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2007年7月14日 (土)

涼夏2007PCの自作 (8)RAID設定(WindowsXP)とグラフィックスボード

承前:涼夏2007PCの自作 (7)配線とアクリルケース

注記
 この記事は相当に長文です。必要な方は最初章ごとに分割してお読み下さい。なぜ記事を分離しなかったかというと、ここに記した内容は、実際には「一息」で済ませてしまうことだからです。不慣れなほど、間をおくとなにがなにやら分からなくなる一連の工程です。
 PC自作の要諦は、理解すべきことは理解し、そうでないことはアバウトにし、丁寧に正確にことを進めることにあります。そのためには、多少のウンチクを必要とします。必要度は人によって異なります。おそらく、この一息で済ませる自作のための「ウンチク」は、初心者にはこれくらいは必要なのでしょう。(著者)

アクリルケース・内蔵温度計

アクリルケース内の温度計、27度c
 この「涼夏2007PC」自作シリーズも終わりに近づいてきた。この日は、一旦外したグラフィックスボード(ASUS社のEN8600GT)を配線の終わったケースに再度装填し、最後に左サイドパネル(アクリル製一枚板)をネジ留めしようとした。その寸前に、部屋にあった温・湿度計が目に入った。急に思い立って、セロテープで中にとめた。蓋をしてみると、なかなか様子がよくなった。内部が透けて見えるというのは佳いものだ。
 アクリル板を合計8本のネジで留めた。この内蔵温度計は、涼夏2007PCが生きている限り、一番の特徴、個性になることだろう。

(1)室温と点火の瞬間

室温:葛野研
スイッチON
 根が奇妙なほどに科学少年だったから、三つ子の魂百までと、何かを行為するときは無意識にゼロ状況(使用前)を記録することが多い。室温を確認したら、設定が28度Cで、室温は27度だった。研究室は小さいせいか、冷暖房がよく効く。それをすぐに写真にとるのが、やはり科学少年の名残なのだろう。(今にいたるもUFOを一度も写せなかったのが生涯の悲しみだ)
 スイッチオン。点火した。よい色合いでした。
 ショップの透明PCとは違って派手な色調ではないが、なにやら、涼夏の全体からオーラが立ちのぼったのを幻視した。無音だった。あわててファンをみた。確かに、回転していた。
 そしてBIOSが立ち上がり、~。
 それは後にして。

(2)RAIDの前仕込み

RAIDドライバーのFDへの複製
 RAID、RAIDと騒ぎまくった自作シリーズだが、大したことではない。ハードディスクが数機あれば、だれでも作れる。データの記録(ハードディスクに対する入出力)を超高速にするか(RAID0)、安全に扱うか(RAID1)、そういうことができるだけ。ただ、ワークステーション世界やマニア世界でどれほど普及していても、年一PC作家には「おおごと」なのだ。PC世界ではまだ完全普及していないようで、ギガバイト社の細字英文マニュアルの解読には一苦労した。

 要するに、結論は簡単だ。マザーボードが持つRAID機能を組み込むには、事前にそのドライバーソフト(ハードディスクなどの部品と、WindowsなどのOSとの媒介)を、準備しておく必要がある。
 何故なら、WindowsXPが組み込まれる前のPCは、赤ちゃんみたいなもので、自分で出来ることに限界がある。だから哺乳瓶みたいなものを用意して、そこにミルクや栄養源をたっぷりいれて、まずは「さあ、一杯」と飲ませて、やっと赤ちゃんPCが泣きやんで、重厚極まるOSなどを受け入れる状態になる、というまことに手間暇、世話の焼けるものなのだ。

 この場合、哺乳瓶に相当するのがFD:フロッピーディスク。ミルクや栄養源に相当するのが、RAIDドライバー。普通なら、昨今はCDやDVDに一式栄養が組み込まれているから、哺乳瓶は必要としない。しかし、RAIDのように、まだPC世界で一般化していない機能を組み込むには、FDという原始的な媒体でしか、赤ちゃんPCに接触できないわけだ。

