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2004年10月24日 (日)

ミスター・スタンプス・ワインガーデン:MSWG[その2]パンと葡萄酒

六本木のワインガーデン[その2]パンと葡萄酒(東京都港区六本木4-4-2)MSN地図

フランス風1996年ワイン
 昨日の記事[その1]に続いて今朝はパンと葡萄酒について記しておく。なぜパンと葡萄酒なのかは記事末尾追伸に記しておいた。
 さて暫くして梅翁が選んだワインはこの写真のものだった。
 私に美味しかったのか、まろやかだったのか、芳醇でしたか、などと聞かないでほしい。日頃は国産ワインを飲んでいるだけなので、異国の品々を味わい分ける経験もない。ただ、雰囲気の中の話としては、これがないと話にならない、これをたとえ三口でも舌にのせないと、行った甲斐もないと。それくらいは分かったつもりだ。
(ところで、夏にJOさんからフランス南部の上等極まるワインをいただいた。これは木幡でリラックスして飲んだので、味わいを覚えている。もう一本飲めば味覚データベースに完全に格納されるであろう)

酒棚
 これは座った席から、途中の板の仕切りのスリットを通して撮してみた。いわゆるコニャックとかブランデーとか、そういうものもあるのかもしれない。それにしても、JOさんの別のコメントでは、この店のおじさんはワイン類に相当な愛着があるらしい。だからおいてある酒はそれぞれに、高度な味わいを持っているのだろう。想像である。

 食事だが、梅翁が店のおじさんと話していたが、内容は分からない。ヴィジュアル系のギャルソンというのか、給仕さんというのか、かっこいい青年がつぎつぎと運んでくれた。この青年とおじさんだけでも、うちの若い学生達なんぞ連れて行った日にゃ、「もう帰らない。センセ、先に帰って」となるだろう(激笑)
 で、いくつか内容を写真で掲載するが、品名など私に分かるはずがない。
 ただ、写真を撮るのも忘れたほどに感動したのは、実は魚料理だった。鯛の切り身を焼いてソースがかかっていて、その上にカナダ産の松茸が載っていた。これは、絶品。木幡でも一度試してみたい。

A:洋風軍艦巻き

 なんかしらないが、軍艦巻きと思って食した。

B:洋風美味しい物

 これこそ名状しがたき珍品なり。だいたいこの類のものが好きなんだ。


C:洋風牛肉野菜チラシ皿
 おそらくヒレ肉なんじゃと思って、パクリと二口でぺろり。私は、類い希なるステーキ好きで、アメリカンな素の塩かけも好きだが、こういうフレンチ風も好きだ。しかし後で、ラムでしたと言われると辛い。そうそう北方謙三水滸伝では、ラムが最高で、次が牛肉、そして豚肉となっていた。そういえばラムの上等なのは北海道にしかないと聞いたこともあるが、ワインガーデンのステーキでそんな話は与太話と思うまもなく、野菜もぺろり。
 最後に出た珈琲も、美味しかった。レストランの珈琲は大抵期待しないが、ここは梅翁、おすすめの薫り豊か味わい深いホットコーヒーであった。
 うむ、総てに満足。

追伸
 この記事のタイトルに「パンと葡萄酒」としたが、これはキリスト教史におけるそれではない。19世紀にドイツ浪漫派詩人、フリードリッヒ・ヘルダーリンが、Brod und Wein(ブロット ウント ヴァイン)つまりパンと葡萄酒という長編詩を残している。私はこの詩が好きで学生時代に原詩を暗唱していた。また前後してハイデッガーもこの詩を中心にして「乏しき時代の詩人」という論説を残していたのを知った。だが話がそこへいくと、ハイデッガーとナチの問題や、ひいては笠井潔さんの長編『哲学者の密室』や、最近は京極堂のオンモラケ(漢字が書けないのですぅ)まで吹っ飛んでしまうので止しておこう。
 私の宝物図書に、河出書房の『ヘルダーリン全集』全4巻がある。1967年ころの、手塚富雄、浅井昌男による翻訳で、素寒貧の私は大決心をして新刊店頭で買った。懐かしい図書である。
 そこから引用しておく。

「しかし友よ、われらはあまりにも来ることが遅かったのだ。もとより神々は生きている、しかしそれはわれらの頭上の、別の世界のことだ」

「心情の力はかつてのように天上の神々にくらべられるものになるのだ。
 そのとき雷電とともに神々は来る。
 とはいうものの、しばしばわたしには、このように同行者もなく、このようにまちつづけているよりは、眠ることがまさっていると思われるのだ。
 まことに、何をすべきか、言うべきかを、わたしは知らない。
 そして乏しい時代に詩人は何のためにあるかを。」

