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2004年12月23日 (木)

日本・歴史・古代:白鳥伝説/谷川健一

白鳥伝説 / 谷川健一著<ハクチョウ デンセツ>. -- (BN01015199)

白鳥伝説/谷川健一
 東京 : 集英社、1986.1
 542、21p ; 20cm
 注記: 略年表: p536-542
 ISBN: 4087725480
著者標目: 谷川、健一(1921-)<タニガワ、ケンイチ>
分類: NDC8 : 210.3 ; NDLC : GB161
件名: 日本 -- 歴史 -- 古代

所蔵図書館 80[2004/12/24 By NACSIS Webcat]
Amazon.co.jp[再刊・小学館版、1997]

帯情報

ヤマト政権成立以前に存在したヒノモトの国。その千年に及ぶ大移動を東国・みちのくに追う。

四世紀初め、邪馬台国が筑紫から大和へと進入したとき、そこにはすでに物部・蝦夷の連合国=ヒノモトがあった。以来ヤマト政権に追われ、東北へと移動するヒノモトの国--東国に散在する”白鳥”の人名・地名に隠された列島先住民の足跡を探り、日本の深層を掘り起こす。

目次

序章
○山人研究--柳田国男の初志と転回
○蝦夷の中を吹き抜ける縄文の意識の嵐
○夷狄の末裔を以って任じる秋田氏の衿持
○東北地方にみる白鳥信仰
○移動する「白鳥」に秘められた謎

第一部

第一章 ひのもと考
○『古事記』序文も不詳とした日下の訓みの由来
○万葉歌に示された太陽・草香山・難波の相関
○太陽の昇る難波、その東の日下
○天磐船で空をめぐり地に降ったニギハヤヒ
○ヒノモトノクサカを背景にもつ日本の国号
○中国の史書にみる倭から日本への移行
○ヒノモトはクサカからヤマトヘ、そして東北へと移動する
○蝦夷の住む陸奥および常陸の日高見国
○ヤマト政権の東進に絡むヒノモトの変遷

第二章 物部氏の東遷
○東アジア二ー四世紀の動向
○筑紫平野を制する強大な国
○邪馬台国の中心は筑紫三井郡
○邪馬台困の領域と重なる物部氏の勢力範囲
○物部氏東遷をめぐる諸説の検討
○物部=工人の東遷と符合するニギハヤヒの降臨
○天磐船に乗って畿内に来た人々
○同乗者出自地にみる物部氏の東西交通
○ニギハヤヒの系譜
○物部氏の痕跡(一)遠賀川中流の剣神社
○物部氏の痕跡(二)六ヶ岳への宗像三女神の降臨
○物部氏の痕跡(三)人名・地名としてのクラジ

第三章 邪馬台国の東遷
〇二波にわたる筑紫から大和への移動
○倭国内乱に影をおとす魏と呉の緊張
○倭国風俗にみる南中国との交流
○筑紫より日の本ヘ主力は東遷する
○イリ王朝の大和侵人--二人のハツクニシラススノラミコト
○イクメイリヒコ(垂仁)と関わる伊支馬と生駒
○物部氏を母系とするイリ王朝の創始者たち
○神武東征をはばむ生駒のナガスネヒコ
○南方に迂回し、熊野から吉野へ
○大和宇陀の水銀鉱山を背景に抵抗する一族
○忍坂へ、そして磯城へ
○物部・ナガスネヒコ連合軍の敗北
○久米部とエミシとの戦闘
○エミシの語義をめぐって
○大和の国魂ニギハヤヒを祀る者は誰か
○征服地の国魂を祀る二重の宗教構造
○ニギハヤヒと妻ミカシキヤヒメの廟社
○鍛冶氏族の祀る雷神の系列に連なるニギハヤヒ
○もう一つ、鍛冶氏族には鳥の伝承がまつわる
○鳥取氏の先祖アメノユカワタナの役割
○祖先を白鳥と考える物部氏の意識の流れ
○銅剣の柄頭にあしらわれた白鳥の意匠
○フツ・フルに辿る物部氏=渡来民族としての出自
○ニギハヤヒ=日神を祀る天照御魂神社
○銅鐸・銅鏡の製作と物部氏
○銅鐸の破却は何を意味するのか
○大和における弥生終末期の大変動

