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2007年4月22日 (日)

NHK風林火山(16)由布姫と自害

承前:NHK風林火山(15)悪鬼

 諏訪頼重は甲府で自害する前に、勘助と話をする。息子(信玄の甥にあたる)を、小狡いことも充分わきまえた主君に育てて欲しいと。勘助は承ける。この場合、小狡いのは晴信(信玄)よりも勘助だったのだが。頼重は世間の小狡さと、戦略・戦術上の謀略とを区別出来なかった点で、政治家としては凡愚だったのだろう。

 諏訪の残党は、娘由布姫とともに上諏訪の桑原城に籠城する。晴信は板垣に終戦処理を任せる。勘助の考えと晴信とは一致し、後顧の憂いを断つために、諏訪一族殲滅の方針で臨んだ。

 由布姫は勘助が部屋に着いたとき、自害していなかった。
 あまつさえ、守り役老嬢の口添えに反発し、勘助に向かって「嘘じゃ。自害などしたくはない」と、妖しい微笑とともに、吐き捨てる。

 さて。
 今夜は、完全に記すとなると、この記事数回分になる。
 しかし、今は余韻を確かめたい。
 頼重の介錯なしの切腹もすさまじければ、由布姫の憎悪と生きる執念と、気の強さも迫真だった。
 以前、「義経」で若い女優が所を得て、化けた開眼した、と思わせるシーンがいくつかあった。おそらく、今夜の由布姫もそれに当てはまるだろう。

 それにしても山本勘助。
 実はBS2で藤沢周平シリーズがあって、来週火曜日に「秘剣、馬の骨」とかいう作品の最終である。ここに勘助が別名で出ている。その味わい深い剽軽さと、今夜の勘助とが、私の中でなかなか合致しない。どちらも上等なのだが、見ていて、息が出来なくなるような役回りという点では、風林火山の方が深い。隻眼の鎧兜姿は、鬼気迫る。

 うむ。
 今年のNHK風林火山は、たしかに、すでに四月末で高みに達している。このままのハイテンションが続くと、私は途中で息も絶え絶えになってしまいそうだ。恥ずかしながら、両の拳(こぶし)をぐっと握りしめて観ていて、終わった後も開かない。私は、相当にドラマ、物語に心身全部飛び込んでしまうようだ。明日も仕事というのに、困った困った。
 なんとなく、明日からは「勘助、そちにまかす」とか、同僚や若いもんに言いかねない。

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コメント

 由布姫のこと

 美人だったそうですね。どうもストーリに難がありませんかね?何故、武田は姫を生かしたのか?

どうも、判りません。もともと殺す気はなかったのではないですかね。巫女さんみたいなもんですから、殺せなかったと考えた方が納得できます。

 毎回面白くなってゆきますね。楽しんでいます。

投稿: jo | 2007年4月23日 (月) 11時22分

Joさん
 ここでゆふ姫が死んだら、勝頼がうまれなくなる。
 16歳くらいだったようですね。巫女さんを殺すわけには〜

 どうやって生かすか、楽しみにしていたせいか、姫がけつまくった(生きたい! 死にたくない!)ストーリーで、私は納得(笑)

 まあ、女性は比較的、殺されずにすんだ事実はありますね。男性だと、出家だけど、これは、還俗するからね、あぶない。

投稿: Mu→Jo | 2007年4月23日 (月) 11時53分

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承前:NHK風林火山(16)由布姫と自害  由布姫の泣く様をいろいろ考え込んで見ていた。両親と家のない16歳の少女が置かれた立場とはどういうものであろうか。そこにあるのは飢餓の恐怖よりも、生死の分かれ道に立った決断の恐怖であろう。現実の由布姫役・柴本幸は23歳の、長身らしい。今の青年は往時の7掛けとみてよいから、丁度1... [続きを読む]

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