0502020・木幡の雪景色:雑記帳
朝から雪だった。
宇治は朝霧が有名で、まれに一寸先も見えない朝もある。しかし今朝は雪だった。
雪の木幡:午前7時ころ
まれな小雪だからこそそんなゆとりも心にわくが、毎日毎日豪雪だった(らしい)我が両親の北陸越前を思うと、その地をほとんど知らぬ末子ならではの、イメージなんだろう。
1.昨夜は、変態的なトラックバックに1時間攻撃を受けたが、ココログの適切な対応でなんとか終了した。どんなアラートがあるのだろうか、随分対応が早いと思った。記念に今朝のココログ記事を引用しておこう。
2005.02.02
2005年2月1日21:50 - 2月2日00:10 の間、ココログへのログインや記事の投稿ができない状態が発生しておりました。
現在は、復旧しております。
ご利用のお客様には長時間にわたり大変ご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
攻撃を受けたblogはどのくらいなのだろうか(まさかMuBlog 一カ所ではない)、などといろいろ気にもなるが、そういう情報が結局変態を喜ばせるのだろう。連続アクセスなんて、ウィット、機知も教養も、なにもない技だな。
2.一太郎が松下の特許侵害をしたとか。
今朝の新聞というか、昨日のラジオで耳にした。Muはジャストシステムに同情する。
しかし、複雑なので、一言ではいえない。少しまとめておこう。
2.1 一太郎は本当に、縦書き日本語ワープロとして、優秀なソフトウェアである。また日本語変換のATOKは他に比較できない絶品の、あまりにすぐれているので使っていることをわすれるくらいに、よろしい。外国かぶれのソフトマニアも日本語変換だけは、たとえマックでも、そっとATOKを入れているのをよくみてきた。
2.2 一太郎の生みの親、徳島のジャストシステム社は、現今のソフトウェア産業時代、快調とは言えない。と、噂に聞く。売れ筋が限定されているので、その点で脆弱、しかも世の中は米国産のワープロソフトがマシン同梱の形式で普及している。
2.3 なぜ日本のパソコンメーカーは、一太郎を普及させる努力をすてて、米国産ソフトウェアに偏るのだろうか。ゆゆしい問題だ。つまり、初めての利用者は、まずよほどの者でないかぎり、パソコンに入っているソフトウェア以外を知らないし、場合によっては、パソコンとソフトウェアとの区別すらしない。そういう状態の中で、横文字主流の英語を基調としたワープロソフトを「世界」として提示してしまうなんてことは、ほとんど暴挙である。
2.4 そこで松下さん。
特許問題は世界を相手にするとき、国内以上に神経を使うと言うことは、周知です。
うそかまことか、米国などは、潜水艦方式というか、特許を申請するとき外部に見せず、何十年か後に一挙に開示して、「うちは、20年前にすでに特許をみとめられておる。君の会社、うん千億の侵害をしておる」とか、あるのかどうか? こういう手合いを相手に商売するのは、大変だとはおもうが。
しかし。今度の、平成10年以来の訴訟は。
最悪のばあい、一優良な企業、ソフトメーカーを壊すというか、弱体化させる危険性もある。噂では、松下さんは勝ってもほとんどゲインはないらしい。「ジャストシステムが返事をしなかったから」とか、訴訟の理由が新聞に載っていた。「他の企業も、これで特許の大切さに気づいてほしい」とかも。新聞記事を鵜呑みにはしないが、もし松下さんにそういう雰囲気があるなら。Muならこういいたい。どうせ訴訟を起こすなら、徹底的に世界のソフト世界のガリバー的なとこにしなされ。かんぐれば、松下さん、もしかしてひょっとして、どちらさんかと手を……。
2.5 企業どうしの訴訟沙汰なんて、裏になにがあるかわからない。昔、アップル社がマイクロソフト社のWindowsデザインを訴えたが、立ち消えになった。理由は、アップル社のOSデザインが、太古のゼロックス社のデザインをいただいていたとか。
今回の争点に、すでに普及していた画面制御のうち、ショートカット方式をマウスで可能にしたのが特許侵害かどうかが争われた。Muが裁判官なら、そうじゃね。
初めてマウスが生まれたときは、革命だった。初めてキーボードが現れた時と同じように。
しかし、平成10年だと、マウスは十分に普及していた。
松下さんが、よほど斬新新規なデバイスを用いて、ヘルプ機能を利用者に使いやすくしないかぎり(特殊センサーによる、念力とか)、マウス使用可が特許侵害なんて、ヤクザの言いがかりにしか思えない。
2.6 結論
企業どうしの係争に口をだせるような、知識も経験もないが、おかめはちもく、Muのこれまでの一般則、常識からは、ジャストシステム一太郎に肩を持つ。大松下が、一体どうしたことだろう。
(ところで、自動車に車輪が4つあるの、どこかにライセンス料を払っているのだろうか。ハンドルが丸いのも?)
