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2005年5月 8日 (日)

NHK義経(18)清盛死す

承前

 めずらしく鑑賞前に記すことをやめた。
 やはり、コンピュータは週に一日くらいは触らぬ方がよいだろう(と、いま、触っておる)。
 明日は一番きつい月曜日(日曜の翌日だからではなくて、バランスの上から、月曜を激務日にしている)ということと、この連休は全くといってよいほど外に出られなかったので、ついでに、今日も隠っていた(まこと、天の邪鬼なり)。要するに、だるい一日だったので、嬉々としてマシンに面前する気力がわかなかった、だけのこと。

 さて。
 清盛さんがみまかった。物語の上では、これで義経は平家との縁が切れたわけである。もちろん、予告編をみていると、来週は、今度は奥州との縁も切らざるをえなくなるようだ。
 この時代の物語となると、大抵は平家物語が中心にあって、そのままならば清盛が主人公になり、彼がなくなることで終わる。あと、義仲を中心にした映画も昔あったようだ。それに、頼朝を中心にしたものもある。そして義経が主人公だと、これからだ、となる。

 義経にとっての義父清盛は、64年の生涯で平家の繁栄を招いた。宮島の厳島神社、平家納経、福原、日宋貿易などが、今夜話題になっていた。義経の同腹の妹は、実父が清盛で、からみは深い。縁、浅からぬ。

 それにつけても。
 おそらく史実だと考えるが、繁栄の極みだった平家の清盛を義父とし、経済力戦力からみて日本の半分を支配していた藤原秀衡が後見人、そして兄が源氏の棟梁。義経の環境は平時なら最高のものであった。しかし実際には、それらがひとつづつ、義経を滅ぼしていく引き金となっていく。

 鎌倉の源氏は、一族を疎み軽んじることで、三代で北条に乗っ取られた。
 室町の足利は、尊氏晩年までは、兄弟和していた。最後は、兄が弟を毒殺したようだが。
 徳川は、一族郎党が、たとえば御三家になって、260年ほど進んだ。

 義経は。兄が頼朝でなかったなら、また別の生涯があったかもしれない。

追伸
 はやく義経君が戦で蘇るのをみてみたい。来週までは、まだしばらく、もてあまし者あつかいされるようで、なんとも、心が塞ぐ。昔の任侠路線だと、たえにたえた主人公が、ついに堪忍袋の緒がきれて、殴り込みになるのだが、……。

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コメント

平清盛を歴史的にもっと見直す必要がありますね。

国際経済と貨幣経済の先駆者です。源氏は農園主ですから、徳川と同じ。

清盛、信長、秀吉、竜馬はともに経済を大事にした、指導者でしたね。しかし、長くは続かない。

これは、日本史の不思議ですね。

早く、戦闘場面にならんかいな。

投稿: jo | 2005年5月 8日 (日) 22時40分

Joさん
 もしかしたら、日本人は儒教の影響がつよいのかもしれんなぁ。
 ……
 士農工商でしたでしょう。
 商売は最低に位置づけられていた。
 西欧の人の話で、「フランスで戦争が始まった情報を、いち早く、伝書鳩で知って、株で大もうけした。これが資本主義の原点」とかいう話。フランスかロシアか忘れたが。

 商売は必須のことなのに、「人を騙す」という要素がある。お互い納得の上で、取引するのに、儲けたほうは、どうしても阿漕さがでてくる。そこなんだろうな、日本での短命さは。

 一方、七人の侍で、描写されたように、百姓ってのも、どうしようもないくらい、姑息怯懦なところがでてくる。
 姑息怯懦だから、政権も長生きするのかもな。

また、考えてみます。

投稿: Mu→Jo | 2005年5月 9日 (月) 08時04分

NHK「義経」も三分の一が終わりました。
今までは、どちらかと言えば、平清盛が中心でしたが、これからは義経の活躍と失意が中心になるですねえ。
そして、何故義経は天下人になれなかったのか。また、義経は本当にあれだけの美男子だったんか。が永遠の謎として残る。と言うことなんでしょうか。歴史物語は結論が分かっているけど、その至るまでの経過をいろいろ解釈して論ずることのように思えてきました。
お蔭様で楽しみが増えました。今後ともよろしくお願いします。

投稿: hisaki | 2005年5月10日 (火) 09時09分

hisakiさん、2005年5月10日 午前 09時09分
 この回では、平さん、夏木さん、草刈さんの3人が好演でした。
 ああいういやらしさ、陰湿さを、さらさらと、目つきや舌先や態度で表現するっていうのも、文化の高さでしょうね。
 若年時は大嫌いでしたが、いまは、なんというか、いとおしいですね、人間が。どれほど権謀術策をろうしても、やがて、闇がおとずれる。対極的に義経は、陰りはあるが、清風でもある。
 このコントラストを眺めていると、芝居は、映画は、そして実人生は陰陽あって、嗚呼この世ですね。
 以前は、陰陽とは男女のことなりと、思っておりましたが、最近は、上記のように変わってきました。
 要するに、特に夏木さんや平さんは、もう、性別を超越しとります。

 Muは、草刈さんが楽しみです。妖しの公家衆を演じるに当代屈指の役者とおもっております。

 義経の美醜ですが。
 沢山の女性が惹かれたのでしょうから、美醜も超越していたと、しておきましょうか。女に「マタタビ」男だったんでしょう。短足、小男、反っ歯に、あばた面という伝承もききますが、なんであれ、1000人の美女第一位の常磐を母にして、なうての白びょうし靜の「男」なんですから、普通じゃないですよね。

 さて、5月、じっくり毎週観劇します。hisakiさんも、ごいっしょに(笑)

投稿: Mu→hisaki | 2005年5月10日 (火) 13時04分

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