さのとうえもん:佐野藤右衛門邸の桜平成十七年
佐野藤右衛門邸(京都市右京区山越)マピオンBB地図
承前(MuBlog)
今年の春も無事に広澤池近く、佐野さんのお庭を拝見することができました。
ほぼ毎年魅せていただいているのですが、それにしても、年々歳々眺めることができた、という安心感は貴重なものなのです。これを年次(としなみ)と言ってよいのでしょう。
ただ、Muもだんだん加齢と共にいろいろひとさまのことを、おもんぱかる秋(とき)となってまいりました。沢山の自動車が道にとまり、沢山の人が三脚をたて、垣根のない庭を歩いているのです。なんだか、心底申し訳なくなってしまいました。
……、と申しながらも、Muもその中の衆生のひとり、毎年ひとしきりシャッターを押し終えたあとに、ふと「お家の方々、大変だろうな。お仕事に差し支えはないのだろうか」と、気がつくしまつ。
どうしようもないな。
と、我が身を振り返り、独り言。
これを大人用語で、「忸怩」と申すのでございましょう。
さりながら。
さりながら、すばらしい。華麗。優婉。言葉がつきる。ただただ、今春眺め続ける櫻花。
今年の感想。つまり、身近であることがMuには大きいです。ほんのお隣さんの庭という安心感。そして、廻りが歴史的な、風致地区というのでしょうか、ざわざわしていません。相対的に、訪れる観光客は少ない。花を花として眺めていられる。そして、花でもない、木でもない、咲いた桜木は別種の、ある存在なのだと思いました。
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コメント
先週の土曜日、佐野さんのお庭の前を通りました。中には入りませんでしたが、大勢のカメラを手にした人たちで、にぎわっていました。
母の話によれば、私の通っていた小学校の桜も佐野藤右衛門さんの手によるもので、母はいつも”毎年、小学校の桜を見て、花見をすませておく”と言っていました。
そう言えば、小学校の時、いつも校長先生が「この学校の桜は素晴らしい。」と挨拶されていました。校長先生は「佐野藤右衛門」という名前は出されませんでしたが、子供心にもここの桜は自慢できるんだ、な~んて思いました。
(来年のリクエスト!ここまで来ておられるんでしたら、広澤池も撮ってもらえませんか?
大澤の池とはまた違う良さがあると思うんですけど・・。)
投稿: wd | 2005年4月11日 (月) 08時55分
wdさん、2005年4月11日 午前 08時55分
よく分かりませんが、まだ若い桜木に思えました。
枝振り、花ぶりが元気なんです。
なお、広澤池はここより先に撮しています。
ただ、華やかさよりも、おとなしい雰囲気だったので、桜の終わったあとに載せようと思っていました。
なんとなく、もう、終わりかけですね、今桜花も。
(Muの雰囲気的にです)
投稿: Mu→Wd | 2005年4月11日 (月) 18時04分