0501161・NHK義経(2)常磐夜叉
原作が宮尾さんという女性の故にか、あらかじめ身構えていた肉親男女愛憎模様が色濃くでてきた今夜の義経だった。こういう世界を、嫌いだと大人げなく語ることはよしておく。ただ、苦手である。だから、さけてきたし、これからも「好み」とはけっして申さぬだろう。
義経の幼少役は上手だとおもった。なぜかわからぬが、うまくいった配役であろう。
常磐を夜叉と難じた時子の顔形はおそろしかったが、たしかに常磐は夜叉かもしれない。
それは仇なす、つまり夫を殺した男に身を任すというような話ではなく、常磐という女優の目の動き、顔の向け方、そして時子の味わう恐怖、そして平宗盛(時子の実子)と清盛との絡みの上からである。
義経は麒麟児だったのだと思う。時子は恐怖を味わったことだろう。
物語はまだまだこれから。
語りがすこしづつなめらかになってきたようだ。つまり、抑揚が心地よい。いずれあの声が、平家滅亡のおりにはデルファイの神託のように地の底からわき上がる呪詛に変わる予感。それが緊張を強いる。
次回から、鞍馬になるのだろうか。どんな経緯、どういう風に牛若は義経になったのか。また、観てみよう。
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コメント
清盛は秀吉と同じく、貿易立国に目覚めていた政治家だったんですね。福原遷都の構想です。
その後、東国武士が天下を握り鎌倉、江戸へと益々鎖国の道に邁進した。勿論、大陸の政治情勢の変化もあるんでしょうが、清盛は海人族の政治をしようとしたんでしょうね。
今夜の、女性の嫉妬のような流れはあまり好みません。しかし、清盛役の役者は格好いいですね。
投稿: jo | 2005年1月16日 (日) 22時47分
joさん (1月 16, 2005 10:47 午後)
貿易立国の清盛、秀吉、ともに政権が短命だったのは、理由があるのかな。自由な発想が育たないとか。
事例が2件では検証できぬか。
ドラマ。
新撰組が若者好みなら、義経は年配女性好みで、来年は年配男性好みなのかもしれないな。
ただ。一般論であって。いろいろあるし。
すこし、楽しみます。
投稿: Mu→Jo | 2005年1月17日 (月) 04時59分