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2006年4月18日 (火)

プルートウ:Pluto(3)/浦沢直樹(漫画)

承前 プルートウ(2)

プルートウ:Pluto(3)/浦沢直樹、手塚治虫(漫画)、小学館、2006

プルートウ-03

プルートウ-03
 まちかねたプルートウの3を、先週末いそいそと読んだ。「よいなぁ」という言葉、ため息が出てくるばかりだった。どういうところがそうなのかと、今考えていたのだが。一つは、少年少女が壊れていない。先回のアトムの雰囲気からみると、たしかに今回は妹ウランを引き立てるためなのか、やけにアトムがクシャリとした描き方だったが、それにしてもアトム・ウラン兄妹の表情が絶妙だった。媚びてはいない。美少年美少女ではない。しかし少しづつ影があって、清楚に浮き出てくる。
 その点にあって、私は原作と言われる(私はすでに、この浦沢作品はオリジナルと感じているのだが)手塚さんのアトムやウランよりも好ましく思っている。その訳は、私が壮年だからなのだろう。やはりアトム時代は、手塚さんの読者は幼年期のもの達が中心だった。

 人間とロボットとの差別感情なども、非常に厳しく描かれている。人種差別の根深さがそのままロボットに向けられてくる。アトムやゲジヒトの立場に身を置くと、差別される状況が切々と身に迫ってくる。あからさまな差別というよりも、構造的に差別されている、それが実にキツイ。
 旧式のメイド・ロボットの手の震えなどには、胸が痛くなった。

 ところで悪役、残忍非道なプルートウがその影を表してきた。二様の現れ方がとても斬新だった。プルートウは、人やロボットを操る力もあるようだ。その力が、これからどんな風に表現されていくのか、とても楽しみだ。

付録がついていた→まんがノート・浦沢直樹

まんがノート・浦沢直樹

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