NHK功名が辻(35)北条攻め
小田原城跡(神奈川県小田原市)地図
なんとなくおもしろかった。
千代が殊勝げに「はっ」と言って、頭を下げるところが、仲間さんなかなか上手だと思った。私はしらぬまにこの半年で仲間さんのファンになったようだ。くそまじめで、綺麗で、そのうえちょっと剽軽なところが、役柄だけではなくよく現れている。よいよい。
他方、茶々、淀君だが、これはこれでここ数回楽しくみている。めったなことで、女優であっても女性をけなすのは命がけだが、あくまで役者として言うならば、やはりなあ、NHKのキャスト選別人工知能付きDBはものすごい能力をもっているな。これほどに、高慢ちき、わがまま、冷淡、生まれながらの意地悪を演じこなすこの女優、ものすごいと感じている。よくぞ捜してきたな。画面にでてくるだけで、ぞわぞわ~と、冷気が背中を落ちていく。しかも、単に嫌みだけじゃなくて、生まれながらの高Pのなかに、いつも一筋の涙が流れるその寸前を保つ。当方も、ついほろりとしかける、が、そうはならない。同情すると、足をすくわれる。うむ、おなごというものは、ほんまになぁ。
さてまたネネさん。これこそ、怖いネネだね。秀吉物で、始まって以来の怖さ、そう味わっている。
仲間の千代さん、ときどき怖いおばさまと、意地の悪そうな淀君にはさまれて、戦乱なれば、女といえども油断をすると命をとられ、家を潰される、まさしく戦いの渦中にいると味わった。その一方の雄(いや、雌か)が、このネネさまだな。
なんといっても、秀吉、ここまでノリにのると、まるで今太閤をみているようだな。そして家康。
最近、この秀吉と家康との掛け合いがおもしろくってしかたない。爺どうしが腹芸するのを、はたからみていると、まるでかけあい漫才の至芸をみているようだ。
というところで、一豊さん。掛川城。
同僚たちは15万石とか12万石なのに、一豊さんは掛川五万石。この事情はよくわからない。裏があるのか、それとも当時山内一豊は、天下統一の民政時代には不向きだったからこういう結果なのだろうか。あるいは、側近の石田三成なんかの評価が低かったからかも知れない。
ただ、いま現在演じている一豊さんが、当時の一豊さんのイメージだったのかもしれない。なんとなく、スポットライトはあびないのだが、なんかかんかそこに居ないとしまりがつかない。いても大抵はまわりのアクのつよい役者連の陰に隠れるのだが、節目節目に「千代~っ」と帰宅すると、にやりとする。そこで話が回転していく。
もう9月、秋。山内一豊を描くに、今回もNHKはというか、もろもろ、うまくいったようだ。来週も観てみようぞ。
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コメント
掛川城
新幹線の窓から見えますよね?関八州の見張り役でしょうか?信頼されていたんでしょうね?
しかし、秀吉亡き後、関が原では真っ先にこの城を家康に開放し、関が原への進軍を可能にしたんですよね?
淀君はあないなイケズそうな女性だったんですかね?(笑)
投稿: jo | 2006年9月 3日 (日) 21時48分
JOさん、掛川の城を見るほど新幹線に乗っていないので~。随分ながかったようで、10年はここに居なすったんですか。
なんとなく目立たない人だったんかもしれません。いや、回りに家康とか秀吉がいたんでは、どうにも大人しく見えますね。
淀君がどんな人だったのか、結局講談じみた話しかしらないわけで。
耳にしたのは「普通の小綺麗な人。秀頼が成長するにつれて、母親」という噂です。つまり、政治感覚は全くなし。
昔のことはようわかりませんが、いかにもそれらしく描くのが現代の作家、劇作家なんでしょうね。
投稿: mu | 2006年9月 3日 (日) 22時07分