飛鳥路
飛鳥路
亀井勝一郎、小林秀雄、保田與重郎、坂口安吾、
堀辰雄、神西清、折口信夫、山本健吉、入江泰吉
地図(石舞台周辺)
<アスカジ>. -- (BN02314107)
京都 : 人文書院, 1970
177p ; 20cm
内容: 飛鳥路 / 亀井勝一郎 ; 蘇我馬子の墓 / 小林秀雄 ; 桧隈墓の猿石と益田の岩船 / 保田与重郎 ; 飛鳥の幻 / 坂口安吾 ; 古墳 / 堀辰雄 ; 白い道のうへに / 神西清 ; 軽の蓮池 / 神西清 ; 飛鳥をおもふ / 折口信夫 ; 古事記の空・古事記の山 / 折口信夫 ; 飛鳥路をゆく / 山本健吉
注記: 写真: 入江泰吉
著者標目: 亀井、勝一郎(1907-1966)<カメイ、カツイチロウ> ; 入江、泰吉
(1905-1992)<イリエ、タイキチ>
分類: NDC6 : 291.65 ; NDLC : GC176
件名: 奈良県 ーー 紀行
所蔵図書館 19[By Webcat 20050908]
目次情報
飛鳥路/亀井勝一郎
蘇我馬子の墓/小林秀雄
檜隈墓の猿石と益田の岩船/保田與重郎
飛鳥の幻/坂口安吾 [→MuBlog記事]
古墳:一九四一年十二月/掘辰雄 [→MuBlog記事]
白い道のうへに/神西清
軽の蓮池:或ひは、古市幻想前記/神西清
飛鳥をおもふ/折口信夫
古事記の空 古事記の山/折口信夫
飛鳥路をゆく/山本健吉
写真*入江泰吉
飛鳥地図
写真情報 (入江泰吉による、モノクロ)
川原寺の礎石(カバージャケット)
全般、および亀井勝一郎関係
剣池、孝元陵のそばから西方に畝傍山を望む
大原の里、後方の山は多武峯(とおのみね)
飛鳥寺本堂
香久山から西方に畝傍山を望む
小林秀雄関係
石舞台
石舞台、玄室口
保田與重郎関係
天武・持統帝 桧隈大内陵
鬼の俎(まないた)
欽明陵の杜(右)と猿石のある吉備姫王の墓(左の木叢)
猿石の一つ
猿石の一つ
益田の岩船、台石上の碑脚穴
神西清関係
古の軽の地といわれる見瀬の里
菖蒲池古墳、玄室口
石川の里、精舎跡
五条野の里、孝元陵への道
折口信夫関係
稲淵(南淵)の里から北方を望む
飛鳥川(川原寺の東方)
甘橿の丘から見た飛鳥坐神社の杜
飛鳥坐神社正面
山本健吉関係
甘橿の丘から北方の眺望 右に香久山、左に耳梨山、左手前の杜は雷の丘
[Mu注記:耳梨山は、現代表記では耳成山が一般的か]
甘橿の丘から西北方の眺望 上方が畝傍山
浄見原宮址 上方右に香久山、左に耳梨山
山田寺址
Mu注記
収録された各エッセイについては、おりおりに別記事を立てていくつもりだ。
葛野の机上に以前からこの本一冊が所在なくおいてあった。意識してではなく、なにかと重宝だから、身辺から手放さなかったのだろう。
最近のMuBlogで飛鳥の石舞台がよくアクセスされる。数多いblog記事の中で、MuBlogに巡り会うのも多生の縁。少し追加記事を書いてみたいと昨年から考えていたのだが、そのことは以前『墓盗人と贋物づくり』を読んだときにもよい機会があったのだが、……。優柔不断の常なれば、ついついぼんやり日を過ごしてしまった。
と。実は、本書には小林秀雄の『蘇我馬子の墓』が入っている。高校を卒業したころに、文庫で読んだものなのだが、これは石舞台古墳のエッセイそのものである。とは言っても、馬子の先祖かもしれない史上妖しき武内宿禰の物語に目を奪われて、……。小林秀雄というひとは、上手やなぁ~と、感心して頁を蓋してしまった。あまりの上手に触れると、とやかく言いたくなくなるものだ。
それにしても、坂口安吾という、Muの知らない時代に活躍した作家の名探偵ぶりには、うふうふ。
と、あれこれ書いていくと、また頭がかんかんになって、日常のお仕事に差し支えるので、今日はこれでやめておこう。文学とか歴史とは、まあ、Muにとって毒薬のようなところがあるので、摂取量を加減しないと、日常廃人になってしまう(もう、遅いとも耳にするが)。
そうそう。この35年前の図書をとってみて、編纂する、編集するという行為は大切だと思った。時が過ぎても、往時の一級の文筆家、写真家の仕事を、まとめて手に取ることができる。堀辰雄の小文がこんなところに入っているなんて、ながく気がつかなかった(いや、忘れていた)。編集は、著作に匹敵するという考えは、時に味わう。で、今日も、この図書を見ていて、切実にそう思った。
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