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2005年6月 4日 (土)

都の春・桜花ベスト3:平成十七年自薦柳桜写心

 そろそろ梅雨に入る時期なのですが、MuBlog ではついに懸案の、今年の柳桜ベスト3を自薦することにいたしました。
 下手の横好きを絵に描いたような写真の数々を、まるで散る花に誘われるかのような勢いで撮りまくった狂乱の四月でありました。
 しかし古来、日本の芸術とは西欧流美学の枠組みとは縁遠く、日々の生活のなかで息づくものが良しとされてきた国柄ですから、へぼ俳句に、舌足らずの月並み歌、嫁入り前のお茶にお花、旦那衆の日曜能役者、と枚挙にいとまなく、……それみな、喜びを生み出し、限りある生に潤いをもたらし、花鳥風月「よろしいなぁ」と心ひそかに楽しんで参ったのでありました。
 
 さて、まあよきほどに、ご笑覧のほど、こいねがい、一筆呈上、口上これにて、候よし。
 なお、選びたる写真集は、目次:桜狩り(MuBlog記事)の範囲にて、写心とするもの自薦3点を格別に佳しとし、あとは折りにふれて来年まで、追加削除をおこなう予定。

第一席

酒蔵達の糸柳:糸のように見えたので糸柳(Mu)
  「伏見港の柳」より

酒蔵達の糸柳
 桜狩にこと寄せて、以前から気になっていた伏見港の柳を心に焼き付けたものです。この酒蔵の見える運河を行き交う十石舟を眼裏に浮かべ、シャッターを押しました。構図としては優等生的、ご当地案内そのものになったのですが、自薦一位はやはり写心、心に残る風景を身内一杯にとりこんで、伏見の良さを今後も味わっていきたい、そういう時間の流れに寄り添ったこの空間がMuの中に生まれたのです。
 もはや、ピントがどうの構図がどうのの域をこえて、Muは末永くこの写心を愛惜することでしょう。

第二席

薄暮桜
  「祇園円山公園の夕桜平成十七年」より

薄暮桜
 お気づきの読者もおられると思いますが、Muは元来黄昏時に生きる者にて、ことのほか光と闇の狭間に「生」を味わうところがあります。これは幼少以来のことで、いまだに木幡帰還時は部屋に常夜灯だけを点け小一時間まどろむ風習もあるのです。この円山公園の長く生きた桜木は人にも見えて、その桜花はまるで「生」の灯火、そしてライトがうっすらとあたり、ほのかな暖かみが、ほんの少し味わえます。これも写心、幼児から現代にいたる我が身の生の軌跡と現在を、余すところ無く夕桜が見せてくれたのです。

第三席

神苑、一の君:影のある長女
  「神苑の桜姫たち:平安神宮」より

神苑一の君
 好みの問題と申せば簡単なのですが、Muは人間嫌いにしてはすべからくそうなのではなく、はっきりしている点では陽性よりも陰性というか、若干影りのあるものが好みです。となると、桜花も影を好む結果となって、逆光と言って良い中でそこに花があるなぁ、というこの写真が一等気に入った次第。それなのに、背景の明るくもよもよとした色彩の柔らかさも選んだ根拠。どっちなのかと問われれば、この端境の姿がえもいえぬ、と曖昧模糊に終始する始末、です。


番外その一

三本桜
  「大澤池の桜平成十七年(1)」より

三本桜
 これはまた明るい大澤池の桜をえらんだものです。上位にあっては、あれだけ「影」がよいとか「黄昏れ」とかいいながら、この空間ののびやかな清明さ、なんともMuの心情はかりがたき一面ではありますが、……。青い空、すみきった空気、そのなかにすっきり花咲く桜、そして風景と歴史、嵯峨御所と言われたこの地に咲く花、よかれかし。ああ、都振りの一面なのであります(笑)。


 おあとは、また折々に。

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コメント

キーワードが一つ決まりましたね

 Muさんの(平安絵巻)のキーワードの一つは(桜)のようですね。
目次:桜狩りから全部見直してみました。
取材にはかなりの時間、エネルギーを費やされたことが想像されます。

 京都の桜で記憶に刻まれているのは貧乏学生していたとき銀閣寺近くの寿司屋で配達のバイトをやっていたときのことです。
昭和42、3年のころですが、4月の1日に開花して10日に散り終わりました。
個人の家やお寺さんなど、いたるところに桜があって、寿司を運びながら桜の変化を堪能しました。
昼飯に出た(押し鮨)の味と共に京都の思い出として残っております。

 貧乏学生がバイトしながらでも(桜)を楽しむことが出来る。
京都てええとこやなあ、思いました。

投稿: ふうてん | 2005年6月 5日 (日) 11時52分

ふうてんさん、2005年6月 5日 午前 11時52分

1.桜狩りはキーになりました。季節のうち最長でも10日程度しか見られない、その「時」に焦点を合わすのも、快感ですね。

2.年々のおもむきの変化は、慣れるまでは定点観測よりも、今年はあそこ、来年はどこそこ、とするつもりです。ふう爺流の頑なまでの定点とは別のおもむきが、あってもよろしいでしょう。

3.来年は、銀閣寺あたり、東山の北部、下賀茂上賀茂、鴨川の堤を中心のひとつ。もうひとつは、飛鳥を考えておりますよ。さらに、滋賀、琵琶湖。

4.取材のエネルギーよりも、整理が心身こたえました。全部で600枚近くになったんです。そこから60枚程度選んだんでしょうか。(全部概数)自分で自分の写真を選ぶのは骨ですね。

5.ふう爺さんの、永遠の都、京都。おりにふれて、無意識に、爺さんの過去に接するかもしれませんなぁ。

投稿: Mu→ふうてん | 2005年6月 5日 (日) 12時49分

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