小説木幡記:2007/09/28(金)息の仕方は知りません・日曜司書ロボ作家
今日は二ヶ月ぶりに嵯峨野某そば処へいって、たっぷりした「鳥なんば」を昼食にとった。950円は安いと思った。なぜならその味とボリュームは、よそでは得られないから。
なぜ長きにわたり行かなかったかというと、暑さで足を伸ばすのがおっくうだったし、気持のゆとりがなくて、なかなか嵯峨野が遠かったから。
そう、今夏はいささか以上にキツイ夏だった。ほとんど休暇やフィールドワークがなかった。珍しい。
だから、ビデオも写真も採取は壊滅状態。
撮影用の電池がすべて放電しているのじゃなかろうか。
まあ、よろし。終わったことだ。
うむ。来週も蕎麦を食べに嵯峨野に行こう。そうだな、にしんそば。その内、12月になると、絶品鴨なんば、生きていることの快感を味わうなり。
余の人生は、もしかしたら、ひょっとしたら、幸運なのだろうか(爆)
1.教授曰く「息の仕方を教えてくれと、いわれても」
この十年ほど、科目の中でコンピュータを扱う授業はずっとさけてきた。「情報検索」というコンピュータ実習に近い科目は、ずっと、非常勤の若い先生におまかせしてきた。
たしかに、現在も余は二科目だけマシンルームを使っているが、これは学生にインターネットを使ってもらうためにであって、自ら、教授したことは記憶にない。
今日の午後、半睡の中で気がついたのだ。
余は学生や知り合いや他人から「コンピュータの使い方をおしえてください」と言われると、内心大抵は震えが生じる。要するに、ぐっと気鬱になってしまう。特に初心レベルがそうだ。たとえば、マウスの使い方、ファイルの整理のしかた、……。
もちろん、「自作するんですがメモリーはどうしましょう、グラボはどれがよろしか、RAIDどうしましょう(笑)」とか。あるいは、「PASCALでハッシュ使いたいのですが、Cなんかのポインターを、こういう風につかいたいのですが」、とか言われると、むくむくと好奇心がわいてきて、ほんなら一肌脱ぎましょうか、と立ち上がる。
だが、プリンターが動きません、とか、ディスプレイが暗いのですが、と言われると、そっと手洗いに行く振りをしたり、「ああ、すみません、会議が始まりますので」とか「そのうち、動きますよ、明るくなりますよ、きっと」と言ったまま、葛藤場面から逃避する。
要するに、40年近い年月、マシンに取り囲まれた生活だったので、まるで「息の仕方を、おしえてくれませんか」といわれるような、あるいは「ハンドルをどれくらいの角度まわすと、道を曲がれますか」とか、「蕎麦は一回に何本ずつ食べるのが上品でしょうか」とか、問われたような気になって、立ちすくむ。
現代の大学にとって、余は良い先生ではないと自覚した。
不思議に、純粋の図書館学科目は、あきもせず、毎年毎年、同じ屁理屈をバカ丁寧に演説しているのじゃが。
2.日曜司書ロボ作家:プチロボX
身長15センチのロボットキット(プチロボX)が昨日葛野研に到着した。ほんと、ちっこい。アルミ板むきだし、電池まるだしの、すっぽんぽんの少年ロボじゃね。頭というか、顔がない。これは後日、描いてやらないと。
そこで、サーボモータ。
さっき夕刊を見ていたら、大阪大学の石黒某教授の記事があって、関節なのか筋肉なのか、そういう動かす素をアクチュエーターと呼んでおられた。身体全体に42個、頭部だけで13個ものアクチュエーターがあって、アンドロイド(人間そっくりロボットと解釈しておこう)が動くようだ。
以前、NHKのTVで見て、少女ロボと美女ロボの二人をみたが、いろんな意味でショックを受けた。
まあ、それはよかろう。余は、むかしからSF大好き男じゃったから、アンドロイドときくと、背中が痺れてくる。それだけの話。
そこで、もういちど、サーボモータ。
アクチュエータというのは、余が今秋から育てる「少年司書ロボ0号」の場合、サーボモータと考えてよいと思った。
キットに最初から9個も付いてくるモータなのだ。
一般に電池で動くモーターは高速で回転するものを想像するが、サーボモータというのは、160度~180くらいの角度を、一度単位とか、もっと細かく、もっと荒く、カチカチと角度を変えるもののようだ。
(ラジコン趣味の方は、よくご存じのこと)
ただし、強力な力(トルク)があるので、その軸に手とか足をくっつけると、数度単位で直接手足や首を動かす仕掛けを組める。だからなのか、高価だ。他のサイトを見てみると、単品でも実用的なものだと万円のオーダーだった。
もちろん、ちっこい少年司書ロボ0号の場合は、キット経費が、科研費でもうすなら洋書数冊程度のものなので、サーボモータはわずかに9個しかなく、そして手足といっても、数センチのアルミ板程度なので、トルクも小さい。要するに、一個あたり多分千円前後だろう(それでも高額だ)。
普通、サーボモータが何故高価かというと、それはちっこくても、信号で細かく制御され、その上に自分の動いた結果を、また信号に変えて返す仕組みが内蔵されているからのようだ。
余 「手を、やさしくちょっと動かせ。5mmほど」
0号「動かしましたが、なんか触って、3mmで停まりました」
余 「そうか、ほな、もうちょっと強い力をだせや」
0号「出しました、なんか、抜けてしまった!」
余 「あほ、女性の手相見るのに、手を壊したらあかんがな」
コンピュータと、こういうやりとりをするのがサーボモータという仕組みらしい。それが、手足胴首に合計9個もある。
余は今後、少年司書ロボ0号に、まるで、息の仕方を教えるような、そんな地獄が見えてきた。
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