 そこで、さらに特殊な話は省き、ギガバイト社のマザーボード添付CDと空のFDを用意して、別のPCで、CDからFDに必要部分をコピーしておくことになる。詳細は写真をクリックして下さい。別のPCがまったくないと(友人のノートPCを5分ほど借りるだけだが)、ちょっとね。つまり赤ちゃんPCをMS-DOSという原始的な栄養源で蘇生してから、事が進む。これは、昔は当然のことだったが、現代人には原始的すぎて尻込みすることだろう。

 ともかく、RAIDドライバーの入ったFDを一枚作って、それで後が楽になる。

(3)BIOS設定:RAIDを「可:Enabled」にするだけ

BIOS設定:(1)Integrated Peripherals
BIOS設定:(2)SATA RAID/AHCI Mode
 マザーボードのBIOS(バイオス)設定は、自作者だけではなく一般利用者もまれに使うことがある。PCの電源をいれてすぐに、「DEL」キーを押すと大抵は見慣れない画面になる。この意味や紹介は年一PC作家の仕事ではないので、省略する(笑)。ややこしい世界だ。PC世界が未だに欧米世界というか英語圏世界に牛耳られているのがよく分かる。だってね、すべて「英語」の「特殊用語」つまり、ジャーゴン:隠語世界だな。もう、業界用語で満ちあふれた別世界。

 話がそれました。そんな事ではなくて、要するにマザーボードのBIOS設定は私などもほとんどタッチしない。殆どのことはほっておけば暗黙のうちに事が進む。しかしその時代時期に特殊なことをするときは、マザーボードの設定を変える必要がある。「特殊」なことも普及すると、Default(暗黙事、当然事)となる。昔は、CPUそのものまで指定する時代もあった! 今はどんなCPUで、どんなスピードで動かすかなど、すべて自動的に判定してくれる。

 詳細は写真部分に記しました。ここではBIOS設定において、RAID機能を使うと指示するだけで、終了。

(4)BIOS設定:グラフィックスボードを使う

BIOS設定:(3)ディスプレイ関係初期化
BIOS設定:(4)組み込みVGA
 画面表示関係について、別のグラフィックスボードを装填する場合には必要だが、そうでない場合は無視しても一応写る。画面表示については、むしろOSが動き出したときに、画面が順調に最高性能を出すように、マザーボード添付CDでドライバーソフトを組み込むことが必要になる。

 さて最初に設定したのは、グラフィックスボードをどういう拡張スロットで使うつもりなのか、という指示である。私は、写真説明ではおちゃらけなことを書いたが、「PEG」を確信して設定した。PEGとは(PCI Express Graphics)の略で、「PCI Express ×16」という3年前には普及していなく、私も知らなかった拡張スロットを使ってグラフィックスを扱うという意味であろう。

 だが、しかし~、そんなことを指定しなくても、もともとASUS社のEN8600GTは「PCI Express ×16」スロット以外には装填しようがないのだから、マザーボードが自動判別してもよかろうに。~まだまだ不明な点が残る。年一PC作家には、「動けば、よろしい」のだから、このくらいにしておこう。

 次に手を加えたのは、オンボードVGA(内蔵・グラフィックス機能)の扱いである。これも本当は手を付けなくても、勝手に「もし別のグラフィックスボードが無ければ、内蔵グラフィックスを使えるようにしておきます」となっている。ただし、意識して私はここを確認したわけである。

 VGA:Video Graphics Array という言葉は本来のIBM社が規定した言葉の意味(640x480で画面表示するしかけ)と、現代の文脈では異なるようだ。現代は、単純にグラフィックスボードの別名と考えて佳い。で、それがオンボートというのは、私がじゃまくさがりなので、オンボードVGA(マザーボードに表示装置が組み込まれている)を選定して、ギガバイト社の「GA-G33M-DS2R」を入手したから、「オンボード」なのである。VGAがないマザーボードも多い。以前は、ない方が多かった。いまは、じゃまくさがり屋が増えたのだろう。それと、ちいこいMB(マイクロATX仕様基板)だと、拡張スロットの数が少ないから、いろんな機能をマザーボードに全部組み込んだ物が普及している。

