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2006年1月 1日 (日)

大晦日の祇園界隈と長楽館(平成17年末)

承前[MuBlog:大晦日の鍵善と八坂神社

2005年・大晦日の祇園界隈と長楽館
  花見小路界隈・一力あたり(地図
  円山公園の長楽館(地図


0.はじめに


戌年の破魔矢
 何十年も欠かさずに、大晦日になると八坂神社へ行って、破魔矢・絵馬を手にする年月なのだから、毎年変わらず、同じパターンで記事にはしがたいと思いながらも、不易の良さは良さであり、これも生の証と思って、一筆啓上。

 数時間前、2005年の12月31日、夜の八坂神社あたりを歩いてきました。メンバーはMuを入れて3人、2004年末とは若干入れ替えがありました。昨夜は、ちょっとした事件に冷や汗をかき、そして意外な見学もできましたが、大過なく、今日のよき元旦を迎えました。写真は戌年の破魔矢です。


1.鍵善良房の本店


鍵善
 例によってMuは黒蜜のくづ切りをいただいて、今年も口にできたなぁ、とほっとした次第。余人は、粟ゼンザイ、これも変わりなく。ところで、当夜は例年と異なり、席待ちを五分ほどしました。鍵善は、いつもは夕方の六時ころ閉店ですが、大晦日はたしか八時ころまで開いております。入った所のくづ菓子コーナーが混んでいるのはいつものことですが、奥の喫茶部が席待ちとは、記憶になかったことでした。エドルン君の話では、最近関東の方で新しい雑誌が京都を盛んに取り上げて、多分鍵善さんもリストアップされているのだろうと、申しておりました。

 で、ここ数年、毎年のお話「とうちゃん、わたしは大学生になるまで、鍵善のくづ切りは大晦日にだけ食べる特別なものとおもっておりました」。幼児期以来、大晦日になるとくづ切りを、くだんの「とうちゃん」が食べる姿を見続けていると、そういう世界観ができてもおかしくないようです。

 お店の入口の天井近くに羽子板(Mu註:こりゃ羽子板じゃなくて、葛菓子の型枠ですよね)が並べてあることにはじめて気がつきました。河合寛次郎(参考サイト)さんの立派な焼き物と重厚な飾り棚は、入って右手にありましたが、なんとなく写真を撮すのが申し訳なくて、羽子板だけを写しました。


2.なんとなく祇園花見小路


祇園花見小路
 鍵善を後にして、再び戻ってくるとはつゆ知らず、花見小路を一力あたりから建仁寺までぶらりぶらりと歩いておりました。瀟洒なお店、これぞ都振りと思えるような店々が明かりを点けておりました。木幡の田舎からたまにでてくると、この界隈は夢幻の都の風情です。途中、軒先に「佳つ乃」とかいう名前も見えて写真に撮っておきました。

 ところが建仁寺から左(東)におれて東大路にでようとしたあたりで、愕然としました。Muは車のキー、家のキー、研究室のキー、無くなっていたことに気がついたのです。呆然。よろよろと路上に崩れ落ちるほどの大ショック。当夜は円山駐車場が午後九時で閉まり、愛車をおいて帰ることを想像し胸が痛くなりました。頭を抱え込んでいると、さっそくにエドルン君を中心とした綿密な捜査が始まり、次に尋問。要するに経路確認です。ほどなくエドルン君、携帯電話で鍵善に通知し、確認。しばらくおいて返信あるも、「鍵善には、鍵は無い」とのこと。

 仕方なく建仁寺あたりから四条花見小路まで路上確認しながら、再び鍵善へ現地再確認。しかし、無かった。

 とは申しても、八坂神社に一年間のお礼なしでは相済まない。とぼとぼと石段下へ向かい、信号で立ちすくんでいると、右手に交番。ともかく遺失物確認ということで、エドルン君たちに引っ張られて、警察官の前に立ったが、言葉が出ず、あとはすべてエドルン君が状況説明につとめた。Muがしたことは遺失物申請書にサインをしたことと、

「ところで、鍵に特徴はありますか?」と、若い、なんとなく本当に織田某俳優のような警官。
「はい、アトム」と、言葉少なげなMu。
「つまり、アトムのキーホルダー付きなんです」と、エドルン君の助言。
 さっそく若い警官は電話をまわし近辺の交番に確認。
「えー、つまり、鉄腕アトムのキーホルダが付いているようなんですが」
 ここで、Muは「アトム」に「鉄腕」が付加されたことに、ものすごい驚きを味わった。ここは、日本なんだなぁ。若い警官は、アトムと聞いただけで、「鉄腕アトム」と、ずばり推定した。うむ。

