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2006年2月28日 (火)

絵葉書:冬の合掌造(白川郷)

承前[MuBlog:冬の兼六園

白川郷(岐阜県大野郡白川村大字萩町)地図

 DeepGがこの三葉を送ってくれたのは、数日前に掲載した「冬の兼六園」と同じ便だった。日付を見ると、この白川郷が一日早いので、岐阜から白川に入り、そして金沢に抜けた旅程かもしれない。汽車だったのか自動車だったのかバスだったのか、全く分からない。

 掲載するのが遅れたのは、いま考えてみると二つの要因があった。

 一つは、DeepG独特のことなのだが、はたしてこれが白川郷の合掌造り風景なのかどうか、確証を持てなかったからである。もしかしたら飛騨高山か下呂温泉かもしれない。先年「ヤセの断崖」と10キロ離れた「巖門」との写真取り違えで手ひどい思いをした。そっけない一行メルには「白川郷」と記してあったが、裏を取らないと、またしてもDeepGも私もそろってトンデモ世界に落ち込んでしまう。だから、真剣に掲載を悩んだ。

 もう一つは、この三葉が実に印象的な写真に思えたからである。夢幻。そういう味わいだった。雪と空と陽と、そして鄙びた田舎屋。たったそれだけのことに過ぎないのだが、非常に気に入ってしまった。となると、自分の大事なRSをなかなか全面公開しなかった心境と同じかもしれない。

 私はどうにも、こういう人為人工と自然とが、適度に配分された写真が好きなのだ。そして雪。北陸福井市に生まれたわりには、雪への憧れはいまだに強い。そこに住めば地獄と、山寺の和尚さんに言われたにもかかわらず、傘と長靴を手放せない寒く陰鬱な雪国生まれなのに、雪を見ると気持が昂ぶり、やがて和やかになる。

 そしてまた合掌造りの飛騨という言葉へのどうしようもないときめき。この地にない、この手にない、遠くに憧れるだけで足元のおぼつかない世界共通ロマン派の宿痾なのだろう。憧憬はつきない。

 というわけで、今宵は写真への解説はとどめおき、じっくり眺めてねむることにしょう。

逆光雪

逆光雪 白川郷合掌造

 
ほの温かい合掌造と梯子
ほの温かい合掌造と梯子
 

雪中合掌造

雪中合掌造
 

参考
 世界遺産合掌づくり集落
 白川郷合掌造り集落と平瀬温泉

 飛騨民俗村・飛騨の里[Mu注:今回の写真の白川郷とは離れていますから関係がないとも申せましょう。しかし私が初めて合掌造りを見たのは高山市でした。その時飛騨の里があったかどうかは知りませんが、3度は高山に行っております。学生時代の友人M君の故郷だったのです。が、中退した彼の消息は不明です。懐かしい青年期でありました。]

 白川郷 野外博物館 合掌造り 民家園

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コメント

おとぎの国のような風景ですね。

今年のドカ雪では本当に、雪の怖さを思い知りましたね。合掌造りは、まさにドカ雪対策の技術の結晶なんでしょうね。

60度勾配ですから、雪降ろしも便利なんでしょうかね?

このような風景が何時までも残るといいですね。

投稿: jo | 2006年2月28日 (火) 14時01分

 (真夏の白川郷)

 数年前に、金沢辰口温泉から、白川スーパー林道を通って、白川郷に入りました。

 京都も蒸し暑いですが、ここ白川郷も、とても蒸し暑かったです。

 合掌造り民家園
http://www.geocities.jp/psgifu/

に入って、合掌造り内部の様子も見学してきました。この屋根を葺き直すのが、莫大な費用と、多くの人手がかかるんですよ。世界遺産を守り抜くのは、とても大変なことなんだ~と思いましたデス。

冬季は(白山スーパー林道)は閉鎖していますが、季節のいい折りに、ぜひドライブなさってみることをおすすめします。

投稿: wd | 2006年2月28日 (火) 15時06分

jo | 2006年2月28日 午後 02時01分

 雪雪雪となるんでしょうね、Joさん。

 60度というと、正三角形の角度ですね。すると、ある程度空間を確保するには、このくらい大きくなってしまう。だから、必然的に大家族が住まう。
 もうおぼえていないのですが、別のところで中に入ってみた記憶では、住居区画は二階くらいまではあったようですね。それ以上上階はお蚕さんとか、納屋みたいなもんだったような。
 世界に類例はあるんでしょうかね。

 ともかく、雪国は外からみると、おとぎの国、そこに住まうと、一年のうち長い時間、気が鬱してくるかもしれません。
 いろり端。大切だったことと思います。

 炉辺の幸せを嫌う作家、芸術家はおりますが、まあ、あった方がよいです。今の気持ちですね。

投稿: Mu→JO | 2006年2月28日 (火) 15時55分

wd | 2006年2月28日 午後 03時06分

 ご紹介のサイトは、なかなかよかったので、本文に追加しておきました。

 地図でみると、白川には、北上ルートだけではなくて、金沢から南下ルートもあるわけですね。山中にしては、道が整っているように想像しました。
 大昔に、山道を金沢から高山へ抜けたことを思い出しましたが、今はさらに整備されているようで、ドライブ心がつのります。

 白川郷が蒸し暑いとのことですが、そこがちょっと不思議でした。蒸し暑いのは京都と山梨県甲府、盆地蒸しと考えてきたのを変えざるをえません。

 ともかく、北陸と岐阜県が隣り合わせであるという当たり前の事実は、こうして地図をみないと私にはなかなかつかめないことでした。

 世界遺産。そういう良いところが、日本にあるのが、良かったです。

投稿: Mu→wd | 2006年2月28日 (火) 16時12分

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受信: 2007年3月13日 (火) 00時05分

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