 本来だと、マザーボードは、LANも音声も画像も、すべて別々に自作者が部品を選んで装填するのが普通だった。その分、機能を選ぶ自由度があったわけだ。
 現代は総てが組み込まれたマザーボードが普及している。ただし、すべて組み込まれたマザーボードは、それなりに各機能が普及タイプになるから、後で拡張スロットの限界の中で追加することもできる。

 私が、ASUS社のEN8600GTという、マザーボードよりも高価な(と、言っても2万円)グラフィックスボードを選んだのは、動画のことや、PC全体の総合性能アップを意図してのものである。VGAはもうひとつのPCだから、表示速度が変われば、PC全体の雰囲気が大きく変化するものだ。体感で、それは味わえる。

(5)BIOS設定:RAIDの詳細設定:物理的ハードディスクの扱い

BIOS設定:(*)CTRL+Iによる、RAID設定
 基本的なBIOS設定を終了すると、画面が変わって、最下部に「RAIDなどを使うなら、CTRL+I を押せ」とでるので、すかさず押下する。なれないと、すぐに次の画面に移ってしまう。そうなったとしても、再度リセットスイッチを押して、動き出すと「CTRL+I」が表示される。
 このRAID設定画面は比較的分かりやすい。一番大切なことは、どのハードディスクを、どんな名前で、どんなRAID仕様にするか、の指定にある。 

 RAID0は、ストライピングと言って、データを細分して別々のハードディスクに書き込む(読み込む)仕様。HD:ハードディスクは最低2機必要で、多数使えばそれだけ速度が上がる。しかし、もし6台使ってRAID0仕様で動かすと、その中の一機だけでも不調になると、すべてのデータが使えなくなる。一番高速だが、繊細すぎる方法である。

 RAID1は、ミラーリング(鏡保管)と言って、同じデータを別々のHDそれぞれに格納する。HDは二機必要で偶数扱いとなる。HDが一機不調になっても他のHDが即座に代替するのだから、バックアップに似ている。速度はRAID無しの場合と一緒になる。
 ただ、バックアップと思うと失敗する。一般的なバックアップは、定期的に行い、その時系列データを管理する。何日前のデータを復元する、昨年のデータでゼロから始めるというのが、バックアップの意味に重厚に含まれている。
 しかし、ミラーリングは、もし何かの間違いデータを記録したとすると、その間違いがそのまま偶数のHDに記録されるのだから、治しようがない。ネット情報で、さもあろうという話があった。「RAID1が壊れたので、そのまま継続して、切りのよいところで新品HDをセットしなおした。すると、気持の上では空白のHDに、残っているHDデータを再度複製すると思ったのに、疲れていたのか複製元と複製先を間違って、あっというまに両方とも空白になった」という趣旨だった。普通のバックアップでも、よくある話だ(爆笑)。

 RAID5は、RAID0の不安定さを解消するために、三機目のHDを用意し、奇数機でストライピングをしながら、そのパリティデータ(一種の、データ復元を可能とする圧縮データ)も同時に扱うという進んだ方式。当初は涼夏もこの方式だけを考えていた。だからHDを3機用意した。しかし止めた。
 その事情は、ストライピングよりも書き込みが遅くなり、3機のHD仕様は現状ではそっくり同じものを要求するからだ。そのことなら、多分RAID1も同じ仕様のHDを要求するだろうが、機能的にはその要求は緩やかに思えた。RAID1なら、少ない方の容量に合わせれば済むが、RAID5だと、そのあたりの調整が難しかろうという、推測にすぎない。
 ただ、推測して「無理があるなぁ」と感じられる技術は、私の場合余程のことが無い限り、使わないようにしている。それだけの、感覚的なものだ。

