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2007年3月20日 (火)

小説木幡記:20070320(火)人の心配ばかりしないで

 我が身の心配をすればよいのにと、帰りがけため息をついてしまった。

 今日は塞いでいたわけではないが、なにか人の心配ばかりしていた。ずっと気になっていたのだが、旧高麗国の人達は、今どうしているのだろう。寒い国らしいが、食料とか燃料が豊かでないと凍える。そういう政治体制に生まれた不運なのか、あるいは政治というのは人がするのだから、変えようがあるのかどうか。あの国は、日本の古代史を見ていると、なにかしらしんどいことが多かったように思えてしまう。

 中東では、スンニ派とシーア派の宗教対立を煽って、武装勢力が猛威を振るい、最近は毒ガス相当の塩素ガス攻撃なんかもでてきたようだ。隣国のイランとかシリアとか、周辺諸国もそれとなく内戦にてこ入れしたりして、大変なことになっているようだ。宗教は、人の幸を願って生まれたと思っていたのに、世界を見回すとそこら中で対立が生まれている。よく聞く笑い話だが、中国と日本とは仲がよいと見えるらしい。なぜなら、神戸も横浜も中華街は大賑わい。そういえばコリア系焼肉店も、それなりに繁盛している。もしもインドないしパキスタンに、互いに相手国風の店でも出そうものなら、翌朝には廃墟になっている、とか。それほどに宗教対立は激しいらしい。

 止まない中東戦争、ユダヤ、イスラエル、嘆きの壁。

 まあ、よかろう。余もそれなりに穏やかな宗教教育を基本とする組織に属し、余の実家の宗派とはほんの少し異なるが、常普段、なんの痛痒もない。よかったよかった。

 それにしても。
 正社員と派遣社員等の給与格差は、年収にして3:1も開いているらしい。全国労働者の1/3が非正社員とか。これも心配の種だ。見知り多くの卒業生で格別に司書が気に入っている人達は、同じような格差の狭間にいる人が多い。それでも何割かが笑顔なのは、好きな仕事だからだし、まだ若いこともあるし、女性故に心理的軋轢が、人にもよるが、同年齢男性に比較してやや軽減されているからだろう。しかしそんなことは慰めにはならない。男であれ女であれ、働いた分の賃金を手にするのは当然のことだろうに。

 これからの企業は、理想論じゃなくて、同じ船にのっているものとして組織や利潤を考えていかねばならないのだろう。
 と、きれい事を並べたが、本当に悩み出した一日だった。
 人の多様性を受け入れるだけの組織を造るのが難しいと言うことに悩み出したのだ。

 いろんな人をみてきた。組織貢献、組織忠誠、すべてゼロに等しい人もみてきた。そして高給だった。家庭を持っていて、家族を養っていたのも事実だが。どこかで人間は、目的からはぐれた者が出てくる。それを排除するのが正しいのか。人として同じく待遇するのが正しいのか。
 余の遠縁にも、まるで居候、遊び人がいた。博打するか酒のむか、◎に手を出すか。それしか生きる目的が無いように見えた。きちんと毎日働くことが出来なかった人だ。そういう人を見ていると、この世の難しさが身にしみる。

 いかん、いかん、堂々巡り。この歳になっても、人間という者、みなみなが幸を味わうことの、幸を保証される人生を送ることの難しさに、今日は頭痛吐き気がするほど、悩んでしまった。そしてまた、ほぼ同じ境遇であるにも関わらず、Aは始終不機嫌攻撃的不平不満たらたら、Bは終始笑顔未来を語り、現状を楽しんでいる。そういうあれこれも見てきた。

 難しいなぁ。お釈迦さんやキリストさんや、孔子さんはどう考えていたのだろう、プラトンはソクラテスは。ことのついでにマルクスやレーニンや、もう一息がんばって毛沢東さん、一体どんな風に考えていたのだろう。あれこれが走馬燈のようにめぐり走っていた。

 ところが一方。
 余は、四季折々に美味い物を食べれて、桜見物できて、授業できて、日曜作家して、日曜SEしていたら、まあ、満足なんだから、どうにも人からは嘘嘘しく見られて思われて、辛い。いつも上機嫌だと、人からひどい仕打ちをまま受ける。もともと楽しい性格なんだから、しかたない。ただし、一人で居るときに限るが(笑)。

 というわけで、今夜の木幡記は収拾がつかなくなってしまった。なぜ、この世には不幸の種が山のようにあるのだろう。また、幸の種さえ、一瞬にして不幸の種に変えてしまう、そんな特技を持つ人が比較的多いのは、何故なんだろう。