第二部

第一章 ヤマト政権の東国進出
○ヤマトタケルの東進を阻む駿河の賊・国造
○駿河の国中・阿倍蘆原国に集う蝦夷
○相模から房総、常陸へ
○近江から東海に勢力を張る物部系国造たち
○物部氏はなぜ東方へ向ったのか
○物部・阿倍氏の密接なつながり
○大嘗祭における安倍氏の服属儀礼
○異族を組み入れる阿倍氏の系脈
○阿倍氏は物部と蝦夷の混血氏族である
○降臨説話をもって常陸に勢威を張る物部氏
○東国進出への二つの道--東山道と東海道
○毛野国における物部氏と蝦夷の痕跡
○会津で出会う一族--蝦夷馴致政策の進展
○丈部の阿倍臣改姓の微妙な心理
○アラエミシとニギエミシ
○蝦夷経営の前線に立つ氏族

第二章 異族の神・ヤマトの神
○辺境に点在する古四王の神
○越王と古四王との交錯
○弥彦紳と古四王神の関連説
○越後・弥彦と秋田・古四王を結ぶ物部氏の足跡
○蝦夷鎮圧と鍛冶集団の奥州進出
○自然神の貌をもつ東北の神々
○鳥海山の大物忌神と月山の月山神
○母屋を追われ庇にとどまる神
○門客人神・アラハバキの性格
○蝦夷をもって蝦夷を制す--荒ぶる神の役割リ
○武神・鹿島香取両神の陸奥進出
○地名が語る蝦夷と畿内勢力の消長
○物部氏北進の拠点--異族制圧のための神社
○陸奥における物部氏の神
○岩手県唯一の前方後円墳・角塚と止止井神社

第三章 奥州安倍氏の血脈
○二つの系図が語る奥州安倍氏の歴史的意識

第一の謎  安日について
○ナガスネヒコの兄安日を始祖として創出した心理
○安日・安倍はアイヌ語のアベ(火)に由来する
○安倍と阿倍を結ぶ物部氏
○柵経営の二重構造
○阿倍比羅夫の北征
○二戸市とその周辺の蝦夷たち
○十世紀後半に安倍氏は奥六郡に勢威を確立する
○奥六郡在地の蝦夷と結ぶ鎮守府将軍の物部・安倍氏

第二の謎  白鳥八郎について
○前九年の役--安倍氏拠点の崩壊
○白鳥八郎の伝承
○白鳥大明神(刈田嶺神社)を支える白鳥信仰
○刈田嶺神社の神階を特進させた西国の事件
○鷹と白鳥--大高山神社とは何か

第三の謎  常陸白鳥郷について
○津軽藤崎へと北上する白鳥伝説
○津軽から常陸へ移動する安東氏
○『常陸国風土記』白鳥の里の歌と折口信夫の解釈
○鳥取造アメノユカワタナは金属精錬に関わる
○常陸国白鳥郷にて
○常陸の俘囚、神賤、浪人とは何か
〇二つの白鳥郷を結ぶ移住者の意識の連鎖

第四の謎  日下将軍について
○李朝に使節を遺した「夷千島王」とは何か
○日下将軍・安東尋季は東海の要所津軽十三湊を拠点とする
○奥州=ヒノモト説を支える安東氏の河内胆駒への郷愁
○つぽのいしぶみ--奥州ヒノモトの意識は平安末にさかのぼる
○阿倍臣の北征とオホーツク文化の南下
○擦文文化とエゾ仕会の重なり
○奥州・ヒノモトの中心は北上する

終章
○列島を覆う日本国=物部王国と倭国=邪馬台国の重構造
○秋田家(安東氏)のエゾユミに見る縄文の伝統
○えぞの手振のむかし--理訓許段神社のイナウ
○秀衡寄進の仏像を守る岐阜白鳥町の人びと
○平泉藤原氏の白山信仰の深部にあるもの
○歴史を回帰する意識--聖なる生き物・イルカや白鳥
○物部と蝦夷と共に北進し回帰する白鳥の里
○律令同家の支配意志と蝦夷・隼人の抵抗
○東北地方再編成の施策--城柵と移民
○”東北”に縄文の意識の連鎖を読み直す
○日本歴史の地平の彼方へ

