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2006年11月24日 (金)

ぼくらのスターバックス

三卒業生α
 ことの起こりは観能の午後だった。舞った者に倶楽部局長がいたのだが、私は所用で欠席した。が、すでに卒業した人達が三人、新ご隠居さんも交えて午後の一刻を楽しんだらしい。私はと言えば、珍しく呼び出しを受け、観能が無理ならばお茶くらいに顔を出せとのことだった。遠隔地から上京した者もいたので、夕刻仕事をすませて葛野を出立した。

 四条烏丸で軽い夕食をとって、その後みなでスターバックスに寄った。キャラメルマキアートのアイスを飲んで、みんなは、○□チャイとか□□チョコレートとか、それぞれ好みを出していた。
 丸テーブルを五人で囲んで、とりとめもなく話していた。
 現代のスタバは、当初あった米国流という雰囲気も日本にほどよく溶け込んで、回りを見ると一心不乱にノートをとっている女や、携帯を飽かず眺めている男や、まだ初々しいカップルや、ちょっといけ好かないすかした女や、十代から三十代ころまでの男女で満ちていた。
 昨年の今頃も、このスタバに似たようなメンバーで来たのを思い出していた。何を話したかも覚えていないし、今秋ふたたび何を話したのかも、一晩眠ると忘れてしまう。それは。忘れた方がよいこともあるし、笑顔があったとか、話し込んだとかいう雰囲気だけが残ればよいと、自然に思うようになっていたからなんだろう。

 また来年も会うかもしれないし、お互いに音信不通になっているかもしれない。今年は携帯電話で写真を残した。近況は? と、問われて何も言えなかったのが、私の気持ちに残っている。何も変わらない、変化がない、ただ最近センセは充実していると、だけは答えておいた。それはMuBlogでもあるし、RSの走りの佳さでもあるし、心身が比較的晩秋にむかって向上しているせいかもしれない。集まった四人はどうなんだろう。充実しているのか、不本意なのか、心底までは分からない。こうして、分からないことはそのままに、日々が過ぎていく。「近況は、blogに書いてある、とおっしゃればそれでよいでしょう」と、遠隔地からの者が言った。それにうなずいたはずなのに、その夕べ一心不乱に私は自分の近況を考え込んでいた。「何も変わりはない」。それだけだった。

 ただ、最後に「ぼくらのスターバックス」というセリフが脳内を走った。声には出さなかったが。

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