 RAID10は、10ではなくて、RAID0とRAID1の複合である。これはHDを最低4機必要とする。ストライピングの高速性と、ミラーリングの安全性を素直に表現したもので、よさそうだ。しかし最低でHDを4機も用意するのには、さすがにHDに頬ずりする私でも、止めた。この方式は、別の外付けHDアレイ(積層)方式でする方が良かろう。それにアイロンみたいなHDを4つも同時起動すると熱いではないか、涼夏が熱でとろけてしまう。

 というわけで、保守本流旧態墨守、おもしろみのないRAID1に決定した。私はオタクじゃない、マニアでもない、PCは開発とか仕事とかで使うのだから、あんまり奇妙奇天烈な方法はとらない。そして「Raid070706」という名前を付けた。OS上では、これは一つのHDとして認識するのだから、それなりの名前があった方がよい。
 さらに、3機あるどのHDを2機使うかは、SATA2ソケットの順番にしておいた。

(6)RAIDドライバー(FD)とWindowsXPのインスツール
 以下はその順番にしていくわけだが、WindowsXPのCDをあらかじめPCにセットしておいてから進める。

* 電源をオンにする、あるいはリセットする。
* WindowsXPのインスツール画面になったら、その直後にF6キーを押す。
* 「ドライバーを事前セットするなら、「S」を押せ」と出る。Sキーを押下する。
* すると、A:、つまりFDを入れよとなる。そこで本記事(2)で作成したFDをセットする。
* 入れて改行すると、組み込み始める。
* 終了すると、普通のXPインストールに戻るので、あとは通常の作業となる。

 この後、実際にはWindowsXPのサービスパック2を追加したので、時間がかかった。実は最初は気がつかなかったのだが、私の涼夏は新品(2007年6月前後発表のパーツ)のマザーボードやグラフィックスボードだったせいか、昔のXPでは不都合があるようだ。

 OSが動き出したなら、マザーボードの添付CDで、諸々のドライバーソフトを自動組み込みする。クリック一つでやってくれるので楽になった。その後で、グラフックスボードの、諸々のドライバーも組み込む。

 終わった!

(7)WindowsXPでRAIDとVGAを確認する

Intel(R) Matrix Storage Console:積層記録装置確認画面
ASUS社のSmartDoctor画面
 RAIDやグラフィックスボードが動いているかどうかは、はじめてなので分かりにくい。左写真は、インテル社のアプリケーションで、これでRAIDが動いているのがよく分かる。右写真はASUS社のアプリケーションで、グラフィックスボードの機能を変更することができる。つまりは、スピードを上げるか下げるかの調整である。ゲームなら高速にすればよいが不安定になりかねない。高温を避けたり、安定して使いたいときは、バーを左にすればよさそうだ。
 写真をクリックすれば簡単なコメントが読めます。

(8)涼夏2007PCは、高速高機能なのに安定している!

稼働一時間後のケース内温度、29度C
 約1時間後に温度計をのぞき込んだら、わずかにケース内温度が2度上昇しただけだった。CPUもグラフィックスボードも高温を避ける設計に工夫をこらした結果だと思っている。後者は、うたい文句では「通常よりも7度Cも下がった」とある。多分ファンレスでも動くように工夫があるのだろう。
 アクリルケースという、アルミケースに比較すると放熱効果が少ない涼夏だが、いくつかのケースファンによって「風の道」がうまく通ったのかも知れない。
 ただし、本格的な検証は後日になる。遅くてしんどそうなJavaアプリケーションを動かしたり、京都の暑い8月になったなら、涼夏も悲鳴を上げるかも知れない。その時は、また、SAMURAI-Zに換装して、たっぷり冷やすか、風穴を空ける工夫もしてみるつもりだ。

 それにしても、速い! もう、絶対に戻れないねぇ~。 高速マシンとは、涼夏2007PCの代名詞だぁ。

 次は、最終回として、涼夏2007PC記事の目次、諸元、諸経費、感想などをまとめる。しかし実際に使いこなしていくことで分かることも多いので、その他のことは今後も補遺として追加していく。

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