| 固定リンク
「小説木幡記」カテゴリの記事
- 小説木幡記:楠木正成のこと(2013.06.07)
- 小説木幡記:腰痛と信長(2013.05.28)
「Blogメモ」カテゴリの記事
- 小説木幡記:2009/12/05(土)静かなubuntu狂乱(2009.12.05)
- 小説木幡記:2009/02/05(木)Google Earthで火星を見たり、最中を食べたり、忙しい(2009.02.05)
- 小説葛野記:2009/02/04(水)朝霧の宇治からNetbook 28800円(2009.02.04)
- 小説木幡記:2009/01/06(火)年頭の失念事項(2009.01.06)
- 小説木幡記:2008/10/20(月)インターネットが消えた日:タイムマシンに乗って(2008.10.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
雪の木幡池ですか・・。
今日はどこへ行っても、雪の話で持ちきりですね。
「flower」も美しい雪の花の写真でした。
投稿: wd | 2005年2月 2日 (水) 18時30分
wdさん (2月 2, 2005 06:30 午後)
コメントや記事が最近、頭を絞るのが多くてね。
帰宅後、flowerさんをのぞいて、リフレッシュします。
投稿: Mu→WD | 2005年2月 2日 (水) 18時55分
今日は関西は雪だったんですね。雪見で一杯ですか。
京都、奈良で雪は珍しいですよね。関東は、晴れていましたね。日本海側と東北以北が大雪の様子です。
今回のジャストと松下の特許紛争については、詳細は知りません。この手の話は難しいですね、日本も段々とアメリカみたいになりつつありますね。(訴訟戦争)
しかし、そろそろ梅が咲き始めたでせうか?春が待ち遠しいですね。
投稿: jo | 2005年2月 2日 (水) 20時28分
私がパソコンを始めたのは、昭和61年で、一太郎のVer1だったと思います。あの頃、一太郎を使うことがパソコンが使えるということでした。オールドフアンには、一太郎と義経をダブらせた方が、法律より分かり易いように思えてなりません。
投稿: hisaki | 2005年2月 2日 (水) 23時38分
いい写真ですね
木幡の彦さんのお家から写したのでしょうか。対岸にずいぶん沢山の高層の建物が見えますね。あれは以前お邪魔したときにはありませんでした。という気がします。
同時に手前に木の影が写っていますね。木たちも大きくなっているのですね。
コメントはたまにしか書きませんが21世紀の京都、奈良の絵巻物風になってきているので実はフムフムと鼻を蠢かしているのです。その調子、その調子とね。
投稿: ふうてん | 2005年2月 3日 (木) 02時16分
joさん (2月 2, 2005 08:28 午後)
昨日の京都は葛野キャンパスも、昼食を取った喫茶店も、雪だるまがありました。圧倒的な温度差が宇治と京都市内山際にはあります。
木幡で小雪なら、京都市内の右京区なんか道路が雪雪でしたよ。
「訴訟戦争」は米国の持病でしょうね。米国が亡国にいたるとすると、弁護士が国を滅ぼしたということになると思います。
本邦も国際化の中にいるかぎり避けられないのでしょうね。
投稿: Mu→Jo | 2005年2月 3日 (木) 03時21分
hisakiさん (2月 2, 2005 11:38 午後)
一太郎と義経との関係は、ともに一世を風靡したが、現実世界では脇が甘かったという評語でしょうか。
考えてみれば既存の企業と、ご夫婦二人で始めた企業とが、あっというまに共存する方が無理なのかも知れませんね。
ともかくATOKが無くなると困るし、今回の2月10発表の新一太郎もすでに予約すみだし、なんとか無事着地をねがう次第です。
なによりも、某国某社の世界戦略にすべてが巻き込まれることを一番嫌っているのです。そこに日本の企業がやすやすと波乗りしてしまう姿も、すっきりしません。
私も、一応普通の判官贔屓のようです。
投稿: Mu→Hisaki | 2005年2月 3日 (木) 03時32分
ふうてんさん (2月 3, 2005 02:16 午前)
若い頃のリアルな夢を思い出すと、現在それをトレースしている気分ですね。
好きな車に乗って遠出して、風景と歴史をながめ、写真にとって、家に帰ってじっくり紀行文を書いて、それで食べて行かれれば言うことなし、と夢に見ていました。
下手の横好き。この気持は痛いほど自覚できますね。我ながら、blog操作とか構造化は「好きこそ物の上手なれ」と実感しますがね。このMuBlogの構造は、まるでプログラミング作法そのものなんですよ。昔のCとか、Pascal でコンテンツ関係を表現することさえ、脳内でしておるのです。
そんなこんなで、行き着くところは住み着いた古都の風情になるのでしょうか。ドライブ好きとは言っても神経質だから檀一雄さんみたいに世界を彷徨することはゼロですが、近所をこつこつしかしかと行き来することは、死ぬまで続きますね。
で、意外な再発見。
私は、どうにも、文学よりも歴史が好きなようです。Joさんによって触発された面も最近は多いが、自宅の本箱って、純文学はおろか、ミステリもすくなくて、あるのは膨大な古代史図書なんです。学術からトンデモまで。
MuBlog 書いていて、呆れております。
だから、ふうてんさん好みの古都絵巻物は、きっと自然に書き継いでいくのだと思います。
投稿: Mu→ふうてん | 2005年2月 3日 (木) 03時42分