教師稼業
今朝はお正月の顔合わせ行事があった。教員というよりも、学園全体の幹部や事務の人たちが中心だった。各科部門には卒業生や葛野図書倶楽部2001のご隠居さん達もおって、数名が振り袖だったので、写真をとりあいした。まるで、卒業式だね、と耳にした。
その後、期末なのでさっきまでずっと、すべての成績評価態勢に入った。
我ながら、なかなかに複雑な評価方式を、葛野に来て十数年前から行っているので、最終結果を出す1月半ばまでに、名前の確認や、演習班や順位や、個人レポ点やら、ものすごい量のチェックがある。だから、早々と年末からやってきた。今日からは、後半に入る。
なぜそれほど複雑怪奇になるかは、今日は説明をしないでおく。簡単にいうと、個人の力量と、集団での力量とを並行して評価するからだ。
~
で、過去十数年のデータはエクセルやアクセスに入っている(計算方法が魔術的だからシステムなしではできない(笑))。そして大抵、先年度、先々年度の結果ファイルを再利用する(いろいろな点で)。
そこで。
一年前や、二年前のリストを見ると、急激に過去に飛び、胸が苦しくなる。今日は、興味がわいて、最初の年までみてしまったから、よけいにきつい状態になった。
たとえば、昨年の班別リストを見る、タイトルを見る、メンバーを見る~。班長のぼやき、副班長の胸はった発表、~まざまざと当時を思い起こす。ここ五年は、それに倶楽部の情景まで重なる。
共同演習の喧噪、争乱、惑乱、様々なシーンが次々と脳を走っていく。助勤(TA)達の応対、学生の質問、音がする、話し声がする、作品を手にしたときの感触を味わう。むくれていた、怒っていた、すねていた、呵々大笑していた。一触即発の班もあった。上位に入った学生達の歓声が聞こえてきた。
~
毎年毎年過ぎていく。そしてそのイメージが鮮明に残っていく。これは、きつい。記憶から消しようがない。
そして、いまは過ぎたこと。もうない。
たしかに。
教師稼業は、いわくいいがたい経験をする。タイムマシンに乗っているような気分になる。
うまく語れないので、今日はこのくらいで。
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