« ヒストリアン/エリザベス・コストヴァ(その2) | トップページ | 記憶の更新と思い出 »

2006年5月24日 (水)

私の京都:薮そば(伏見桃山大手筋)

薮そばの付近地図

 なかなかたどり着けないでしょう{薮蕎麦、薮そば、藪そば、藪蕎麦}。
 お店が混まないように、地図は概略にしておきました。

 時々はTVクルーとか、雑誌記者にでくわす。前者だと6~7名もの大所帯。以前みていたら、終了後昼食をとっていたが、親子どんぶりとか、きつねうどんとか、手打ち蕎麦の神髄を味わう様子もないのに苦笑。後者は女性でも、でっかい一眼レフを首に肩に三台くらいぶら下げ、うどん。

 この「薮そば」は、日本の、京都の蕎麦世界で有名なようだ。
 客筋はというと、これは周山の登喜和(ステーキ)にそっくり。私は大抵昼間だが、近所のおっちゃん、おばちゃんで混み、定食が多い。しかしこの日の、離れた席のご夫人は、威勢良く「天ザル、大盛りやで。そいで親子丼ぶりも、……。熱燗、はよしてな」(うっと、息が詰まった)。六十代前後の上品なおばさまだったが、私より二回り頑丈そうだった。

薮そばの店頭

薮そばの店頭
 路地の奥にある。近所にお店はない。細い道が直角にまがり、直角に曲がる。正面に立ってはじめて蕎麦屋とわかる。その先はまた直角に曲がり、さらに直角に曲がって、やっとそれらしき道に出る。そこらあたりで黄桜のカッパが見える。まるで、イスタンブール(未踏地)の迷路か。

天ぷら蕎麦(上)

天ぷら蕎麦(上)
 「上」にすると天ぷらが二つつく。しかし四条河原町にくらべると鄙のせいか、お値段は980円と割安。勿論、海老は注文とともに揚げるようだ。ホウレンソウが浮き、海苔の天ぷらもつく。海老は、噛むと味が広がる。つまり上等だ。世間には、ぷりぷりするだけで、味はすかすかの海老天ぷらが多い。ここは違う。お出しは、この店では全て飲み干す。
 ラーメンは家訓によってどれほどの美味でも二口で止めるが、蕎麦に関しては、飛鳥井町に一軒、四条寺町に一軒、嵯峨野に一軒、そして伏見桃山薮そば。都合四軒の蕎麦屋で、飲み干す。
 うどんは弁慶なら飲み干すこともあるが、大抵キンピラの辛さに涙がでて、残す。

天ぷら蕎麦とかやくご飯

天ぷら蕎麦とかやくご飯
 江戸るん君の話では、江戸で友人に、うどんや蕎麦定食の話をすると、大抵目を点にして驚くようだ。「蕎麦食べながら、ご飯~? 関西って、わからなぃ」と。
 味のデータベースを適切に構築するには年季がかかる。
 旨いものを旨いとわかるようになるには、それなりの修練が必要、……。
 江戸るん君は丁寧に、「関西のおそばは、おだしが上等なのよ。辺境と都の差があるね。つまり、極上のスープと思えば、スープにパンが添えてあるのと同じ」と、友人に教えるそうだ。

薮そば、店内風景

薮そば、店内風景
 店内はなんとなく、鄙鄙している。落ち着く。ここでお蕎麦をいただいて、茶をのんで一息。ついでに、近所で鄙にはまれな珈琲を飲んで、ちっこい書店によって、そいで、ぽてぽて散歩すると極楽。京都の伏見桃山、伏見港界隈はじつに、私の京都、なのだ。

|

« ヒストリアン/エリザベス・コストヴァ(その2) | トップページ | 記憶の更新と思い出 »

美味しいところ」カテゴリの記事

コメント

今ね家内と二人でこの記事を観てるやけど、懐かしいと家内が申します。

大手筋通りから中書島に抜けるルートは現地民には馴染みやそうやね?

