0503271・NHK義経(12)都と越後
今夜は都の乱れと雛の出会いとが描かれるらしい。
都では五足が清盛の目となり耳となる。これはもしかしたら、かぶろの事だろうか。当時稚児姿をした少年親衛隊のようなものが、都中を歩き回り、貴顕の家でも入り込み、平氏にあだなす「陰口や、悪口」を噂する者達を、六波羅に報告し、取り締まったようだ。禿、禿童、禿髪と平家物語にはあり、かぶろと呼ばれる。後世では、花魁(おいらん)のそばにいる少女達の髪形を、かむろとか言い、彼女らを「禿(かむろ)」と呼ぶ。五足が今夜演じる役は、そのずっと大昔の平安時代末期の話である。つまり、平安時代も江戸時代も、前髪を切りそろえたような髪形をかぶろと呼んだのが先の話しだろう、かな。今夜、五足がどんな髪になっているかは、ちょっと興味があるが、ざんばら髪のままでもそれはよかろう。
一方、どんな経緯か、義経主従は越後に旅行中らしい。その山中で従兄弟の義仲、その恋人巴に出会うとのこと。
本当は、タイトルに「義仲という男、巴という女」と記したかったが、終了前の数秒ほどの出演なら、変なことになるので、タイトルは曖昧にしておいた。それにしても、今夜は強い女(巴)に強い男(義仲)が追い回される設定らしいが、はてさて、そういえば蛭が小島の頼朝さんも、超絶強い女(政子)にねじ伏せられた設定になっている。歴史を散歩すると、いろいろなことがあっておもしろい。
ではまた後刻に。
鑑賞後
今夜は木曾冠者義仲公が顔をだされた。場所は越後というていたが、特定はできなかった。しかし放映後のご当地案内で、義仲公が育った木曽の山中が画面にでた。伝義仲菩提寺として徳音寺も紹介されていた。
徳音寺(長野県木曽郡日義村)マピオンBB地図
この地図だが、いつも世話になっているマピオンBBで引用するとき、大抵は詳細な縮尺で紹介してきた(地図の上部のボタン操作で縮尺は変更できる)。しかし、今夜は日義村があまりに山中にあるので、相当に広域の地図とした。日義村にお住まいの方が気を悪くされると困るのだが、本当に山の中である。わが父の故郷、福井県南条郡今庄町大桐も相当に山の中だが、そばに海があるので位置がとらえやすい。一方日義村は山しかない、……。ただ、この村は中央本線宮ノ越駅だと定めればわかりやすいのかも知れない。自動車だと塩尻ICから小一時間かかりそうだ。
で。
今夜は義仲公も巴御前も、言及しないでおこう。ただ、解りにくい人もいたかもしれないので、巴さんの立場については一言。要するに、巴さんは義仲の幼なじみであり、愛人であり、そして麾下の武将である。最後のことは、物語じみてくるが、平家物語の当該部分では、武勇のほどや色香のあでやかさがきっちりと記してある。話半分としても相当に美しく強い女性だったらしい。
要するに彼女の姪が義仲公の正妻となったのだが、正妻のことはMuにもよく解らない。
都での本筋はというと、平重盛が病死した。清盛は、五足(ごたり)をカブロとした。五足の髪型はたしかに、かむろになっていた。(カブロ→カムロと呼称は後世変化したようだ。)
今夜で三月終了だから、これからいよいよ義経の上京となるのだろうか。しかし、その前に義仲公の物語が幾編か語られるであろう。まさか、「義仲」が一晩で終了のはずはないが。
今夜の巴御前は、お顔がよくみえなかったので、なんとも言えない。勝ち気な女性に描かれているのだろうか。
そう。
点描だったが、清盛入道が高野山に納める曼荼羅に、自らの頭蓋の血を朱として描き混んでいくエピソードは、重盛が病の床でもうしたように、「夜叉を内にかかえた父清盛」を上手に表していた。
参考
木曽義仲・巴御前墓所 徳音寺(日本史浪漫 YUJI)[Mu註:巴さんのことも含めて、関係写真が豊富です]
義仲館
木曾冠者義仲公についてはMuBlogですでに記事がいくつかある。しかし、それを参考とするのは後日にしたい。まだ、このドラマでは、「義仲」は登場したところである。
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コメント
地図で見ると、中央本線の寝覚めの床から北上して、木曾福島の傍ですね。
学生時代に中央アルプスに登山していました、木曽駒ガ岳の麓ですね。空木岳(うつきだけ)の縦走をしていました。
駒ガ岳には千畳敷カールが存在して有名でしたね。(今もあるでしょうね、当たり前やけど)
今回は、山小屋にいましたので、テレビもラジオも新聞もパソコンも無い生活でした。
投稿: jo | 2005年3月29日 (火) 23時04分
jo さん(3月 29, 2005 11:04 午後)
やっぱり、山はお得意ですね。
Muは、どうにも地図を拡大しないと、わけがわからなかったです。
それにしても。
ここで、義仲さんが育ったんですね。感無量でした。
投稿: Mu→Jo | 2005年3月29日 (火) 23時11分