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2004年12月17日 (金)

グーグル『巨大電子図書館』

 平成16年12月15日(水)の夕刊に、刺激的な記事があった。

 グーグルが『巨大図書館』に;5館と提携:デジタル化(産経新聞)
 記事では、欧米の有力図書館が所蔵図書の全文をディジタル化し、インターネット検索や閲覧に供する予定らしい。Googleがどのような提携をしたのか詳細は知らないが、グーグルの資金が投入されるとすると、検索エンジンの採取対象エージェントとして、グーグルに限定されるのかも知れない。要するに、Googleを使うと世界有数の蔵書を我が家に持つに等しくなる。
 著作権については、英国オックスフォード大学は1900年以前の出版物のみを公開するようだ。これだとクリアできるようだ。よって、それ以降はグーグルが各出版社とオンライン公開許可のライセンスを得るのではないかと推測されている。
 米国スタンフォード大学、800万冊。すべてに合意。
 米国ミシガン大学、700万冊。すべてに合意。
 米国ハーバード大学、米国ニューヨーク公共図書館は、試験的に一部蔵書の公開。

 グーグルのメリットは、検索エンジンの排他的データ利用(可能かどうか不明)、広告収入(可能だろう)、出版社との連動による新刊書購入広告(可能)。などが、新聞記事では予測されていた。

論評
 さて。吉事である。が、グーグルに独占使用となると、人類史遺産が相手だから、悶着が起こるだろう。
 しかし、これらの全図書をディジタル化するとなると、相当な資金が必要だから、各国文教政策では対応出来ぬであろう。企業はその点、強い。メリットがあるとなると、相当な資金投下も覚悟するのであろう。
 ああ、これは提携内容が分からぬから、推測である。
 各図書館も応分の資金をだすのだろうか。うむ。産学提携対象機関とか軍事に比較すると、どこの世界も図書館にはなかなか、國からも企業からも、資金が集まらない。だから、グーグルが動いたのかも知れない。グーグルにとっては、長期戦略として、適切なデータの安定供給は死活問題である。現在、世界でインターネット利用は、たしか7億人程度らしい。概算では人類人口の2割である。
 しかし、
 どんな場合にも、カスデータの集積からは、カスしかでてこない。
 人は、便利であっても、結果がカスにはあきる(笑)。
 そういう意味では、米国一流の奇想天外(おおげさかな)な決断かもしれない。

参考記事
  Google、図書館の蔵書も検索可能にするプロジェクトITmedia News
  Google、書籍のデジタル化で学術機関と提携——蔵書検索も可能にITmedia News

 スタンフォード大学は、Muも昔興味をもって、あれこれと記事を作った。しかし恥ずかしいので、リンクは付けない。スタンフォード大学やミシガン大学は、米国電子図書館プロジェクトの対象大学だった。

Stanford and Google to make libray books available online

Stanford University today announced an ambitious plan to cooperate with Google Inc. in digitizing hundreds of thousands, perhaps millions, of books from the shelves of Stanford libraries and making them available to readers worldwide and without charge. ……

 このスタンフォード大学図書館のアナウンス記事末尾には、「Google was founded in 1998 by Stanford doctoral students Larry Page and Sergey Brin……」とある。要するに、スタンフォードの院生がそもそも、グーグルの発端である。
 と、なると当時スタンフォード大学に目をつけていたMuの△眼、いかばかりか。おお。
 調子にのって、当時のペーパーをちょっと参考に。

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コメント

 愉快なニュースですね

 Googleが今の当方の辞書となっています。広辞苑も英和辞書も何もかも大昔のものしか我が家には存在しません。分からない時は(Googleに聴け)ピリオドです。

 この彦さんの記事を読んでテッド・ネルソンのザナドウを思い出しました。20年ほど前から彼は、やがて高速のマルチメディア・ネットワークで世界のあらゆるコンテンツがアクセス可能になる、という風なことを唱えていたようですね。

 10年ほど前に千葉の幕張メッセでマルチメディア国際会議というようなものがあり、JOさんと一緒に参加しましたが、その時テッド・ネルソンも来日していて我等が人丸どのと同じパネル・ディスカッションで登場しました。

 予想した通り何を話しているのかよく分からなくて、後で人丸どのに聴くと、そうやろねと答えました。

 しかしなんですなあ、この記事を読ませて貰って、いよいよそういう時代に一歩踏み込んだのだなあと感慨深いものがあります。Googleがねえ、アメリカ中の図書館の全ての本をあなたのご家庭にお届けしましょう、とねえ。ついでにルーブルやらゴヤやらの美術館もお願いしたいものですなあ。

 このところの先生の記事、リキはいっていますね。

投稿: ふうてん | 2004年12月18日 (土) 01時57分

ふうてんさん (12月 18, 2004 01:57 午前)
 ネルソンとか、エンゲルバートとかきくと、いまだに心がふるえます。

■テッド・ネルソン
http://jp.selfhtml.org/intro/hypertext/geschichte.htm
http://www.wizforest.com/OldGood/xanadu/
■ダグラス・エンゲルバート
http://kohiyama.wem.sfc.keio.ac.jp/system/multimedia/3-2/DouglasEngelbart.htm

