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2006年7月15日 (土)

夏のこれから

 いろいろなメモがたまってきた。

1.『日本沈没』の下について。二週間ほど前に完読、感動した。祖国。自然。喪失の体験を本の中で味わった。私は、こういう作品によって、歳を取ってきたのだな、という感慨があった。
 そう言えば、今日15日から、映画も上映されているようだ。出不精だから、行かないと思うが、DVDが出るのは来年くらいかとおもうと、切ない。なら、行けばよいのにと自問自答するのだが、つまりは、身が震え、足がすくむ(笑)。要するにイレギュラーなことをするのが、とてつもなくシンドイ。木幡と葛野の往還を外れるのが、辛い。
 こんな調子で、よくまあ何十年も生きてこられたものよ、と感嘆。

2.連載中の『蛇神祭祀』は危機を何度もとおりぬけ、すりぬけて連載している。大体早朝に2時間程度かけているが、原稿用紙6枚ほどの草稿を、そんなに手をかけてどうなるの、と自問自答しているのだが、かかってしまう。遅筆なんだろうか。それでも文の捻れ、誤字脱字ひきもきらない、不思議なこと。

3.『蛇神祭祀』はおそらく十月初旬に完成するので、次にどうするとなるのだが、いま考えているのは『夜麻登志宇流波斯』(やまとしうるはし)の定稿を連載しようと考えている。算段はついたが、さて数十年前の作品で、しかもどうかんがえても気楽に読める作品じゃない。初稿完成が24歳。原稿用紙をすべて捨てて、2稿目が二十代後半。そのとき、上梓できたがすでに絶版。逆立ちしても全集(笑)の出る身分でもなし。仕方ないから、第3稿にとりかかり、これを生涯の定稿とする存念。
 ただ、問題は改稿するかどうか。定稿化と改稿とは異なるものと考えている。いまさら20代の精神は蘇らせることはできないから、……。やはり改稿となる。それでよかろう。

4.今夏の論文は、以前記したが、保田與重郎『萬葉集の精神』についてだが、これはいささか難渋する。古典を読める読めないの問題じゃなくて、神意ということについて、私なりの決算をしなければならない。私はある意味で合理主義者だし、他方、神秘主義にどっぷり浸かってもいるので、どちらの私が今夏、動くのか。それはやってみなければわからない。
 ただ、多少神秘主義に肩入れしだしている。どういうことかいうと、「死」に対してのいささかの心構えがつきだすと、多くのことが、ほほえましくなって、とくに頭の良い人のいわゆる、理論整然とした、あるいは合理精神が、たとえようもなく、笑けてみえて、「あなた、死の前には、なんと寂しいことか」と、つぶやくようになってしまった。なにも残らない、空(くう)を前にして、たよるよすがは、神意にすがる。まことに、自然な成り行きと、このごろ考え出してきた。
 しかしなあ、美味しいものを食べながら、楽しい話をしながら、若い人達ときゃっきゃ、げははと笑いながら、それでも「死」、なんと当たり前のことか。いまだ生を知らぬ人達よ、なにおか「死」をかたらんや、の心。と、複雑だね。

5.最近知ったのだが、私は、コンピュータなどとは全く無縁な、ほとんど原始的なまでのアナログ人間に観られているようなのだ。そういえば、以前、私が自動車を運転していることを知った当時の学生達が、驚愕の顔をみせたのを、今思い出した。うくく、私は何を隠そう、一時期コンピュータで糧を得ていた時代があったのだ。そもそも、葛野に来たのも、そういう縁がらみだった。人生の総時間、おそらく1/3は、マシンがらみ、ソフトがらみの人生だったというのに、ふ~っつ、不思議なものだ。たまらなく、思い出し笑いする。
 そうそう、自動車、オートバイ、このことのためにどれほど時間をかけてきたか、これも1/3。
 残り1/3が、ようよう、普通の人生のためについやされてきたというのに。たまらぬな、人の人を見る目。
 ~
 いや。と、ここでふと疑念。そうじゃなかったのかも知れない。
 私は、いま、私がわからなくなった。

6.それにしても、夏はあれこれ読書しましょう。
 というても、新刊書は少なくなる。やはり、若い頃から中途半端にしてきたことを、すこしずつでも納得いくようにしてみよう。
 つまりは、保田與重郎の古典世界を、現地にあたり、原本にあたり、たのしもう。

7.シリーズ第三作『巨石の森』は、ようやく第二稿が完了した。公開は、来春だね。鬼が笑う。してみると、第四作が浮上してくるが、これは琵琶湖をテーマに考えている。起筆は8月。
 そして、第五作は永劫回帰、輪廻転生(笑)、嵯峨野をテーマにする。これで、探偵司書佐保の冒険譚、全五作完了。遅筆だね、あと数年かかる。

*・さて、そろそろ夜もふけてまいった。眠るとするか。

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