NHK功名が辻(14)長浜城
承前[MuBlog:功名が辻(13)浅井長政の悲劇]
長浜は何度か行っている。黒壁ガラス館とか、街づくりで成功したようだ。大きなお寺や、蕎麦屋さん、町並み。なにか、まだ見ていないが、恐竜に関係するおもしろい展示もあるらしい。(伝聞)
今夜のドラマで気に入ったのは、千代のセリフだった。つまり、湖北、琵琶湖は美しいが、寂しいと言っていた。これはいままで私は自分の中でも、人にも言ったことも書いたこともないが、たしかに、寂しい。静謐は寂しさ、涼しさを感じさせる。深い水底と、水鏡。だから湖畔の温泉は対比があって、思いがこもるのだろう。
さて。予告編のクノイチ「小りん」は来週の予告だが。あいかわらずホームドラマの装いは多々ある。で、それが生地と思った方がよいとも考え出した。今夜のネタなら、秀吉の女狂い、秀吉の母と妹、そして山内家の内風呂。この間を、千代が縦横にかけていく。周旋しているふしもある。
風呂
先年晩秋に、木幡研も風呂を新調した。たしかに良いものだ。
500年近く前の内風呂も、蒸し風呂ではなくて、現代と同じ様式の風呂を使っていた。湯栓が千代という人力以外は、構造的におなじだから、「極楽、極楽」というセリフがよく伝わってきた。これは400石加増と、150石の朋輩達との差だった。その風呂を朋輩達の妻が、千代の好意で使ったことが、150石・亭主の気持を逆立てた。資産、石高の違いが日常の細かな面で現れてくる。それが、今後ますますかけ離れていく。
400石というと、年収一億六千万円程度か。これだと、郎党を養って、風呂を新調するくらいの贅沢はできるだろう。
秀吉の母と妹・旭
兄さんが城持ちになると、親類縁者兄弟が影響を受け出す。妹の旭は、史実だから記しておくが、将来たしか家康に嫁ぐことになる。名古屋弁丸出しというのか、名古屋をよくしらないから分からぬが、在で野良仕事をしていた百姓夫婦が、武家の世界に組み込まれていく悲喜劇がもう現れてきた。それにしても、尾張の言葉って、ものすご猫語に近いなぁ。ほんとうなんだろうか。
秀吉の女狂い
秀吉ときたら、まことに病気だったのかもしれない。
……。
この部分は、千代とネネとのホームドラマ仕様。
現代と多少雰囲気がことなるのは、別れるとか離縁するとかは、秀吉が言い出さないところだろう。側室になることの、女性側からみた当時の利点は、通例は喰うて行けることと、子をなせばしかるべき待遇を受けられるというところだろうか。光源氏のように四季折々豪壮な家屋敷を造って、それなりの仕送り(笑)をするのだから、お金がないとできない。なにしろ、一人二人の数ではおさまらないのだから。
当時男性の、社会的地位の証だった。しかし、人の心は昔も今もそれほど大きな違いはない。昨年なら、北条政子は、頼朝の愛人の家に放火した。ネネは後世、秀吉亡き後、愛妾淀君の大坂城を支援せず、家康に荷担した。
*というわけで*
長浜にある、お城博物館の展望台に立って、琵琶湖を眺めたくなった。冬は北国の風情だろうが、春から夏、秋にかけて、あのあたりの眺望、そして穏やかさは、なんとなくイメージできる。
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コメント
戦国時代のおかみさん
秀吉のネネ、前田利家のマツ、一豊のチヨ、どうも皆さんやり手だったようですね。どうも相撲部屋のおかみさんを連想してしまいます。
一族郎党を表を束ねるのは、主人で裏の世界を束ねるのは、おかみさん?結構、権力を持っていたんとちゃいますか?
古来、サイフを握ったモンは強いですよね?さて、現代はどないなってますかね。(笑)
投稿: jo | 2006年4月12日 (水) 11時52分
→jo | 2006/04/12 11:52:17
ごぶさたしとります。
貴兄の「よいとまけ」は、興味深く読んでおります。とはもうしても、いまだ、ぼんやり~です。
山の神が、後ろで采配執るのは人類史開闢以来のことでしょう。戦国の生死にかかわる日常だと、旦那は後ろを見る気力も失せることでしょうね。一応、矢は前から飛んでくるものです。たまに、後ろから刃がふりかかると、あっけない。
現代も、まあ、似たようなモンでしょうね。
投稿: Mu→Jo | 2006年4月12日 (水) 16時15分