あとがき
略年表
人名・神名索引
寺社名索引
秋田氏系譜/藤崎系図

Mu注記
参考記事
  青銅の神の足跡/谷川健一[MuBlog]

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コメント

谷川先生のこの本は読んでいませんが、ほぼ私も同じ考えです。目次を読んでいて、そう思いました。

もともと、ニギハヤヒ(物部氏祖先)が渡来系として大陸、朝鮮半島から日本列島に基盤を築いていたんでしょうね。

それから、何波にも渡る九州方面からの大和への東遷が存在した。中国と朝鮮半島の動乱による影響でしょうね。

民俗学とは人々の記憶を逆上る学問だと思います。些細な事、日常の風習、食事、葬送、地名、ありとあらゆる空気のようなものを、分析する学問ではないでしょうか。

白鳥伝説は以前に私も、『鴫立つ沢の秋の夕暮れ』で書きましたが、白川先生が述べておられるように、中国では古くから渡り鳥には特別な『霊魂』を見ていたんでしょうね。

いずれにせよ、物部氏の先祖は出雲王朝・三輪王朝であったと思います、日本海沿岸の出雲から越の国迄を押さえ、山城から奈良三輪山を本拠地にして、瀬戸内海航路も押さえた、大きな王朝であったんでしょうね。

投稿: jo | 2004年12月24日 (金) 11時26分

joさん、 (12月 24, 2004 11:26 午前)

*今朝は、JoBlog デザインに難癖つけてすみませんでした。しかし、巨大写真がなくなったのは寂しいですが、目次から一発でジャンプして、気持がよいです。また、小さな写真を載せられたらどうでしょう(笑)

@遅きに気がついたと思うのですが、谷川健一さんのお仕事は相当なものですね。この白鳥と以前の青銅の目次を読んでいるだけでもふるえがきます。本当の研究者だと思いました。青銅の目次は年内にblogに掲載しておきます。それにしても、目次入力で肩をこわしそうですが。大部で精緻な目次ですね。

@Joさんのお説を思い出しながら、この白鳥目次もいれておりました。手入力とスキャナーの両刀ですね。片方だけでもむりです。ただ、Jo説が目次に絡まって、困りましたよ。
@「民俗学とは人々の記憶を逆上る学問だと思います。」この台詞、よろしいな。Muなどはミステリに応用したいです(笑)
@谷川さんの、この本を眺める限り、九州と関西だけでは古代史は明確にならない、と思いました。陸奥ですな。九州でさえままならないのに、Muは旅費が心配です。

投稿: Mu→Jo | 2004年12月24日 (金) 11時55分

いやいや、東北だけではすみません。

古代の朝鮮半島、渤海地方、長江下流域、オホーツク、ウラジオ、遂にはカスピ海、黒海迄行かないと判らんやろな。

これは、巡礼の『逆打ち』にあたりますかな? 危ない、危ない・・・・・。

投稿: jo | 2004年12月24日 (金) 13時08分

joさん (12月 24, 2004 01:08 午後)
 そういえば、DNAか、なにか忘れましたが、日本人の源流が遠く黒海までいくとかいう話、どっかで耳にしました。
 すくなくとも、オホーツクあたりまでは、痕跡があるのでしょうね。
 それと、長江文明でしたか。
 世界は広いですね。

*言葉はどうなっていたんだろう?