 交番を後にして、Muは最後の頼みの綱というか、一人駐車場に戻った。
 そして、そこでみたものは、意外な場面だった。
 それが写真の右下。銀色に鈍く光るドアに、なにかがぶら下がっていた。
 交番に戻って報告をすると、奥からその若い警官もでてきて、一件落着。Muも、四人いた警官達も、みんな笑顔だった。


3.神に感謝


大晦日の八坂神社
 お参りするまえに、2.のような事件があったので、昨夜の大晦日の祈りはいやましに深くなった。家族安泰、大学安泰、おまけに国家鎮護、世界平和まで祈念した。お賽銭も毎年の十倍はずんだ。まことに、素戔嗚尊の霊験霊力は絶大であると、全身がうちふるえた。この世にやおろずの神々はいますが、Muはことのほか、京都では八坂神社にかねがね深いものを味わってきた。佳き一夜の祈念であった。


4.長楽館


長楽館の正面
 お参りしたあと、長楽館に行って一休みした。明治の伊藤博文が京都の常宿としたロココ調の内装を残した建物である。レディースホテル、レストラン、喫茶を備えていて、重厚である。昨夜は一階が満席だったので、二階の中国風内装の部屋に案内された。これは意外な経験となった。部屋は隅々まで凝った意匠で飾られて、まるで明治時代に戻ったかのような気分になった。しかも、それが中国風にアレンジされているところがおもしろかった。

長楽館の二階:中華風

 というわけで、毎年変わらない同じパターンでも、それなりに変化がある。とりわけ昨夜の大晦日は、ハラハラドキドキし、最後は美味しい珈琲でしめとなった。

 また、今年の年末まで、365日。

参考
  河合寛次郎記念館
  長楽館 [公式HP]

Mu注記
 長楽館の二階の中国風意匠だが、Muは無学無知なだけで、実は当時の欧州ロココ風にはシナ風を取り入れていたのかも知れない、とふと思った。真偽のほどは建築史の専門家に聞かないとわからない。

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コメント

ドラマチックな大晦日をお過ごしになっていたんですね。無事に解決したからよかったものの、車まで姿を消していたらたいへんなことでした。:-P

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: morio | 2006年1月 1日 (日) 17時17分

morioさん、 2006年1月 1日 午後 05時17分

 さうだね。
 ちょっと思い出すと怖いね。
 キーがおかれたままあったのが、事件の鍵だったりしたら、眠られなくなる。

 今後、鍵束を強力なゴムぱっちんで首にぶら下げる案もでたが、気を許して手を離したとたん、キーが顔面殴打もあるからな。

投稿: Mu→morio | 2006年1月 1日 (日) 17時54分

お互い騒動の大晦日

私も、大晦日には飛行機を鶴見川に墜落させ、回収が大変でした。元日の今日でも太ももが痛いです。

しかし、鍵は車だけでなく色んな鍵が一緒でしょうから、車から身元が割れるともっと危険な状況が起こる可能性が有りましたね?

鍵は別々にして持たないと危険ですね。が、米国在住時代の思い出として、アメリカ人の男性はやたらと鍵の束を持っているのが印象深いですね。

とにかく、巨大な鍵の束を持っているんですね。大きすぎて忘れない利点があるかも?

ガレージ、車、自宅、オフィス、子供が触ると危険な工具類、・・・・・ホンマ鍵が好きな国民でした。

ちなみに、私は自転車の鍵と自宅の鍵しか持ちません。

投稿: jo | 2006年1月 1日 (日) 20時00分

joさん、 2006年1月 1日 午後 08時00分

 そうですね。怖い話でした。身震いしております。約一年間は、鍵のこと、注意しておきます。
「私は自転車の鍵と自宅の鍵」
 Muはそれに研究室の鍵が加わっただけですよ~、あんまり変わりません。

 ところで、電動ラジコン、主流になるんでしょうかね。他のblogで、女性も嗜んでいる様子をよみました。
 

投稿: Mu→Jo | 2006年1月 1日 (日) 20時35分

 明けましておめでとうございます。

(本文記事やビデオは、お正月が終わってから、ゆっくり読ませていただきます。)

 Muさんにとって、幸多き一年となりますように★

投稿: wd | 2006年1月 1日 (日) 21時33分

wdさん、2006年1月 1日 午後 09時33分

 お正月は、おいそがしいことと想像します。
 Muなどはねているだけですが。
今年はビデオ元年にしたいです(と、数年前にも、自分のHPに書いておりました(笑))
 では、今年もよろしく。

投稿: Mu→wd | 2006年1月 1日 (日) 23時51分

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