そう言えば、家内は京都教育大学の付属の高校出身でしたね。家は六地蔵でしたからこのあたりは庭みたいなもんらしい。

先日ね、八重洲の有名な蕎麦屋に夕方入り、天麩羅蕎麦を注文した。値段は1300円もしたな~~。
メニューでは900円と書いてあったと思たがえらい安いと思い注文した。

ついでに、日本酒の熱燗も注文した。問題は禁煙なのだ!客は誰も居ない、昼間は禁煙らしいのだ。客もおらんのに、吸わせろといいたいのだ。

ま~~、住みずらい日本になりましたな~~。蕎麦屋ぐらお、煙草を吸わせろ、客もいないのに・・・・ブツブツ・・・。

投稿: jo | 2006年5月24日 (水) 19時08分

Joさん
 この記事にジョコメントがあるとは驚いた。ほんとに、路地裏にひっそりとたたずむ、昼飯屋というか、すっぴんの蕎麦屋さんです。
 というても、地場のもんにはおなじみなんでしょうなぁ。

 Joさんのおかあさん(ご内儀のことやで)が、付属出身とは昔JOblogで知ったけど、それなら地場組ですねぇ。年齢的に、おかあさんのお知り合いの幾人かは知っているかも知れない(世間、狭そう)。

 で、そばですが。
 そんな、八重洲口で蕎麦たべるなんてね、ちと外道に見える。蕎麦はド田舎か、ひっそり隠れた店がよろしな。わたし、京都駅で蕎麦たべた記憶~、立ち食い蕎麦はようありますが、あれは別種やからね、あんまりおまへん。

 ええ蕎麦屋、また探しておきます。
 Joさんが喜ぶような。
再見

投稿: Mu→Jo | 2006年5月24日 (水) 20時44分

木幡からもほんネキのようで

 桃山御陵の喫茶店は以前彦さんに勧められて行ったように記憶しています。
小ぶりないい雰囲気の店でした。
地図を見て、ハテ?鳥せいはどこやったかいな、ついでに木幡は?と探りますと、鳥せいはすぐ近くで、木幡からも2~3キロなのですね。

 みんな近いので驚き、俯瞰してみてさらに驚きました。
中書島から京阪宇治線なのでした。
以前から京阪の電車、宇治へ迷い込んで、どないして大阪いくんやろ思てました。
どうも電車は自分で運転しないので、どう曲がっているかとか感覚的に把握しづらいらしく、コチラ関東でもそういう誤解のまま何十年も過ごす、ということが起こります。

 それにしても(熱燗、はよしてな)のオバチャンはよかった。

投稿: ふうてん | 2006年5月24日 (水) 23時59分

ふうてんさんも、この記事にコメントとは意外でしたな。
食事の話題は、天気の話題に似て、喧嘩にならないようでぇ(笑)
と、いいながら、結構けんか腰になってしまう、Muの日常があるのです。

京阪電車は、大阪の淀屋橋から京都の三条、出町柳まで、一本通っております。そいで、京都市のはずれに「中書島」があって、そこから宇治へ支線があるんです。

京都市内から初めて宇治へ行く人は、大抵中書島でとまどいます。つまり、乗り換えたはいいが、電車の進行方向が一見、京都に戻るように錯覚するわけですなぁ。
大阪から初めての人は「なんや、京都へいくんかい」となって、怒りますわな(笑)

熱燗おばさんですが、そうやね、真っ昼間から大盛ざるそばと親子丼たべて、そのうえ熱燗。食費がかかりそうな女性ですね。

投稿: Mu | 2006年5月25日 (木) 07時33分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/22035/10203064

この記事へのトラックバック一覧です: 私の京都:薮そば(伏見桃山大手筋):

» 辛味大根・おろしそば(京都伏見大手筋・薮そば) [MuBlog]
承前:MuBlog:雨の飛鳥紀行    MuBlog:私の京都:薮そば  この日、薮そばに入る予定はなかった。雨の飛鳥紀行はすべて山道を上り下りしての調査撮影だったから、そして昼食もとらずに戻ったから、伏見桃山・鳥せいで山賊焼きとウズラの丸焼きでも食べようと思っていたのだ。しかし日曜日の午後一時では、本当に店も駐車場も... [続きを読む]

受信: 2006年11月21日 (火) 08時59分

« ヒストリアン/エリザベス・コストヴァ(その2) | トップページ | 記憶の更新と思い出 »