2004/10/17(日)新撰組:直参旗本
今夜の新撰組。
最近は、熱狂は少ないが、秋が深まり季節感にみあった落ち着きが出てきている。
滋味がある、と記しておこう。
1.近藤さん、直参旗本
壊れかけた徳川幕府、それでも足利幕府に比べてまだ形は残っている。
(ああ、昔、鎌倉幕府の末期を、俳優:鶴太郎が狂気じみて演じていた。印象が深い。)
近藤さん、今夜は会津中将から直参旗本の達しを受けた。
これはすごいことである。あれほど硬直した幕府で、百姓から旗本になるというのは、そうだね、私が文部科学大臣ではないが、それに近いポストを得るようなものかな。
こういうことを小馬鹿にする人もおるし、私もそうしてきたが、あのドラマの連続性の中では、胸のつかえがすっととれるほどの爽快感と、そして悲劇を味わった。複雑。
2.観柳斎末期
彼の最後は、なるべくしてなったとも言えようが、NHK新撰組は好意的な最期を選んだ。三谷さんの力量だろうな。
どれほど堅物の女性でも、めろめろになるという(私も事例を目撃したが)あの美形沖田総司が、観柳斎の墓参りを目撃したという設定は、優れているな。
沖田は、本当に研ぎ澄まされてきた。斎藤一の凄さと入れ替わっていくようだ。
私は、男性として、斎藤一が好みだが(笑)、このごろ女性の好む沖田に肩入れしだした。もっとも、つい先だって八つ墓村では、沖田イメージとごちゃごちゃになって、困ったが。27歳死亡。まだ、悲惨な鳥羽伏見戦では生き残る。
3.永倉シンパチの物堅さ
あのキャラは、定見があって安心する。なにかあると必ず、目玉をぎょろつかせて土方や近藤に迫ってくる。明治まで生き残った人。物堅い男性は、女性に好まれるようだが、あの物堅さが身を守った、好例かもしれない。
4.竜馬暗殺前夜
竜馬は、西郷にうとまれるほど、切れ者だった。西郷は藩を背負った政治家である。
竜馬は好きにできる自由人。
今夜の西郷の描き方も上手だった。いまだに竜馬暗殺はいろいろあって、薩摩が黒幕説とはよく耳にする。
王政復古、公武合体。徳川もメンバーの一人。たしかに、こういう考えは竜馬でないとうまく説明できない。
しかし、薩長は武力で幕府と交代したかったに違いない。
ああ、それにしても竜馬も終盤になってようやく雰囲気が滲み出てきた。最初の頃は、どうにも書き割りの、なんとなく浮いた感じだったんだが。斎藤一にピストルを突きつけた瞬間は、よかったね。
5.優香
また生きかえってでてきました。
今度は、とっても伝法な町娘。
原作、演出、みんな優香にぞっこんなのかもしれない。
そうやね。私が演出なら、やっぱり、何度殺しても、生きかえらすやろね(笑)。
ところで、あの女優さん幾つくらいかね。すこし落ち着きがあるから、24くらいだろうか。読めない。
*.というわけで
前にも書いたが、この新撰組、季節の移り変わりにしたがって内容も動から静になっていき、しっとりとしてきた。
いまさらながら、近藤さんも、土方さんも、当分は役になりきった人生を歩むような気が、ふとした。
(役柄が、顔から離れなくなった仮面のように、俳優自身を規定していく。これは、大変なことだと思う)
(超有名な事例では、ピーター・オツールが、私の中で生涯「アラビアのロレンス」だったように)
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コメント
今日の、新選組は久しぶりに観ました。
直参旗本に近藤さんはなりましたね。哀れやね、けど土方と二人は嬉しそうでした。倒産間際の会社で役員になるみたいやね。
どうやら、来週は竜馬暗殺ですね。脚本では薩摩陰謀説のようですね。明治以降、薩摩長州の偉くなった連中が、竜馬を一切語らなかったのは、陰謀説が有力な証拠かもしれん。
もうそろそろ、新撰組も終わりに近ずきましたね。秋も深まってきましたね。今日は一日、風邪と闘い、同時に飛行機を一気に無我夢中で製作していました。
投稿: jo | 2004年10月17日 (日) 22時12分
JOさん
倒産間際でも、徳川ですからね。
役員になるなんて、男子の本懐ですよ。
徳川が倒産する必然性は、いまとなってよく分からないのです。
倒産してもよいとは思うけど、なぜ倒産したのか。
江戸時代が劣悪とも思わないしね。
勝海舟もいたことだし。
薩長が正気だったとも思わない。
だから、世間も近藤さんの直参旗本昇格は、びっくりしたと
思うのです。
そうですか。
司馬竜馬では、西郷どんは、竜馬の死に悲嘆にくれたような書き方だった記憶。
やはり、薩摩でしたか。
会津や新撰組にとっては、竜馬の死がかえって残念だっただろう、という説も耳にした。大政奉還、王政復古で、徳川が生き延びる可能性がでたわけだから。
お風邪のようですが、今夜は卵酒で熟睡あれ。
投稿: Mu | 2004年10月17日 (日) 22時28分