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2006年3月19日 (日)

NHK功名が辻(11)比叡山焼き討ち

承前[MuBlog:功名が辻(10)姉川の戦

坂本城跡(滋賀県大津市)地図
坂本城:お城めぐりFAN
坂本城

 今夜はドラマの後始末よりも、坂本城跡をあれこれネットで探して、疲れた(笑)。
 水城だったようだ。
 明智光秀は近江五万石坂本城主となった。

 と、遁辞エクスキューズ逃げをうっているが、実は今夜は記しにくい。法難だから、というわけでもないが、やはりそうだ。
 現代でも、半世紀以上前にボタンの二押しで広島、長崎の40万人前後の人が軍属・民間・老若男女まったく無関係に殺戮された歴史は、わが同胞も知っているはずである。命じたのはトルーマン米国大統領である。かれは戦後仏罰も神罰も、その他諸々の罰もなく、戦争を早期に終結させ、ソ連の出鼻をくじいたことで、アメリカではさぞ優れた救国大統領として記憶されていることだろう(知らぬが)。彼は88前後まで生き、原爆投下を命じてからも25年ほど長生きしたそうだ。そしてわが同胞は、「日本は、戦争なんかした悪い国民だから落とされてもしかたない」と、笑止千万な論客がこの半世紀、そして今も言うておる。なにおかいわんや、である。そういう手合いに限って、どこそこの核兵器は正義だが、かれこれの国の核兵器は悪、と真顔で言いよる(笑)。

 となると、信長は神も仏も信ぜぬ男、比叡山堂塔焼き討ち、殺戮数千人と描かれても、そんな軽い被害で天下統一されたのですか、との理屈もある。~いや、そうもならない。実はこの後、一向宗にたいしては、石山本願寺(大坂城あたりらしい)、伊勢の長島、ともかく天台密教だけにとどまらず、本願寺もものすごい被害を受けた。いろいろ考えると、信長の殺戮は異常性格のもたらした犯罪と、明確に言える。

 そういうわけで、今夜のドラマの史実を論評するのは難しい。信長の肩をもつならば、これは信長の聖戦だった。信長は旧世界を打倒する神なのだから、彼の行く手を阻む物は悪鬼であり、邪悪なものにすぎない。焼き払い、斬り殺し、更地にして、新しい国をつくる。これは彼の聖戦だった。一方、これを法難と受け取る人達が多数おっても当然だった。

 ドラマでは、信長に旧弊さをののしられ打擲(ちょうちゃく)された明智光秀は、比叡山で忠実に主命をはたした。一方秀吉は、ドラマの中では、眼前の逃げまどう者達に退路を開いた。前者は五万石の大名となり、秀吉には沙汰がなかった。千代は、帰還した一豊に、ともに地獄の責め苦を負うと言い、なぐさめた。

 ということで、現代も世界の各地で行われる聖戦ゲーム、それは現実の人間の血肉を代償にして争われる、実に、歴史開闢以来のくり返しが、今でもおこなわれ、信長の狂気をみるには毎朝、朝刊を読み、毎夕のTVニュースをみればリアルに把握できる。なにも特定宗教だけではない、民主主義も共産主義も、亜宗教にすぎない。おそらく「正義」という概念が、宗教・亜宗教こきまぜて聖戦の原動力になっているのだろう。

 だから、この記事書きにくい。このくらいにしておこう。

追伸
 暗い結末になったが、私は45分間脳天気に楽しんでいた。「500年ほど前に、こういうことって、あったんだなぁ」というノリである。それにしても、一豊さんは、どうにも「小りん」なるクノイチに見そめられたようだ。なかなかに、千代の清楚さに対比して、小りんの手練手管がそろそろいたについてきた。手練れの小りんさん、おもしろそうだ。

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コメント

叡山焼き討ち

議論が分かれますね。宗教団体が政治に関与するとこうなる。そして、叡山に何人の女人が存在したか?

そして、坂本には坊主相手の遊女が何人いたか?司馬さんは、判定を下していませんが、書き方は信長よりでしょうね。

聖職と政治は切っても切れないでしょうが、難しい、一番政治家にとり宗教は強敵でしょうね?

殺し屋の嫁が戦争は嫌いだというよな、今迄のドラマは馬鹿らしいというか、阿呆らしい感じでしたが、今日は、千代は母に悟らされましたね、殺し屋なら殺し屋の同じ業を請け負えという按配でした。

これで、すっきりしました。

投稿: jo | 2006年3月19日 (日) 22時47分

jo | 2006年3月19日 午後 10時47分

 一緒に地獄へ参ろう、という気持がないと、このドラマ空滑りしてしまいますね。

 よくいわれることですが、日本は60国くらいに分離独立していたわけですか。(しらべないと)
 それをまとめて信長、秀吉、家康、明治維新と統一国家樹立に長距離マラソンなんですね。途中で立ち止まって、現代まで見渡せた人は居なかったでしょう。
 山内一豊さんの城持大名出世物語は、土佐で終わるけど、一家のことは明治維新まで続きますね。その発端が、千代さんの「亭主、元気づけ」。だから、千代さんが厭戦観を全面に出してくると、後が続かなくなる。

投稿: Mu→jo | 2006年3月20日 (月) 05時58分

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