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2006年8月 5日 (土)

北九州の旅:小倉と小倉城

承前:北九州の旅
承前:松本清張記念館(旧記事→2004.06.01)

小倉城(福岡県北九州市小倉北区城内)地図

 北九州市の小倉は十数年前に、22年間に及ぶ大学図書館生活の終わりに訪れた懐かしい土地である。深い理由もなく、なんとなく気になって駅を降りただけの町だったが、その後現在にいたるまで特別な町として、記憶に残った。だから、この日、2006年7月30日の宿は、いろいろな事情をすてて、JR小倉駅にある「小倉ステーションホテル」にした。

森鴎外・京町住居跡

森鴎外京町住居跡碑
 京都を朝早くでたおかげで、小倉駅には午前九時半ころに到着した。予定通り、三人の学生が改札口で待っていてくれた。この一日、夕食までをご一緒することになった、葛野図書倶楽部2001の局長2006、二番隊長2006、そして倶楽部賛助会員のHさんだった。三人はすでに前日に九州入りを済ませていた。なにかの縁あって、八幡西区在住の局長の招きもあって、二番隊長は美作(みまさか)、Hさんは三重県賢島のあたりから、はるばる小倉に集まったわけである。
 局長は、高校時代の遊び場は小倉だったらしく、案内はスムーズだった。それで、最初に見たのが、この森鴎外京町旧宅跡だった。詳細は写真メモに翻刻した。

伊能忠敬 測量200年記念碑

伊能忠敬 測量200年記念碑
 次ぎに案内されたのが、後述の常盤橋で、局長はいろいろ考えてくれたのだろう、いかにも私が好みそうな橋だった。しかし、これが保田與重郎の名著『日本の橋』にあったかどうかは不明。で、その側に伊能忠敬翁の記念碑があった。このごろ、友たちも私自身も余生を考えることが多く、こういう第二の人生を歩んだ故人を偲ぶのは、小倉に来て良かったことの一つだった。(伊能さんが、ここまで来ていたとは、知らなんだ)

常盤橋

常盤橋
 次の案内写真のメモに納めたが、これは「木の橋」だった。緩やかなカーブが優しい風情だった。まさしく、日本の橋は、木の橋が似合う。



常盤橋案内
 最初は橋の案内までは~と思ったが、よく見るとシーボルトの図版が刻印されていた。ああいう好奇心の旺盛な外国の人のエネルギーには、ほとほと感心するが、絵を描く能力が、時代を経ても、言葉を違えても、強いメッセージを残すものだと、印象が深かった。

小倉城全景

小倉城全景
 私は以前の記事で、小倉城を見ていないと記したが、訪れてみて記憶が蘇った。人の記憶はあてにならない。いつぞやは、桜島は行ったことが無いと言う記憶を、修学旅行の記念写真で間違いだったことを知って愕然としたが、この日も驚いた。私は、小倉城に登っていた。

小倉城の石組み

小倉城の石組み
 石組みにもいろいろあって、切石で正確に積み重ねる方法、これはよく古代史で、カミソリ一枚入らぬほどの正確さ、といわれているが、小倉城の石垣はその逆だった。野面積(のづらづみ)と言って、自然石を積み重ねる方法らしい。

庭園からみた小倉城

庭園からみた小倉城
 小倉城の眼下に庭があって、そこに大名屋敷が再建されている。現地の案内がわかりやすくて、畳にも上中下(畳縁の色とか幅)、天井にも上中下(格子の細かさなど)があるらしい。その縁台というか広い廊下から、天守閣を眺めた。

小倉城の鯱(しゃちほこ)

小倉城の鯱(しゃちほこ)
 この鯱については局長といささか論争があった。メモすれば後日にまた思い出されるだろうが、メモするとまた論争になるので止めておく。すなわち、この鯱は天守閣から眺めると、顔が虎、身体が魚に見えるのだが、地上から見上げると、○○○○にしか見えなかったという、次第。しかしこの○内を埋められる人は、私だけだろう。小倉住民が知れば、葛野研が焼き討ちに遭う。
 なお、この鯱と、次の大名かごは、二番隊長がビデオで撮り続けてくれたものから、抽出したものである。

大名かご

大名かご
 まあ、こういう左右に揺れる仕掛けもあった。私は意外に、好奇心があるようだ。かごに乗って思ったのは、防御策がほとんど無いことだった。槍や刀で刺されれば非常に危ない。しかし鉄板などを張ると重くて担げない。どうしていたのだろう。

参考
  小倉城:小倉文化史の散策

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