 もう。これ以上考えても、どうにもならないので、せめて生きている間は、幸せになろうと決意した。
 それには、なにかに執心することだ。それがお釈迦様に背くこととはわかっているが、MuBlog調整したり、ご飯熱心に食べていたり、好きな読書をしていたら、憂さが消える。これもまた執心なのだが、不思議だ。お釈迦様は、執着をいさめられた。

 ああ、色即是空空即是色。

 そして、痛切に、今の日本の平和に感謝する。

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コメント

難しい時代になりました

 私が就職した頃は、特に社会人になって何がやりたいという目標はありませんでした。ともかく飯を食わねばならず、どこでもいいから会社に入りました。

 今は豊かな時代だし、学生時代から何をやりたいという目標を持つ若者が多い、これも正しい。けど、困難な目標を持つ若者が挫折する姿も痛ましい。

 植村さんのように、就職で失敗しても自分の納得いく生き方も出来る。むしろ、彼は会社なんぞに勤めて平凡なサラリーマンにならなくて良かった。

 人と違う人生に挑戦するのは覚悟がいる。ただ、若い頃は思い込みが強い欠点もあり、幅広く世界をみて欲しいですね。

今、日本では正社員とコントラクトベースの労働者に変化しましたね。だって、世界の基準で言うと日本人の給料は高すぎます。これでは、企業も競争できないです。

 どうですか、ベトナムは物価が安いし安い給料でも十分にやりたい事が出来るのと違いますか?

投稿: jo | 2007年3月21日 (水) 09時16分

Joさん
 そうだね。狭い日本にや住み飽きた、という人達が昔から何割かいますよね。
 JOさんは、一応の日本語と、ブロークンな英語と、そして促成のベトナム語で、日々楽しくハノイ生活を過ごしておられますね。

 「JoBlog」の熱意あるハノイ報は、日々私も読んでいますが、内地の若者達にも読ませたいですなぁ。

http://akatonbo-jo.cocolog-nifty.com/jo/

 なお。これは、Joさんのような歴戦の日本戦士には申し上げにくいのですが、ともかく、日本の企業は競争力を高めるために、職場が24時間制の戦場になっておるようです。常に臨戦態勢ですよね。そういうものだとは理解できますが、人間が一日10時間以上毎日働くのは、身体に悪いのじゃないでしょうか(笑)。

 そういう意味では、他の苦労は山積みとは申しましても、ハノイなんかはもう少し、おっとりしている、つまり人間らしい生活のリズムがあるように見受けられます。

 もちろん、背後に飢餓貧困病気が渦巻いているなら、ちと比較できなくなりますが。

 ともかく、現代日本企業は、というか先進国企業は、人を社畜化し、社鬼にならないと、成り立ちがたい脆弱さの上にあるのかもしれません。

 人間の心身能力は、ロボットじゃないのだから、限られています。40代、50代で心筋梗塞、脳梗塞、強鬱になる組織は、人類史にあって、ほめられたものじゃないと思いますが。

 いや、JOさんはそれを生き抜いてきた、だから、私も何も言えなくなる。

 なお今朝のJoさんは肺腑をついた!。
「困難な目標を持つ若者が挫折」
「若い頃は思い込みが強い欠点」
 これって、往年のMuさんを思い出します。いやはや。

投稿: Mu→Jo | 2007年3月21日 (水) 09時40分

先輩お言葉ですが・・・・

 ”JOさんは、一応の日本語と、ブロークンな英語と” ありますが、修正願います。

 ”JOさんは、北河内方面の土俗の日本語と、北河内方面のイントネーションを持つ英語に近い英語を”と修正願いたい。

 自分が生まれ育った故郷は世界一だと今でも思っています。多分どなたでも、世界共通ではないだろうか。だから、カラフト鱒も鮭も故郷に帰り卵を産む。

 若者が持つ困難な目標は自分では困難と考えないところが、素晴らしくもあり、悲劇でもある。だから、革命は若者でないと出来ない。

 今晩、深夜の便で久しぶりに日本です。風雪梅安一家で花見で一杯したいものですね、来年あたりやりたいですね。又、吉野で花が咲いてる時、毛氈引いてやりたいです。

投稿: jo | 2007年3月21日 (水) 10時37分

Joさん
 関東じゃ上野公園あたりが花見地なんでしょうね。
 Muは、今年はあちこちでかけるつもりです。

 ついでに高台寺の夜桜なんぞも見ておきたいです。
 なんというても吉野でしょうが、どうにもあそこは、適合しない。つうか、一週間ほど宿にとまらないとうまくいかないのでしょうね、贅沢な。

 ところで、これも笑い話、ちょっとほろ苦いけど。

 20代前後に、社会革命を思わない者は人でなし。
 40代で、そんなこと思う者は、馬鹿。
 60代で、……。これは、止めておきましょう。

再見

投稿: Mu→Jo | 2007年3月21日 (水) 12時29分

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