小説葛野記:20061116(木)晴
朝七時に到着し、いま夜の七時半になった。さっき会議が終わった。ふ~っつ。
今日は午前中に二駒授業、午後は会議が二つ。最初のは委員長だったのでそれなりに言葉を発した(笑)。二つめはさっきまで無言の行だったが、脳は動いていた。
生真面目にというか、無言のまま案件の一つ一つを総理大臣になったつもりで可否、解決案を模索していたが、どうしても3割ほどはお手上げだった。つまり、解不能というのか不定というのか、数学用語を忘れてしまったが、どうにも解きようのない難問がいつも何割かある。選択肢が多くありすぎて、あるいはもともと組織だって結論つけるのが無理なもの。それぞれが案件として出される。
……。
そういうことなのだ。
しかし終わってしまうとほっとする。よって、一筆啓上。
今日の授業
情報サービスという科目がある。後期はグループで班に分けてツールを作る。特定テーマに関する縦横無尽の情報間リンクを持った知識の固まりを作ると想定すればよい。で、この授業は学生にとっても余にとっても一番難しく、またやりがいのあるものだ。いや、余ひとりが夜郎自大、勝手にいうのじゃなくて、多くの学生たちがあとでそんな風に証言している。
今年も、なかなかボリュームのあるテーマが出そろった。それぞれ話し込んでみると、なんか「そりゃ、無理だよ」というような複雑大量の情報を整理しつくそうとする班が多い。目が血走ってくる、身体の底からわき上がるオーラのような勝ち気が空気をふるわせる。これで一席になると相当に名誉なことだし、余も見る目が変わってくる。だが、あと数週間は胃を痛める。痩せる。
12月になると最終結果が出る。密かな楽しみだ。
もう一つは、特定テーマを分類するという課題だ。これはなんとなく、二年生が多いせいか、テーマ自体も歴年ほんわかとしている。こういう授業を三つ経験して、上述の情報サービスが組み立てられるわけだ。だから分類は試金石だな。ときどき想像を絶する頓狂な方法論に出くわし、密かに爆笑している。あんまりキツイ指導はしない。なぜなら、頓狂なものは頓狂が肥大して誰の目にもはっきり分かるから。つまりだ。家を造って入ったら二階が落ちた! そういう明確な結果を招く。それをじっと側で見ているのも、なかなか根気がいる(爆笑)。失敗の方が益が多いのは、此の世の真理だ。
その他
ネットが動かなくなったのを昼休みに発見して、とまどった。会議前だから。研究室で数分沈思黙考して、しかるのちにマシンを触った。動いた。うふふふ。神の手じゃね。
今日も暮れた。ああ。
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