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2007年8月26日 (日)

NHK風林火山(34)裏切りの真田幸隆

承前:NHK風林火山(33)道安(内野・勘助)絶体絶命

 さて瞬く間に日曜の夜がすぎた。いま、この記事タイトルを付けながら、首をかしげている。「早く終わりすぎだ」と、「はて、このタイトルは意味が分かりにくいな。どういう意図で、Muは付けたのだろうか」と、考え込んだ。

 佐々木・幸隆は誰も裏切っていなかった。敵対する村上勢からみるならば、幸隆こそが結果的に実弟常田隆永を裏切らせたことになる。
 海野家再興が、その鍵となった。

 ドラマの今夜の情報だと、海野というのは名家だったが、武田に滅ぼされたわけだ。そして、実は真田は海野家の分流らしい。本家は真田じゃなくて海野らしい。
 こういう家系、名流意識は現代の、特に福井県南条郡今庄町大桐を祖地とする炭焼きを先祖にするMuにはあずかり知らないことだが、なかなか当時、現地では大変な重みのあることと想像する。

 その海野(うんの)の忘れ形見、娘が一人、真田幸隆の妻・忍芽(しのめ:清水さん)の兄の実家河原家に預けられているらしい。
 そこで、とわずがたりの勘助の入れ智慧で、晴信は盲目の次男(仏門)に海野家の娘を嫁がせ、海野家を再興する約定をだしたようだ。真田家の始祖が盲目で、代々真田家は目の不自由な人に手厚い家風があるとのこと。そこまで、晴信はおそらく勘助から耳にして、海野家再興を許した。

 断絶した家を復興したり、あるいは、失った領地を回復するということは、当時の地侍、戦国大名にとっては、夢のような話であると、ここでイメージしなければ、この一連の佐々木蔵之介・幸隆周辺の感情の動きが分かりにくい。

 そのために、今回の「裏切りの真田幸隆」というタイトルがある。
 砥石城を奪回しないと、真田の領地復帰はおろか、武田家臣団の中での幸隆の立場は落ちるしかない。幸隆の親友のような相木は勘助に、「今回の砥石城を早攻めしたのは、わしの入れ智慧だから、失敗を責めるならわしを責めよ」と云う。
 勘助が「策を弄する者は策に溺れる」と口にし、秘策があると幸隆に云い、それを問われて「内応者」と答えると、そんなことなら息子でも話していると、夫婦そろって勘助に失望する。

 この期に及んで謀略、調略とはさすがにMuもげんなりしたが、しかし今夜は結局その「成立しがたい謀略」というか秘策を勘助のガイドで無事やりおおせたことにつきる。結果として海野家が再興されるという一夜だった。

 小さなエピソードがどんどん積まれてぐいぐいと引っ張っていく。忍芽は長男を連れて敵方の義弟のもとに死を賭して乗り込み、夫・幸隆の実弟に寝返りを頼み込む。

 ……

 最初の疑問。
 真田は、勘助ほどの汚れた手は使わないが、裏切りの真田という良い印象(爆笑)が残ってしまった。
 一体、真田幸隆実弟の常田(ときだ、と聞こえた)は、なぜ兄の敵にまわったのか。これは考えてみると、その方が自然だったと思い出した。つまり、妻・忍芽やその兄・河原の反対を押し切って、勘助のガイドでにっくき武田に下ったのは幸隆の方だった。実弟の常田は、最初から、真田を襲った武田に反抗し、村上についたのだから、幸隆の行為の方が、常田には不可解だったのだろう。

 してみると。
 やはりかっこよい佐々木・幸隆は、裏切りを発端として武田に寝返り活躍し、ついには実弟も裏切らせたのだから、ここに「裏切りの真田幸隆」というタイトルは自然なものと、解釈できる(笑)。

エピソード1
 小山田さん、勘助が帰っても、ひとりだけ笑って「どしぶい勘助、憎めないな」とうそぶく。この方の活躍が待ち遠しい。自分の息子は、一体どなたさんがテテゴだったのでしょう? 伏線がまだ融けない。

エピソード2
 ガクト。宇佐美と勘助の噂ばなし。もういうまい。
 しかし事実は記録しよう。たしかに、明白に、龍の床の間絵飾りが画面に入ったとたんに、背中をぞわぞわと、電流が走った。異世界だね。

エピソード3
 予告編。これが毎週楽しみだが、いよよでました、○○眼の由布姫様。
 息子さんも大きくなって、いまだに「姫様~」といわれるなんて、女冥利につきますな、幸さま。 
 三条さんにちょっと意地悪を言われている場面。雰囲気としては「ゆふさん、あんさんちょっと、のぼせてますなぁ」と、エグイ京言葉どしたなぁ。
 その後、勘助がピシャリと障子をしめて、次に由布姫の恐ろしくもキツイ顔。密談。
 多分「勘助! わたくしは、息子の四郎を武田の跡継ぎにする。ぜったにするぞ。負けてなるもんかぁ。勘助、そなたは、わたくしの云うことを聞くのだぞ」というふうなやりとりに見えた。毎度毎度、予告編は気を持たせるな。

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コメント

http://www.keypaper.net/2007/09/post_5.html
↑この記事からたどり着いた占いで、以下の結果がでましたなぁ。

●武力:60点 [普通]
●知力:80点 [よくできました]
●魅力:50点 [普通]
●政治力:65点 [よくできました]
●才能:90点 [すばらしい]
ということで、豊臣秀吉でした(笑)

投稿: Mu記録 | 2007年9月17日 (月) 10時54分

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