 ともあれ、人類史においてほとんどのことは過去になされており、埋もれている。初出、未見のものはおそらく数パーセントでしょうね。
 埋もれている過去をきっちり整理整頓し、知識の樹を作り上げる。
 その深い人類史の森を散歩するだけで、生涯かけても、まだ数パーセント散歩したことにしかならないでしょうね。

 Googleの創業者達は、西海岸のスタンフォードですから、その広大なキャンパスで、若い頃夢を育ませたのでしょうか。
 日本も、せめて国内出版物は、Googleないし、別途検索エンジンのサーチ対象にしたいものです。
 そして、Muなんかは、サーチするだけじゃなくて、対象の全体構造を目で見えるように、はっきり可視化してみたいですね。
 ……、ああ、ちょっと時間切れの人生かもね。あははは。

投稿: Mu→ふうてん | 2004年12月18日 (土) 04時33分

 先生、まだ時間残ってます

 スタンフォード大学のあるところの街はパロ・アルト言います。昔ボストンのあと西海岸行って、サンノゼやらロスアンゼルスやら落ち着かなかったとき、パロ・アルトの喫茶店にはいって並木道見ながらコーヒー飲んでやっと落ち着いたの覚えています。

 京都はボストン、パロ・アルト、あえて言うと我が国立に似てる思います。学生さんがようけおります。そういう街で、先生してはる。めったにない幸せや思います。

 先生、まだ先は長ごうございます。先に生きたから(先生)いう説もありますが、中国語では先生は若くても(老師)いうんです。先に生きてもよろしいし老熟してもよろしい。いずれにせよ先生にはいつまでも教えてほしい思います。

 日本のザナドウ、いえ京都の、平安京のザナドウ見たら言うことありません。シソーラス風に、春の気配が、とか、ハモの季節やで、とかいって
平安京の全てに遊べるような。その平安京は時空を超えて今の京都でもありましょう。

投稿: ふうてん | 2004年12月18日 (土) 06時17分

ふうてんさん (12月 18, 2004 06:17 午前)
 さすが、ふうてん老人日記作者ですね。
 おもわず、人生感傷に引きずり込まれてしまいました。

 パロ・アルト。実は、2002年西海岸に行った時ね、ロサンゼルスとバークレー分校(カリフォーニア)は見学したけど、あえてスタンフォードは避けました。後の楽しみのために。
 スタンフォードのことで、あれこれ調べなさいとN大先生に指導を受けたのが、1990年初頭でした。

 おもえば。
 ものすご、疾風怒濤の中年期でありました。1990年代の10年間、ねてもさめても電子図書館でした。一番おもろかったのは、ザナドウのネルソンさんでしたね。あのひと両親が監督とか女優?とか、……。めちゃくちゃな感じがして、それがおもしろかった。で、ハイパーテキストからハイパーメディアへMuは考え込んでいったのです。

 さて、ふうてん梅翁さん。
 まだ、時間があるのかな。
 あるなら、ザナドウは平安京であり、三輪山でしょうな。
 MuBlogがいつか、ザナドウになるように、いましばらく、余生、やっていきますぜ。

 ともかく。
 男達の挽歌でありまする。

追伸
 2005年は、Townsについて、生きている間に記事をいくつか残します。ふうてんさんも、元気なままで、実作者、基本設計者として、貴重なコメントや記事を沢山くださいな。あのね、ご存じとおもうけど、1990年代のMuのハイパーメディアの基礎は、すべてTownsによって検証していたんです。
 ありがとうさん。おおきに。

投稿: Mu→ふうてん | 2004年12月18日 (土) 07時40分

20世紀はコンピュータの時代、21世紀はインターネットの時代と歴史家は判断するでしょうか。

まさに、世界史を変える可能性がありますね。人間の知的活動はいったい、何処まで進化するんでしょうか。

今のインターネットではMuさんの言うように、カスのデータが多い。しかし、中身のあるデータが検索可能になれば、話は違う。

中身のあるものが、正当に評価される時代が到来しているのかも知れんな~~。さすれば、自動翻訳もかなりなレベルに来ているので、ちゃんとしたものを記述すれば、数世紀先までコンテンツが残りますね。

お互い、頑張りましょう。

投稿: jo | 2004年12月19日 (日) 08時14分

joさん (12月 19, 2004 08:14 午前)

 関西語は自動翻訳できるかな。
 日本語がもう少し広まるとうれしいが。
 
 膨大な図書情報が蓄積されて、高次の検索システムが熟成していくと、実のある情報や知識を得られます。
 理解するのに、忙しくなりそうですね。
 2010年ごろには、日本の主要な図書も含めて、人類のツールになっていそうな気がします。
 社会も、教育も、文化も、多少変化するでしょうね。

投稿: Mu→Jo | 2004年12月19日 (日) 09時13分

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