小説木幡記:20070323(金)葛野山桜と祇園のトイレかな
この記事、MuBlog992番目。
今日の葛野の午後だった。きっちり詰まった教授会を終えてキャンパスに出た。空に向かって伸びをすると、山桜が目に入った。気がつかなかった。ソメイヨシノよりも山桜が早いのだろうか。「山桜」という語感から、山奥に遅れて咲く桜と思っていた。まさか葛野が深山幽谷であるはずもない。
木幡に帰って携帯電話からパソコンに写真を移そうとしたら、以前祇園 t.v.bのレストルームで撮った写真が残っていた。ついでだから葛野山桜に添えた。山桜を撮った午後は、会議の疲れで部屋までカメラを取りに行く気力がなくて、そのまま携帯電話を使った。そうだ。祇園でも、トイレが綺麗だからといって、わざわざテーブルまで戻ってカメラを持ってくるほど酔狂でもなかった。こんな時、ケータイ・カメラは便利だと思った。
さあ、その色合い。いかにもこの携帯特有のものだ。直しようがない。だが、なにかしらこの変な色調をときどき思い出して携帯電話で写すことがある。山桜もぼんやりしている。洗面所は少しましか。このケータイ・カメラは「ますます下手に写る」それが気に入っている。安心なところがあって。肩がこらない。
今年の桜一号は、葛野の山桜だった。葉がよい。山桜なのがなおよい。一昨年旧友にもらった初版署名入り『本居宣長/小林秀雄』を開けた。七頁にあった。宣長の遺言状にある、宣長自身の設計による墓所図だ。
本居宣長之奥津紀
と墓石に記してあり、その上に木があって、「山桜ノ木」と書いてあった。
大昔自分で買った時から覚えていた。やはり、あった。記憶間違いではなかった。
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