« 小説木幡記:2007/08/04(土)点字と暗号 | トップページ | 三十九万アクセス(39万/全体64万):MuBlogの分析 »

2007年8月 5日 (日)

NHK風林火山(31)真田幸隆の謀略

承前:NHK風林火山(30)海と鉄砲

真田氏発祥の地(長野県上田市真田町本原)

 今夜のドラマは途中から、真田家のことを考え込んでいた。
 真田幸隆(ゆきたか)の弟は敵対する村上義清(永島敏行)の家臣になっているということだ。どういういきさつでそうなったのかは知らない。ただ、後年幸隆の後をついだ真田昌幸(まさゆき)親子の場合、昌幸の長男(信幸)は家康につき、昌幸と次男(真田幸村)は西軍石田についた。家康が勝ち、以後真田家は明治維新まで家を保った。

 真田家のこのころの人達は兄弟肉親であっても自由に行動したのか。あるいは後年の昌幸親子の場合、世上言われるように、昌幸の深謀遠慮によって、兄弟を東西に分けて残したのか。今夜の、幸隆とその弟のことは、どうなのだろう。

 ともあれ。
 今夜の幸隆の謀略は焦りも見られたが壮絶複雑なものだった。相木という、以前から武田晴信の命をうけて、勘助も知らない間に逆スパイをしたり、喰えない人なのだが、この相木がしきりに幸隆を煽った。
 真田家に村上方の間諜が入っているという情報をえた幸隆は、相木と謀り、家臣団の前で春原(すのはら)兄弟を打擲し、弟が兄の首をはねる寸前で幸隆が刃を止めて一芝居打った。兄は疑いの解けないままに牢に入り、弟は憤怒の顔をして村上の前に立った。「幸隆は欲に目がくらみ理不尽だ。兵を貸してくれれば内応し、真田を討つ」と進言した。村上はこの言を容れた。

 今夜の幸隆は、打擲した春原兄弟とは合意のことであり、真の間諜をあぶり出す目的だった。そして、真の間諜は別の家臣と分かり、村上の手勢五百は幸隆・相木の奸計に落ち、村上兵は破れた。

 画面は一転し、越後のガクトの前に勘助が根来僧の鉄砲商人として座っていた。ガクト(景虎)は鉄砲百丁を要求し、運ばれるまでは「そなた」(勘助)を人質にすると言った。

 この時の、ガクトの背景が京都嵐山の天龍寺の龍みたいで、実に格好がよかった。たしかに、このときだけは、場の空気が大河ドラマを飛び出し、まるで銀英伝(銀河英雄伝説:と申しても、もう記憶にある者もいないだろうな)世界に飛び込んでしまう。いや、実に素敵な情景描写だ。ガクトのセリフが、急に貫禄のあるぞんざいなものに変わって、先週までと比べて別人になった。「気に喰わぬ」というガクトのセリフが乗っていた。

 まとめてみる。
 小山田は美瑠姫が生んだ自分の息子が、他人の子だと知った(と、そういう形相)。これはどうなるのか。
 晴信の姉が今川で死んだので、次の人質を用意しなければならなくなった。しかし勘助は、村上を破り信濃を手にすれば、今川は敵でなくなり、もう人質を出す必要はないと確約した。
 真田幸隆は、謀略に勝ち、それに応じて晴信が出張ってきた。これはどうなるのか。
 そういう情勢を知らないままに、勘助は越後の長尾景虎のもとで足止めをくらった。

 こうして、ひとつひとつの場面が余韻を残し、おぼろに伏線であることを気付かせる。今年は、この伏線がミステリ並に手がこんでいて、ときどきあっけに取られる。しかし、大抵は後で胸がすく。
 今、一番気がかりなのは、内野(勘助)、ガクト(景虎)と、軍師・宇佐見の三つどもえだ。越後で足止めをくらった勘助は、来週どのような口舌を転がすのだろうか。たのしみだ。

|

« 小説木幡記:2007/08/04(土)点字と暗号 | トップページ | 三十九万アクセス(39万/全体64万):MuBlogの分析 »

NHK風林火山」カテゴリの記事

コメント

今回の大河はスパイものとか女性の忍者ものとか「陰陽師」的怪しさとか、いろいろな要素が入っていてすごく楽しいです。
来年の大河が見られなくなるかも…?
去年もそう思っていたんですが。

投稿: なったん3211 | 2007年8月 6日 (月) 11時19分

なったんさん
 諜報合戦は、山本勘助や石齋や、もうすぐ活躍する宇佐見さんがみんな軍師格で、さらに勘助は主役だからそうなるのでしょうね。

 忍者ものは真田幸隆が伝統の真田十勇士の祖父だから、そうなるのでしょうね(笑)。ただ、九の一じみた女性忍者の登場は、きっと脚本家が山田風太郎先生のファンなんだと思います。

 陰陽師については、昨夜もしげしげとガクトを眺めておったのですが、この方はどこからみても、性を超越した異形の俳優(実は、歌手のようですが。宝塚じゃないようですね)ですから、これも仕方ないようです。

 毘沙門天像の前で護摩を焚くのは、陰陽師のうち、密教系というか山伏系というか、独特の感じがしました。それにあのひらひらした衣装と、長髪ですから、ガクトならではの演出見本ですね。

 ガクトのことはMuが知らないだけで、結構有名人のようなので、気恥ずかしくて本文にはあまり書きませんが、Muの年齢から眺めると、彼は昔の劇画のなかの超絶美形そのものです。

