050316・20世紀少年/浦沢直樹(漫画:小学館)
20世紀少年/浦沢直樹(小学館)
以前、卒業生達に浦沢直樹「プルートウ」の大型判をちらちら見せたら、飛びついてきた(笑→漫画にですぞ)。中の一人が、最近この『20世紀少年』を、現在入手できる1巻~18巻まで見せてくれた。Muは一日かけて全18巻読んでしまった。
おいしかった。
吹田の万博、ロック、三波春夫さんによく似た歌手、ネギチャーシュー、オウムによく似た団体、少年サンデー、鉄人28号、……ありとあらゆるレトロワールドが21世紀初頭にひっついた世界。18巻では、親友隊(親衛隊ではないのがミソ)や地球防衛軍(なつかしい、ラドン世界)。
Muは大阪吹田の万博会場へは20代始めにバイクで一人走った。ケンタを生まれて初めて会場内で食べた記憶がある。コカコーラ飲みながら。~物語ではこのころの小学5年生~6年生を出発点にしている。
そこが、いわゆる、キーになっている。
よそう。
読めばわかる(劇笑)
で、味は。
最上でした。19巻以降がでるのが、待ち遠しい。つまりは、でるまで死ねない思いがする。
それにしても。写真の表紙帯には、12巻で3賞、16巻では国際賞まで受賞したことが記してあった。
12巻
第48回小学館漫画賞
第6回文化庁メディア芸術祭優秀賞
第25回講談社漫画賞
16巻
アングレーム国際漫画賞最優秀長編賞(ヨーロッパ)
賞に値するのだからうれしいが、それよりも、こういう世界を世間が評価したことがおもしろい。Muはこの漫画に描かれた時代に生きてきたのだなぁ、と長嘆息し、かつどうしてこういう世界の良さを世間は、今の若いもんはわかるのだろう? と不思議だった。
追伸
これをMuの後で全巻一晩で読破したエドルンや、忙しくて五巻までしかよめなかったM1君と話して、結局「アキラのノリをおもいだすね」となった。20世紀少年とアキラとは作風もことなるが、懐かしさが同じだった。で、家捜しして「アキラの大型判全六冊」を探し出し、くだんの貸してくれた者に「どうじゃ、読んでみないか」と言ったところ、「卒業式でピアノを弾くので、いまは無理」とかなんとか。そばにいた、これまた同類(笑)の者が素早く一冊持って帰った。この者は、危険なほどのオ・タ・クさんですかな。
というわけで、やはり、漫画は20を随分超えても、あるいは50を随分超えても、永遠のアイテムだなぁ、と思った次第にて、この記事書く。
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コメント
先生、
うちにもこの漫画、ありますよ。
でも、読んだことないんです。(^o^;
この漫画、怖い話かと思ってました。
違うんですね?
投稿: 羊 | 2005年3月17日 (木) 21時29分
羊さん (3月 17, 2005 09:29 午後)
怖いとかどうとかは人によるだろうな。
ぱらぱら観て図柄で判断してください。
猟奇性やオカルト性は、ない。
そういうたぐいでは全くない。
ただ、疑似宗教の怖さはある。
全体主義のおそろしさでしょう。
私は一気呵成に読み終えましたよ。18巻全部だと、だいたい1日かかります。
投稿: Mu→羊 | 2005年3月17日 (木) 21時49分