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2006年11月21日 (火)

辛味大根・おろしそば(京都伏見大手筋・薮そば)

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辛味大根・おろしそば
 この日、薮そばに入る予定はなかった。雨の飛鳥紀行はすべて山道を上り下りしての調査撮影だったから、そして昼食もとらずに戻ったから、伏見桃山・鳥せいで山賊焼きとウズラの丸焼きでも食べようと思っていたのだ。しかし日曜日の午後一時では、本当に店も駐車場も満席で、観光バスが数台狭い道を向こうからとろとろ走ってくる有様。疲労の中で喧噪とともに一人で焼き鳥ほおばるのもアホらしくなって、急遽いきつけの薮そばにした。

 無類の蕎麦好き。それなら最初から薮そばに入ればよいだろうにと、思うむきもあろうが(笑:誰も思わない!)、実はその二日前に嵯峨野某蕎麦処でこてこての超絶「鳥なんば」をいただいて満足して日ならず。帰りがけに「あら、鴨なんばじゃなかったんですか」とそこの女将。「いえ、鴨は12月からとうかがっていましたので」「ごめんなさい。店の者に言っておけばよかった。数日前から鴨なんばをはじめましたのに」「ああ、残念。なら来週またきます。でも、鳥なんばもよかったですよ」そういうわけだったので、ここ伏見桃山の薮そばはしばらくお休みしようと思っていたのだ。

 で、鳥せいが駄目になったとき、雨の飛鳥の記憶もふっとんで、次に浮かんだのは薮そば。そして。なんとイメージの鋭さ(笑)、瞬時にあっさりした「おろしそば」が浮かんだ。とは言っても薮そばのおろし蕎麦は未見だったので、思い出したのは大晦日木幡研のオロシそばと、越前今庄駅前のオロシそばと、東京の神田の某蕎麦処だった。

 話せば長いことながら。
1.東京の神田の某蕎麦処とは本当に覚えていない。まだACCESS社が上場していなかった時代。ふうてん爺さんに連れられて、副社長のトミーさんと三人でイタリアンを御馳走してもらった。そのあとで、トミーさんが蕎麦屋に案内してくれて、そこで! Muは酔っていたのだろう。メニューにない「おろし蕎麦」を食べると言い張った。ときどきMuをわがままと怒る人がいるが、なるほど客観的に考えると、店の旦那にも、トミーさんにも、少しわがままが過ぎた。ふうてんさんは、Muの数倍の御仁なので(酒を常備しない喫茶店で、ストレート! もし、氷が入ってくると「氷も水もいらないと、言っただろう」だもんね。気に入った灰皿があると、ホテルのマスターまで呼びつけて、売れ!……)苦虫つぶすふうてん爺さんを無視してなお「おろし!」と言い続けた。トミーさんが店の人とひそひそ話。そして、ついにオロシ蕎麦がでてきたのです。で、うまかった。あの神田の蕎麦処、一体どこだったのだろう。記憶が戻らない。

 さらに続く。
2.越前今庄町大桐がMuの父の祖地とは以前に記した。このJR今庄駅前の路地の奥に素晴らしい蕎麦処がある。ここでのオロシ蕎麦こそ、わがルーツだったのだろう。店名もしらず。ただ、当時三人姉妹がせっせと用意し、座敷に運んできたのを鮮明に覚えている。他の客達は、地元の旦那衆だったが、蕎麦と酒と新鮮なお造りを楽しんでいた。鄙には稀なというよりも、蕎麦名産地・鄙だからこその至高の贅沢と思った。
 祖母や母は、子供の頃に越前の蕎麦の食べ方をMuに語って聞かせた。ものすごでっかい鍋に大根おろしが大量に入った出し汁を蓄えて、ゆでたての蕎麦にそれをぶっかけて、薬味をかけていただく。豪快な味わい方だった。

 木幡研の大晦日。
3.ともかく年越し蕎麦をいただく。なにがなんでもいただく。Muの記憶ではとぎれたことはない。大抵、ブリとか烏賊のお造りが付く。熱燗も。椀にいれた蕎麦の上に大量の大根おろしをのせて、そこに鰹節やネギ、出し汁をかけて、最後に海苔をぱらぱらと。美味なり。

 そして伏見桃山大手筋南の薮そば。
 いや。もう、なんとも申しようがないお味でしたな。看板にいつわりなし、ツウのお味というよりも、これこそオロシ蕎麦。あっさり。蕎麦の甘みと大根の辛味。うむむ~。薬味は写真をごろうじろ。
 というわけで。こういうお蕎麦とかああいう鴨なんばとか、そういうビフカツサンドとか、絶妙のヒレ・トンカツある故に、一億のお金を積まれても都を離れる気持にはなりません。もし、なにかしらねど江戸なんかに住まざるを得なくなったら、隔日でお昼を京都に戻って参りましょう。食は命。

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