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2007年1月11日 (木)

今日のいろいろ・科学者と学生と喜び

 今日はいろいろあった。
 朝一時間目は演習の講評を兼ねて、情報サービスという科目の判定スリップを全員に手渡した。入選した各班長にはスピーチを頼んだ。さすがに三年生も後半になると、話す内容がしっかりしていた。
 二時間目も同じようにした。第一席班のチーフが発熱疲労で休んだので、急遽別の代表者に挨拶を頼んだ。この人は料理専門の情報組織家だったが、この度、優勝班の三役を務めながら卒業論文を出した。余は感無量だった。発熱学生は気になったが、情報では、凍えるほど寒い部屋に寝ているようだ。
 広報誌の写真撮影に同席した。殆どの対応は局長がやってくれた。写真を撮った人は、一つの過去作品を念入りに観ていた。
 幾人かの課題相談に付き合った。一人は、先日から予約があったので綿密に30分、話した。
 卒業論文を今朝提出し終えたご隠居さんがきてくれて、はやばやと卒業記念品を贈呈してくれた。
 仕事した。
 倶楽部上級生が下級生に、余の課題内容に関してアドバイスしていた。よいことだ。
 依頼していた仕事を今夕受け取った。
 年度末の機関誌「Truth」の内容で、二三、副長と話を交わした。
 帰路、東寺の直前で交通遮断に出くわした。十台以上のパトカーや消防車が目に入った。事件か火事か、わからない。

 今夕のNHKクローズアップ現代は、日韓の戦地巡礼協力だった。最近公開された外交文書によると、日本の韓国への賠償金は国家間賠償だったようだ。つまり、個々人への賠償は、その賠償金による原資を韓国政府が自国民に還元する予定だったとのこと。国家間協定から漏れたこまやかな戦後処理について、日韓があらためて協力する態勢が整ってきたらしい。

 昨夕は東京大学工学部(東大大学院工学系研究科)の論文捏造疑惑事件、すなわち懲戒解雇をうけた教授と助手に関する内容だった。ああいう老舗大學の研究室における教授の立場は難しいと思った。一種の巨大複雑・競争科学世界だから、教授はプロデューサー兼ディレクター兼、寄付集め資金集め、人事管理に奔走せざるを得ない。ただし。知る限り、優れた教授は自らビーカーやコンピュータや試薬に手を触れない分、実験経過や結果に対して、より鋭く厳しくなるのがまともなんだが、やはり、どこかで狂ってきたのかも知れない。
 風聞だが、東京大学は伝統的に、博士号授与についても、博士論文内容に関して担当教授の許諾が一番の価値をもち、他に審査論文の数が無くてもよいという美風、権威性があるらしい。すなわち東京大学教授はその分野にあっての最高権威なのだから、研究者を審査するにあたって他の権威性を必要としないという、構造があるようだ。
 他の大學では当該博士論文以外に客観的な審査論文を幾つか持たないと授与されない。東大は、トップのOKで済む。そういう誇りが、甘さにつながったのかも知れない。極めて黒い疑惑レベルでの懲戒解雇。東京大学の誇りを保つには、それ以外なかったことだろう。当事者二名がどうなるのか、想像した。裁判になるのだろうか。いずれにしても、優秀な人達だから、別の人生でなんとかなることだろう。
 余には無縁の世界だ。
 しかしながら、科学世界の、トンデモ、疑似科学を含めて、あれこれ疑惑は昔から渦巻いていた。おもしろい本もある。それは、後で考えると科学史の微苦笑ハイライトになる。オリンピックの薬物利用に似た根深さもある。人の性からみてしかたなかろう。激烈な競争世界なのだから。

 ということで、いささか疲労が深い。目に隈できた(笑)

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