投稿: Mu→Jo | 2004年12月24日 (金) 16時11分

そうそう、最近のDNA分析で日本人のルーツが黒海沿岸まで遡りましたね。

マンモスを追っかけて、日本列島迄辿りついたんやね。氷河期の頃やね。骨に細かい黒曜石をカミソリのように埋め込み、狩の道具を作った人々ですね。

言葉は、100年で変わる、今でも青森とか鹿児島の人の言葉は判らん。そんなもんや。

せんせも、女学生のお言葉、判りますか?判らんやろな~~。

しかし、人間の記憶の何処かに痕跡があると思う。

投稿: jo | 2004年12月24日 (金) 23時40分

私、忘れてましたが、谷川先生の本”日本の地名”を記事にしていました。

http://akatonbo-jo.cocolog-nifty.com/jo/2004/06/post_19.html

確か、白鳥伝説の話を紹介したような、記憶が有りました。

投稿: jo | 2004年12月25日 (土) 17時51分

joさん、 (12月 25, 2004 05:51 午後)
 ご無沙汰しとりました。数日コメント返しをしないだけで、数年間お会いしていないようなきになります、わい。

 多分、Muはセリアル(数日前、パソコンショップで、「お客さん、シーリアル・タイプのディスクでよろしいですね?」といわれた。世間ではシーリアルというようや)タイプなので、日中の仕事が詰まってくると、全部記憶からなくなるようやね。パラレルな人は、錯綜しても、全部覚えておられるようですな。

 で、おぼろな記憶でMuBlog を開いたら、JO さんのコメントがあったという、落ち。
 ありがとさん。

投稿: Mu→Jo | 2004年12月26日 (日) 12時01分

先輩、パソコンいじってますな?ビデイオ編集とかDBの構築とか、色んなこと忙殺されてるな?

私は、そろそろ”秋葉”に出かけます。飛行機がセールしてるらしい?2~3軒の店を物色して、安いものあれば買います。

夜は、私の姉夫婦が都内のホテルに入るので、米国ニューヨークで仕込んだ、赤ちゃんのお祝い宴会。

年末の掃除をする暇が無い。明後日は馬鹿息子が帰国するので、掃除が必要やけど、面倒くさい。

投稿: jo | 2004年12月26日 (日) 12時38分

そうそう、MuBlogで新年の初詣が出来ると宜しいな~~。

京都の神社とか奈良三輪の神社に行かんでも、ここで初詣。え~~話やと思うけど。

残念ながら、お賽銭がチャリンとはいかんとこが、残念やね。しかし、この話は儲からんかな~~?

ひょっとすると、今ごろはMuの旦那は初詣用のblogを製作してるんやないやろな?隅におけん親爺やからな~~。

投稿: jo | 2004年12月26日 (日) 12時53分

 MuBlogで初詣?

 怖いなあ~~。Muさんは皇帝らしいですけど、遂に神さんにまでなられましたかあ~。

 元日は、ほんとに「三輪神社」に初詣、二日は、京都「北野天満宮」に初詣というのを数年続けています。今のところ、大国主命さまと菅原道真さまはケンカなさることなく、両方でお守りいただいてます(笑)。

 それにしても、最近Muさまのお出まし少ないなあ~。

投稿: wd | 2004年12月26日 (日) 21時32分

joさん (12月 26, 2004 12:53 午後)
 お見通しのようなので、……
 
1.最近ハードディスクを、250GB増設しました。合計410GBになりましたが、ネットを観ていると400GBも流通し出しました。

2.パソコン用にTVチューナーも買いました。これは便利ですね。

3.大晦日から正月にかけて京都や宇治を撮ろうとは思っています。

*.というわけで、Jo さんの筋書き通りの人生を歩んでおります。怖いな。なんでもわかるお人や。

@.しかし、筋書き通りの人生はおもしろないです。予知したら、予知の内容が未来に干渉する。だから。上記1,2,3がそのままとは、限りません。

さて。どうなるのでしょうか。

投稿: Mu→JO | 2004年12月27日 (月) 02時53分

wd さん(12月 26, 2004 09:32 午後)
 元日が三輪さんで、二日が北野天神さんですか。
 外国の人とか、カンサイに無知な人が聞いたら、三輪さんと北野天神さんとは、隣近所と間違うかも知れないな。
 しかし、大物主さんと道真さんでは、だいぶ雰囲気が違うようです。

 Muはおそらく、八坂神社でしょうな。祇園石段下の写真を掲載できるかどうか。おけら参りが写せるかどうか。そのまえに、夜、起きているかどうか、不確定要素がいっぱいあります。

 

投稿: Mu→Wd | 2004年12月27日 (月) 03時02分

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