 ようするに、好意をこめて彼は「漫画、アニメ」世界の人だと思います。

 もしも、ガクトが同僚だったり、学生だったりしたら、どう対応してよいのか、頭が痛いでしょうね。さらに、ガクトのお嫁さんって、毎日どうやって過ごすのか、考えると眠れなくなります。

投稿: Mu→なったん3211 | 2007年8月 6日 (月) 18時00分

こんばんは~!先日は私の記事の間違いを(ドクロの顔文字で)ご指摘頂き、たいへん光栄に存じます。
女忍者の活躍は千葉真一の娘という製作側の事情かも(?)よく考えると真野響子の娘と野際陽子の娘が共演しているのですね。さらに来年の大河には真野響子も出演するようです。柴俊夫はわかりませんが。
ガクトは美しすぎるがゆえに子供の頃から浮いていて、それが彼の性格とか職業を決めてしまった…というストーリーを私は勝手に作ってしまっています。Wikipediaでガクトのことを調べてみたのですが、結構楽しい人のようです。
私には異性として考えられない人ですが、美形好みの女子もたくさんいるので、モテるでしょうね。

投稿: なったん3211 | 2007年8月 7日 (火) 21時54分

なったんさん
 芸能界情報をありがとうございました。
 なにかしら世代交代の時期が大河ドラマに押し寄せてきたのかも知れません。

 ガクトのことですが、おっしゃる記事を眺めました。

Gackt(がくと、神威 楽斗(かむい がくと、Gackt Camui)

と記してありましたが、カムイって、なにか記憶を刺激する言葉です。
 ともあれ、NHK大河ドラマで歴史上の大人物を演じるなんて凄いことです。Muもいつか、「天武天皇」さんを演じてみたいです。

投稿: Mu→なったん3211 | 2007年8月 8日 (水) 00時30分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: NHK風林火山(31)真田幸隆の謀略:

» 風林火山〜第31話・太吉一族! [一言居士!スペードのAの放埓手記]
風林火山ですが、武田の信濃攻略は順調のようです。小笠原・村上二大勢力の弱い方から崩して行くのですが、小笠原長時の逃げるシーンは使い回しのような気もします。今川義元の正室が亡くなった為、武田から新しい人質を出す必要もあります。(風林火山、第31話・裏切りの城の感想、以下に続きます)... [続きを読む]

受信: 2007年8月 5日 (日) 22時57分

» 風林火山・第31話「裏切りの城」 [大河ドラマ風林火山、韓国映画、ドラマ「ホジュン」の感想サイト]
{{{些細な話ですが今回のタイトルロールはちょっと変わっていました。 「花」が忍芽でラストは諸角虎定(加藤武)です。 前回の「初めと終わりがそれぞれ武田と上杉の軍師」パターンがわりと気に入っていたのですが、今回宇佐見定満は出番がなさそうです。 あと、背景が変わっていることに今回気づいたのですが、前回からだったかな?}}} 武田の小笠原討伐はオープニングの数分間で終了。小物だったせいか(?)あっけなく終わります。 小笠原長時は逃亡し、武田は府中・信濃を手に入れました。 その頃、陣中..... [続きを読む]

受信: 2007年8月 6日 (月) 11時19分

» 風林火山と上杉謙信女性説!! [函館 Glass Life]
真田幸隆にとって念願の砥石城の攻略、浮き足立つのも 分かりますよね{/hiyo_oro/} 目の前にそびえる砥石城を見て、逸る気持ちを抑える事は出来ませ{/s2_sum_mount/} 村上の間者を利用しての幸隆の謀略によって、村上軍は惨敗しました。 しかしこの戦い前哨戦に過ぎないのです。 大事の前の小事!!この勝利によって晴信が出陣する羽目になるのです。 勘助があれほど時期尚早だと言ったにも関わらず… その戦いで義父を亡くした平蔵にとてって、生涯武田憎しの気持ちは 消えないでしょうね{/cat_... [続きを読む]

受信: 2007年8月 6日 (月) 12時11分

» 風林火山 [のたまふ]
第31回/裏切りの城 ―あらすじ―晴信(市川亀治郎)はついに小笠原長時(今井朋彦)を追い落とし、信濃府中を手中にした。残る信濃の大敵は村上義清(永島敏行)のみ。村上を倒すには難攻不落の砥石城の攻略が欠かせず、その役目はかつてその地を領有していた真田幸隆(佐々木蔵之介)が担っていた。 勘助(内野聖陽)は村上攻略は時期尚早と、焦る真田を戒め、自らは鉄砲商人に扮して越後への潜入を試みる。越後の長尾景虎(Gackt:ガクト)の器を見極めるのがその目的だった。 一方、真田家中に村上の間者がいるという情報が葉... [続きを読む]

受信: 2007年8月 6日 (月) 19時16分

» NHK風林火山(32)山本勘助:景虎と宇佐美の思惑 [MuBlog]
承前:NHK風林火山(31)真田幸隆の謀略 砥石城(長野県上田市上野付近) 参考:Google地図では→リンク  内野・勘助はずっと気に入っている。  ところがここ数回、そう、それは由布姫の出番が無くなって、勘助がひとりぽっちになったころからだが、なにかしら勘助に生彩を感じなくなっていた。それは由布姫と勘助の葛藤があまりに激しくて、勘助はそこで燃え尽きたのかもしれない、と疑う毎週であった。あまつさ... [続きを読む]

受信: 2007年8月12日 (日) 22時01分

« 小説木幡記:2007/08/04(土)点字と暗号 | トップページ | 三十九万アクセス(39万/全体64万):MuBlogの分析 »