知識を運ぶメディア/京都大学図書館機構
京都大学百周年時計台記念館(京都市左京区吉田本町)地図
11月の15(火曜)の朝、京都大学の時計台に立ち寄った。大学図書館の展示会オープニング・セレモニー、そのテープカットがあったからだ。現総長、図書館長、理事の方達がそれぞれお祝いをのべて、式は滞りなく終えた。Muはその後に続いて、一人の観客として展示室で案内を聞いていた。
出不精のMuが葛野から百万遍まで出かけたのにはわけがある。
一つは、この大学図書館とは、なんとはなしに縁がある。
もう一つは、京都大学の「お宝」をまとめて見られる機会を見逃したくなかった。
特に後者は、Muが葛野で「メディア論」という講義を持っているので、役にたった。翌朝の水曜日は、さっそく「京都大学で、無料の展示会があって、メディア論で注目する史料を、間近に見ることができる」と学生達に紹介した。
羊皮紙や、甲骨文字や、百万塔陀羅尼経。
デカルトの方法序説、初版。
世界最初の雑誌の初号(Philosophical Transactions of the Royal Society of London 1665年)
どれもこれもMu好みの史料である(笑)。残念ながら、パピルス古文書や粘土板はなかった。
それにしても、コンパクトに整理されているので、全体の把握がしやすかった。
会期は12月18(日曜)までだから、今日のこの記事を読む人なら、まだ間に合うだろう。
京都大学時計台
京都大学百周年時計台記念館
昔の{京都大学附属図書館と時計台}
なによりも、Muがかつて見たことのある「旧附属図書館」が懐かしかった。写真でみると時計台の左手の建物がそれにあたる。二十代のころに縁あってこの建物に入ったとき、事務部長室の天井の高さや、部屋の広さに心底驚いた記憶がある。
知識を運ぶメディア
羊皮紙古文書、百万塔陀羅尼経
錫蘭文古貝多羅経、甲骨文字、塵芥
甲骨文字とは、牛骨などに刻みつけた占いが中心である。展示物は中国殷時代のものらしく、今から三千年以上も昔の物だ。
「塵芥」とは室町時代の辞書。もちろん当時は活版印刷などはなかった。これは清原宣賢という人の自筆らしい。
会期中、キャンパスの方々で講演会や討論会があるらしい。図書館の仕事は、図書や雑誌を保管して、利用してもらうだけではない。今回は、こうした展示会を催すことでいろんな人達に智の源流を確認してもらいたいのだろう。
Muなどが思うに、大学キャンパスの中に図書館があるのではなくて、図書館の中に大学があるとまで考えている。
参考
京都大学図書館機構[公式サイト]
京都大学百周年時計台記念館[公式サイト]
学術無窮/長尾真[MuBlog]
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コメント
100周年ですか
1905年というと明治38年、日露戦争の頃ですね。
その後の100年を考えると思わずボ~ゼンとなりました。
以前の記事にも写真が載っていましたが、Muさんの写真ではいつも時計台の後ろの(空)は真っ青なのですね。
そんな印象があります。
東京にはこのごろ真っ青な空というものがありません。
知の都には真っ青な空が似合っています。
(大学キャンパスの中に図書館があるのではなくて、図書館の中に大学があるとまで考えている。)
アイ アグリー。全く同感です。
投稿: ふうてん | 2005年11月25日 (金) 11時43分
ふうてんさん、 2005年11月25日 午前 11時43分
京都大学(京大)の創設時期は、こんな風に書いてあるね。
明治30年(1897)勅令209号で開設。
同年1897年には、理工科大学~
だから、この明治30年が事始めになるから、はて、百周年は1997年だったでしょうか(笑)。よその大学のことはようわかりませ~ん。時計台が改装なったのは2003年だったはずですよ。
そうそう、時計台が出来たのは、1925(大正14)と公式HPにありました。
それにしても、呆然。です。
青空のことですが。時々うかがうに、東京には青空が見えないとありますが、不思議に思っています。この写真程度の青空なら、ちょっと晴れた日に写真をとると、こうなります。
ともかく。Muは、博物館や図書館が好きなようです。中身にウンチクを傾けるほどには精通していませんが、ああいう、雰囲気がお気に入りです。
飲み屋もああいう風なら、何度もいくことでしょう。京都の喫茶店にはときどき、博物館風、図書館風、大学風のがありますので、よろしいです。
投稿: Mu→ふうてん | 2005年11月25日 (金) 13時24分