの用途
 ニュースによれば染料としての話が主になっていた。卑弥呼と呼ばれる倭国女王が紅色の絹織物を3世紀中国の魏に献上した話である。
 多分そうなんだろうとは思うが、箸墓を卑弥呼墓とする説の強固な提唱者(笑)である私は「畿内説補強」にほくそ笑んだが、慌ててはいけない。ベニバナの他の用途はどうなんだろうと考えた。

 新聞記事にもあったが、6世紀の奈良県斑鳩・藤ノ木古墳石棺から出土した例があるようだ。これは遺体を包む布にベニバナが付着していたらしい。(参考1) 遺体と言えば、そもそも古代エジプトのミイラを巻いた布にベニバナが付着していたことは周知なので、防腐剤の役割があると考えて良いだろう。
 また、藤原京や平城京のトイレ土壌からもベニバナが検出されていることから、昔から医薬品の可能性があったとも、(参考1)に記されていた。それは回虫などの寄生虫対策薬の一つとして扱われたのだろうか、どうなんだろう。現代の漢方薬としてのベニバナは、月経痛などの痛みどめが主らしい。

古代の染料
 ベニバナは確かに紅色染料として用いられたようだが、現代から見て、他にどんなものが染料だったのかを参考に調べてみた。「卑弥呼の装い」というタイトルで古代色を再現する方法が記されていた。吉野ヶ里遺跡から出た「貝紫の色素」というものが使えそうだった。これは「アカニシ」という貝に穴をあけて取るのだから貝殻に色素が含まれているのだろう。また卑弥呼の衣裳を再現するために、茜からも色素をとった、とのこと。(参考2)

 ところで別件だが、源氏物語の赤い鼻の女性名「末摘花(すえつむはな)」とは紅花の別称らしい。

生活情景からの古代
 古代の邪馬台国を想像するときに、本流の古墳とか鏡とか副葬品、建造物跡だけではなく、なんとなく周辺のことをしっかり見ていくと、おもしろい結果がでてくるものだと、感心した。
 貝塚がそうだったのだから、当たり前の話かもしれないが。
 シルクロード関係のDVDでは、ゴミ捨て場から大量の生活用品を見つけ出して、中央アジア、西域の昔を再現した番組もあった。
 出典を忘れたが、日本の若くして亡くなった女性研究者は、ひたすらウンチ(大便)の化石というか、遺物を採取して分析し大昔の日本の姿を研究し、相当な成果を残されたようだ。

 難しい問題も、視点をちょっとずらすと、解が見つかるのかも知れない。

参考1 卑弥呼は大和に眠るか/大庭脩 編著.文英堂、1999.10
  この5部に相当する「卑弥呼は何を食べていたか/松井章」より。
参考2 卑弥呼誕生/大阪府立弥生博物館 編.東京美術、1999.5
  このコラム4に相当する「卑弥呼の装い/宮崎康雄」より。

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受信: 2007年10月25日 (木) 22時22分

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