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2006年3月29日 (水)

古民カフェ:私の京都・河原町通{四条→三条}

承前[MuBlog:四条大橋界隈

みゅーず(京都市下京区と中京区の境界)地図

『古民カフェ』という聞き慣れない言葉を2004年の秋に、「お隣さん大学」というところで耳にした。グループでなんらかの「目録」を作る課題で、その件の班が決めたテーマだった。班長に聞いてみると、古民家で営まれる珈琲、要するに伝統的喫茶店のことらしい。こういう喫茶店情報を京都中心に蒐集し、50件以上も班員が実地に尋ねてインタービューし、写真をとり、目録化するものだった。

 これは、現今の若い人達がお酒抜きで一服するカフェ、つまり私も愛好するスターバックス、ドトール、サンマルク、……と「新しい店舗でセルフサービスが基本」のお店に比べると、「古い」世界である。新旧一番の違いは、基本の珈琲の値段に見られる。京都の古民カフェだと500円前後、スタバなどだと200円~300円である。さらに古民カフェはセルフサービスではない。メイドさんとか、カウンターならマスターがサービスしてくれる。

 もちろん、500円前後の珈琲をだす店がすべて古民カフェではない。その定義が班の提出した作品には明確にあったのだが、思い出せない。ただし、雰囲気として言うならば、倉敷のエルグレコ、京都のフランソワ、イノダ六曜社スマートなどは古民カフェである。それらは全部目録に収録されていた。難しいのは、小川珈琲本店が、古民カフェなのかどうかだ。新装なって、どう見ても古民家とは思えないが、伝統がある。

 さて、「古民カフェ」班はその年度末に、結果として第一位の成果をあげた。これは学生と私の共同判定結果なので、私の主観によるものではない。私が特に気に入ったのは、京都の老舗珈琲店「イノダ」の古い珍しい写真を、インタビューの成果として組み込んだ点にあった。店の対応者は班長らの熱意にたじたじとした様子だった。

 しかるにこの作品は今、手元にない。優秀作品は葛野図書倶楽部2001の管理下で保管することになっている。昨年春に班長が「修復したい」と言ったまま持ち去り、以後ようとして姿を見せない。風の噂では、東京の某一流企業に就職したらしい。こういうことも、たまにはある。私は貴重な資産を「持ち逃げ」されたようである。

 三月のある日、京都は四条小橋、高瀬川のそばにある「みゅーず」の前で、古民カフェをいくつか写真にとっているとき思い出してしまった、長い前振りでした。

築地の在る通り

築地の在る通り
 学生たちとの儚い追憶(笑)にひたったわりには、のっけから出した写真がこれこのとおり。実に派手派手しく、現実感にあふれた小道である。現代の京都の古民カフェはこういう世界の中で、けなげにというか、肩肘張ってというか、大抵40年、50年来店を構えている。本当に時々涙ぐむ。いや、こういう世界を消せというほど朴念仁ではない。あるのが現実ならば、あればにぎにぎしくて良かろう。
 しかし、私がこの界隈を徘徊し始めた十代末には、こんな様子はなかった。いまは、昼間しか一人では歩けない。夜は屈強隊員達の固いガード、ローマ軍の重装歩兵の楯に守られないと歩けない。いや、本心。
 ところで、真ん中に見える「黄桜 祥風楼」という店はおなじみ伏見のカッパさん関係店で、いつか案内しましょう。

ソワレと写真家 地図に示した位置から南にソワレがある。若い人が私と似たようなポーズをしてデジカメで写していた。この後、この方は店に入った。後ろをみると、また他の人が写していた。なかなか人気のあるお店なのだ。[参考:喫茶ソワレ][ソワレ

ソワレと写真家

ソワレのショーケース

ソワレのショーケース
 しかし入る勇気はなかった。なんとなく団塊世代の男がぶらりと入る雰囲気ではなかった。最後に入ったのは、十年ほど前にカナン96という研究会グループで、どやどやと二階に上がった記憶がある。それも、申し訳ないことだった。ブルーの光に包まれた聖空間を、私も含め、十名近くが大声でゲタゲタわらって回りの客のひんしゅくをかった、苦い経験。若いころにはしょっちゅう出入りしていた。四条小橋南のフランソワと毎日毎週交替で入った時期もあった。要するに、下戸の私にとっては、ソワレやフランソワに入って読書するのが唯一の娯楽だったようだ。もちろん、店頭にバイクを置いて入れる、世間のゆるやかさもあった。

みゅーず 音楽が流れている。しかし堅苦しさはない。昔の音楽系喫茶店は、青白き秀才男女が、しかめつっらして、瞑想して、みんな黙り込んで聞いているから、なんとなく苦手だったが。みゅーずは、明るくて広々とした雰囲気なので、老若男女だれでも入れる。[参考:老舗名曲喫茶みゅーず

みゅーず

築地の看板と軒燈 老舗です。私も二次会でよく行きます。一階に長いソファがあって、十人くらい入れるのが重宝します。

築地の看板と軒燈

築地のタイル ただ、接客が店格にしては不思議なほど、ですね。毎度私は私だけですむように、一人で対応します。連れて行った人達には浪漫にひたってもらいたいですから。ネットを探してみるとそういう記事もありました。
築地のタイル

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受信: 2006年4月17日 (月) 18時15分

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受信: 2007年11月 3日 (土) 20時12分

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