三番隊長2005レスタトの置きみやげ
肖像画
荒木飛呂彦のデザイン
ユニクロ+荒木飛呂彦のTシャツ
年に何回か、倶楽部ご隠居さん達が立ち寄ってくれる。ドアノブに大抵なにかぶら下がっている(笑)。うれしいもんだ。今回のお礼には、いま読書中の『ヒストリアン』を貸しだそうと決めた。
「ドアにかけておくから、帰りに持っていってください」と、こんな様子だなぁ。
ヒストリアンは、いずれ感読し終えたなら、記事にする。ただ、途中経過ではあるが、吸血鬼伝承の極みになる図書だと味わっている。これは、想像以上の作品だ。ベストセラーの要件を何一つ兼ね備えていないのに、じんじんと迫ってくる。賞賛する言葉を、……もどかしいのだが。一巻の終盤に至るも、波瀾万丈がない。なのに、イスタンブール、ビザンチン帝國陥落、オスマントルコの隆盛が眼前に迫る。現代の作品であり、歴史小説ではない(と、言い切る)。
オックスフォード大学キャンパス、図書館が身体全体を包み込んでくる。そんな図書館、図書、古書、街の片隅に見え隠れする串刺し公、というよりもヴァンパイア。
なんとも、言語芸術とはすばらしいものだ。
これを、いずれ置きみやげへのお礼に、お貸ししよう。気前よく差し上げないのが、図書館学者根性(笑)。
追伸 『ヒストリアン』メモ
この作品は、私も以前熱中したダ・ヴィンチ・コードとは、別の文藝世界観によって描かれている。強いて申せば、アン・ライスの極上部分だけを、さらに極めたともいえる。いや、そういう比較はしない方がよかろう。自立した現代作品だ。
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