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2006年2月17日 (金)

京都の書店

 今朝起きて頭に浮かんだのは、京都の書店が消えていくことについて。
 といっても、小さな特色のある書店のことではない。それは別のこととして、考えてみたいことだ。今朝は、以前から、高校生時代から慣れ親しんだ、だれにも目に付く大型書店のこと。

 町にでてもいくところが決まっている無趣味、無芸、おおざっぱなところがあって、大型書店は行き先の一つだった。他には寺町の電気街、いまはパソコンのパーツ店、喫茶店、蕎麦屋、と数え上げてもこの程度だ。身近にも、職場にも、旧知にも、随分細やかにいろいろな行き先を持っている人が多いが、比べるとそっけない自分がうかんでくる。

 京都の大型書店というと、かわりばえのしない話だが、それでも数年来変化が大きい。
 いま、わたしが把握できる大型書店は、四条河原町を中心にすると、烏丸よりのジュンク堂くらいしか見つけられなくなった。丸善は昨秋に消えた。最近、ブックファーストも消えた。これは以前は、長年にわたって駸々堂として親しんできた書店の跡地だったが、店名が変わっても規模は同じで愛好してきた。が、最近そこもあっけなく消えた。学生時代に通った京都書院はもう数十年前に消えた。
 知っている近辺の、少し大きな書店は、京都市庁あたりの地下と、新京極三条あたりの映画館地下の紀伊國屋か。

 京都駅近辺だと、プラッツ(近鉄百貨店)内に十年近く旭屋があってこれは随分でかい大型書店なのだが、近くプラッツが消えるので、どうなるかわからない。唯一と言っていいのは、新幹線駅南のビルにあるイズミヤ?書店くらいか。これは大型ワンフロアなので、よく行く。
 あと、近頃は京都駅地下の三省堂に、東京へエドルン君を見送ると時よく立ち寄る。

 大型書店のよさは、だいたいなんでもあることだ。わたしが求めるのは大抵、現代の風潮なので、古書稀覯書をもとめてのことではない。新刊書を一目で、ながめて、手にとって、買い物するというのは、実に限られたわたしの楽しみの一つである。図書マニアではない。
 ただ、40年も前に手にした古書や当時の図書がまだまだ葛野や木幡にいっぱいあるので、多少マニアックにみられるだけで、本当は図書の中に、現代を眺めている。

 それにしても、京都の町中の書店は、これからどうなっていくのだろう。寂しいような、心配なような。

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小説木幡記」カテゴリの記事

コメント

寂しいですね、心配ですね

 書店が姿を消していく。
喫茶店が姿を消していく。
映画館がなくなる。
いい飲み屋が姿を消していく。

 寂しいですね、この世の中。
その代わりにもっといい店が現れるのならいい。
でもチェーン店まがいのばかりでしてねえ。

 精神衛生上、こう考えることにしております。
(アレは無くなった、でも今までにコレを与えてくれた)
過去形の(ええこと)だけを頼りにする訳です。
そして最後に、
(こんなことで俺はメゲないぞ)
と自身を励まします。
我が国立も本屋はなくなる、映画館はなくなる、喫茶店はなくなる、高層マンションは林立する、の真っ盛りにあるのです。

(こんなことで負けてたまるか)だけが唯一の、前向きの、呪文なのです。

 呪文はとなえるのですが、寂しさ、心配は消えるものではありませんね。
僕たちに出来ることは何なんだろう?とも考えます。
背中を見せることくらいしかないのだろうか?

 過ぎ去っていく男たち・・・背中しか見えやしません。
見せたりまひょか、我々の背中を。

投稿: ふうてん | 2006年2月17日 (金) 22時14分

ふうてん | 2006年2月17日 午後 10時14分

 「本屋はなくなる、映画館はなくなる、喫茶店はなくなる」
 このセリフみて、ある観点でほっとしました。なんだ、梅翁も町にでかけて、書店映画館喫茶店(それと、飲み屋)くらいしか、行かないんだな、という同質の安心感です。

 Muの若い友人(今は、30半ばの男性です)は、なんとぉ、デパート巡りが趣味なんですよ。ちょっとね、同行は無理ですね。

 ともあれ、そういう現況で京都の町が今後どうなるか、きにはなります。相変わらず跡地はパチンコが多いですね。

 パチンコ好きにはたまらない愉悦だろうけど、もしも、フランソワやら喫茶店が変な風俗に化けると、狂死しそうです。木屋町スジはやたらにそれが多いんです。
 要するに、Muの行き場がなくなる。死守すべきは、蕎麦屋ですね。

 ……
 要するに人々が、本屋よりも喫茶店よりも、パチンコ屋とか、ゲーセン、「風俗」を望むという世相なんですね。
 「生扉」世界の結末も、世界がネットが、そうなるんでしょうなぁ。ネットトラフィックの90%が、時間あたり数十万通発信能力のあるソフトで送られる、風俗で席巻されるのでしょう。

投稿: Mu→ふうてん | 2006年2月18日 (土) 01時51分

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受信: 2006年2月17日 (金) 17時02分

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