「けれど詩人は(そうおんみは言う)、聖なる夜に
 国から国へめぐり歩いた酒神の聖なる司祭たちにひとしいのだ。」

 ここには神々はあっても「神」はない。神々とはギリシャ文明の神々と考えればよい。しかしそれはケルトを含む深ヨーロッパ、すなわちキリストが来ない以前の土着世界を想定していると思ってよいだろう。
 六本木のワインガーデンはフレンチだった。そのフレンチの席に着いたとたん、ほかほかのパンが大量にわれら三人の前に供され、スープもなしで、われは聖なる司祭になったつもりで、バターを塗りたくり、食した。
 ワインは梅翁があとで選んだので、私はシャンパン(これは、昔から大好物)を水替わりにして、パンにひたった。もちろん、独逸のヘルダーリンの詩があたまをよぎっていた。

再伸
 最期はヘルダーリンにうっとりして締めくくる気持でいたが。
 おお、お勘定は?
 こりゃ、割り勘にしても、新幹線片道吹っ飛ぶぞ、と覚悟はしていた。
 と、そこで天の声。
 「まかせなさい」と、JOさんが重厚に呟いた。
 「ちょっと、梅さん、JOさんに悪いよな」と、私は梅翁に様子を聞いた。
 「そりゃね、虎ノ門、六本木を仕切る御方やからね」梅翁、あらぬ方をながめ、独り言。
 「そう、六本木でMu先生に散在させるなんて、『虎ノ門JO』の名が末代すたる」JOさんが輝いていた。
 ほんま、エー男達の、挽歌どした。

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コメント

Muさん
梅安さん

友、遠方より来たり楽しからずや。

初老の男が三人、宴を張る。京都は京都の良さがあり、六本木には六本木の良さがある。友を歓待するのは本当に嬉しいものです。

何時、二人で”偲びの宴”になるか判らない。これからの”宴”はそんな気がする。

MUさんの今回の”ワインガーデン記事”と私の、Blogのこのお店の記事は”戦う男達の挽歌”にしておきましょう。

起業家”浅茅ガ原先生”の話題が出たのには、必然性があります。三人に共通なのは、”何か新しい事やりたい””世界一をやりたい”そんな共通因子があるように思います。

しかし、梅安さんは無事この夜は帰宅したんやろか?

投稿: jo | 2004年10月24日 (日) 12時07分

JOさんや、その偲ぶ会の最後のひとりはだれやろうね。
いまから、一人で偲べるように、そういうめなみやワインガーデンへ一人で行く練習をしときます。

 起業。
 ふっ、と笑みがこぼれたが、男は背中を向け、そのまま霧に溶け込んでいった。
 なんちゃって、ハドーボイドドだぞ。

 梅翁、かえったかどうか、分からぬのか。
 国立だけ震度7なんてことはなかろうに。

投稿: Mu | 2004年10月24日 (日) 12時58分

最後の一人は”わて”です。

私はMuさんや梅安さんに比較して、”俗世間”ポイ。
要は、なかなか死なんという事やね。皆様の最後を見送り、一人で銀座のクラブを梯子して、亡き皆様の思い出話をして晩年を送ります。

え? お前が、最初やて? それも人生どす。

投稿: jo | 2004年10月24日 (日) 14時22分

長生き基金
 毎年、それ相応の宝物とか株券とか現金を、3人が指定銀行の秘密貸金庫にもちよる。(ただし、奥さんとか娘、息子はだめ)。
 先に死んだらその所有権を、残りの者に遺贈する契約書を作る。

注:持ち寄る物は三人で査定して、値する物を持ち寄れない者は、その時点で権利失効。
 
 ……(笑)

 一番得するのは、けけけ?
(これ、3人なら大事ないが、8人とか10人になると、必ず犯罪が生じるね。そうなると法的に契約無効の判決がでるよな)


投稿: Mu | 2004年10月24日 (日) 14時51分

宝物は仰山あるよ。

しかし、世間が”宝もの”とは評価せんけどね。

ラジコン飛行機はでかすぎて、銀行の貸金庫では預からんやろな?
仰山の模型エンジンとサーボ・モータを遺産相続しても、金にはならんな~~。

長生き基金か? 皆さん、家族に知れると困るもんがあれば、私が預かりますよ~~~。

投稿: jo | 2004年10月24日 (日) 19時14分

なにを毎年あずけられるかが、そのものの生きた証。
私は、図書しかないな。
と、考えるといささか寂しい。

長生き基金は、最初の年で脱落するかもね。

投稿: Mu | 2004年10月24日 (日) 22時44分

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