小説木幡記:20070326(月)たまに息が詰まるな
いまタイトルを書いていて気付いた。「息詰まる」と「息が詰まる」とでは意味がだいぶ違ってくる。前者は「行き詰まる」の意味に聞こえてくる。同じなのだと思った。
振り返ればたいしたことでもないのに、相変わらず今日も息が出来なくなるんじゃなかろうかと、夕方葛野で目を閉じた。午前中は市内出張で、緊張が続いた。未知のひとと話し合ったりすると大抵おかしくなる。お昼に豪勢なお弁当を頂いて、皆と食べていると落ち着いてきた。
研究棟が密集したキャンパスをRSで出ようとすると、人が一杯で四方を取り囲まれてしまった。別に、余をめざしてのことじゃなくて、たまたま卒業式だったようだ。着飾った若い男女が雲霞のように時計台・記念塔の前に集まってきた。全体に黒いのは、男性も半分以上いて、スーツの色が濃紺に近いからだろう。女性は、葛野と同じく袴や振り袖できらやかだった。這々の体で抜け出した。そう言えば出席者のお一人が「いえ、なに、懇親会が~」と、会議終了間際に退席したから「昼間から、変なことおっしゃる先生だな」と一瞬思ったが、ゼミなんかで昼食会があったのだろうか。
葛野に着くまで市内の桜を目で追ったが、どこも咲いては居なかった。当然、鴨川も御所も。葛野研に入って珈琲淹れて一息ついたら、ほっとした。徹底的に、圧倒的に、研究室がシェルター、それも心的バリアになってしまっている。いやそうしてしまった。だから、どれほど不規則な行動(出張会議なんて、余の世界では異例)をして、冷や汗・胃痛を起こしても、研究室に入るとす~っと緊張が融けていく。
ところが。
そのあと、夕方7時まで、またしても息が出来なくなった。突然、臨時SEになってしまったのだ。騙ればながいことになるので手短に。
「Apache とWinSockのことでどうにもならなくなり、マシンを変えた」
つまり、ある種のデータを、量としては数メガにすぎないが、そっくり別のマシンに移して、ある種のシステムソフトをインストールしなおして、あれこれ、これかれパラメタを変えて、ああでもないこうでもない、と独り言いいながら、時間を湯水のように使って、夕方6:30にやっと、使えるようになった、と言う話。
なんのこっちゃ(笑)。
そんなことに半日もかけて、うろうろしているから、人様とうまくおつきあいも出来なくなるし、まともな読書もできないし、新学期授業準備も遅れに遅れるし、だんだん息遣いが荒くなり、ぜえぜえ。しまいに「ああ、息がつまるぅ~」と、なってしまった。
くどくは言いたくないのだが、たった一本のソフト(Apache) を設定し、数メガのデータを別マシンのhtdocsに移し替えて、動かすだけで、なぜ高給取り(劇笑)が半日も時間を取られて、息を上げるのか。ここに、マシンシステム、ネットワーク時代の陥穽がある。そんなもん、マニュアル通り絶対にいかない。最後は、黄金の手かざしで切り抜けた。ああ、辛い。
と、言いながら。結局、うまくディレクトリが隠れて、日本語がすぐに出て、画像がすっきり最後まで表示されたのは午後7時、ニンマリ、完爾と笑ったね。
解答:バージョンが、ある時代のβ版だった。手をぬいて、古い時代のCDで最初は済ませようとした。古い時代のには、v1.3とv2.0βが入っていて、余は後者でひねくり回していた。最後はネットから最新仕様を引っ張り出して、……。
ああ。書いているだけで、しんどくなった。
やはり、こういうことは若者の世界だな。
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