大長今:テチャングム:テヂャングム
今夜のチャングムは終盤だった。あと一回か二回で終わりそうだ。
チャングムはついに大長今(テ・チャングム)という位を授かり、王の主治医となった。両班(やんぱん)という朝鮮独自の貴族階級の猛反対を受けながら、王権の命によって決定した。このために、科挙首席最年少の誉れ高い恋人は追放流罪となった。
チャングムを王の主治医に推挙し、宮廷を騒がし、身分制度に穴をあけるような上表をしたことの咎によってだった。
今夜は57歳で腸閉塞を起こした王をどう救うのかで、チャングムが決意して王に手術を告げる寸前で終わった。予告では、次週遂に王は助からなかったようだ。手術は鍼麻酔を想像させるようになっていたが、来週までわからない。それにしても、当時は57歳で老衰と診断されたのが、興味深く思えた。Muなどもう死んでおる脳、orn。(Mu注:ornとは極端に凹んだ、落ち込んださまを表す現代若者表記である)
最初は料理世界、次に医女世界。
二つの世界を極めたチャングムはまっすぐな人間として描かれていた。ある種の資質を持ち、まっすぐな気性の者が対象に専念すると、こうなるかも知れないという、寓意があった。そして、投げ出さずに最後までやりとげると、見えなかった道が現れて来るという、実に単純な人生訓があった。
もう一つは、復讐の念ですごした何年かを経て、それが達成されたあとの、次の現実への直面という人生苦があった。
総じて人生訓なのだが、基本は、意思と努力の積み重ね、少しの幸運、資質、それらを制御する人間が描かれていた。
長く生きていく際の、基本的な態度は、「誠実」であると、Muは感心したわけである。
競争も、権謀術策も、裏切りでさえ、誠実に行うべし。
そういう単純さに目を開かれた。
悪意は我が身を自滅させる。
なんにしても、やがて死が訪れる。
ならば、誠実であるべきだ。
「誠」の旗の意味がある。
| 固定リンク
「小説木幡記」カテゴリの記事
- 小説木幡記:楠木正成のこと(2013.06.07)
- 小説木幡記:腰痛と信長(2013.05.28)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
NHKの総合テレビで一回目の”チャングムの誓い”を観ましたが、その後放映されてるんでしょうか?
韓国の風景と民俗が面白いし、新鮮なので、楽しみにしてるんですが・・・・。
王様の主治医というと、銅鏡を思い出しますね。王様が死ぬと悲劇がくるんやろね。
人生はいいときは短いもんやね。
投稿: jo | 2005年10月21日 (金) 13時29分
joさん、2005年10月21日 午後 01時29分
チャングムはBS2とは別に、総合NHKで、毎週土曜でしたかな? 全50数回を放映するはずですよ。
なかなかおもろいですよ。
ただ、毎回チャングムが危機一髪になるのが、老いた心臓にはちと悪いかな。
いやいや、遠国の小娘の艱難辛苦、他人事としておれば、おもしろい限りです。
Muは、~そうですねぇ。慣れました。危機一髪がないと、なんとなくすっきりしませんでした。
投稿: Mu→Jo | 2005年10月21日 (金) 13時59分
漢字を間違いましたね、道鏡さんでした。
評判の悪い道鏡さんですが、本当はどうだったかは薮の中ですね。
土曜日の夜ですか?韓国では大変人気がでたテレビ番組なんですね。
しかし、主治医が若い美人の女性だと、恥ずかしいですね。ちゃいますか?
投稿: jo | 2005年10月21日 (金) 14時44分
joさん、 2005年10月21日 午後 02時44分
心配しなさんな。
王の主治医になるまでには50回分放映してやっとですからね。恥ずかしくないですよ(笑)
スラッカン(宮廷調理場)のチェコサングン(料理女官筆頭)になるまでが大きな流れでして、ついで並行して医女としての大活躍があるわけです。
料理女官時代と医女時代とを比べると、両方おもしろいですが、やはり、韓国王宮料理の場面がおもろいですね。
医女時代は、鍼を打つところがよかったです。
まあ、お楽しみに。
(欠点は、40数回目に、にっくき敵役のチェ一族が崩壊してしまうから、次は?という、燃え尽き症候群でしょうか)
Muの好みは、クミョン(チャングムの猛烈ライバル)と、歯まで治すという、チャングムの師匠医女。それと、にっくきチェ・サングン。
ああ、皇后さんはとても気に入りました。
……
投稿: Mu→Jo | 2005年10月21日 (金) 20時26分