日本・文学・小説:京は人を賤うす/中谷孝雄
帯情報
本年度[昭和44年度:19回『招魂の賦』の受賞をさす]芸術選奨受賞記念出版
「中谷孝雄氏の「京は人を賤うす」など、一連の作品は、物語の場を主として王朝の時代に移しながら、人間の流れの中に、その時々の、男女の心と姿を、泡沫のように、浮かべたり、沈めたりしながら、その流れの音に聞き入る道をそっと教えさとしてくれているように見える。その愚かさも、その美しさも、そのあわれさも、その雄々しさも、ひとしく日本人の血肉として昇華されており、まるで落花を地に散りしくように、惜しげもなく、物語の中に繰りひろげられている。」 檀一雄
「「若き日の詩人」にみられる不羈にして清冽な青春性、「才女の運命」にみられる女心の匂い立つ艶麗さ……それらの忘れ難い作品のいくつかが、ここに一本にまとめられたことは、私自身の喜びでもある。作中の人物の人間感情が、これほど馥郁として湧出してくる歴史小説は他にない。私たちがこれらの作品に深い酔いを覚えるのは、一に作者自身の、人間と文学の清韻によるものだろう。従って読者に甘美な浄化作用をもたらすのである。」 伊藤桂一
目次情報
京は人を賤うす
敗者の歌
才女の運命
妄執
若き日の詩人
あとがき
著者略歴
「明治三十四年十月一日三重県に生まれる。第三高等学校を経て、東大独文科中退。大正十四年一月梶井基次郎、外村繁らと同人雑誌『青空』を創刊。昭和十年三月保田与重郎、亀井勝一郎らと『日本浪漫派』[Mu註:日本浪曼派]を創刊。昭和四十四年四月芸術選奨を受賞す。主な作品に「春の絵巻」「むかしの歌」「旅情」「業平系図」「のどかな戦場」「招魂の賦」などがある。」 奥付より
Mu注記
装幀は棟方志功。
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