2004/10/10(日):お笑いコメント稼業
せんだって、風雪梅安一家が都へみえた。
そこで。
JOさんと、blogの将来を語った。
一つは永代供養の話だったが、これは協議中なので記すのを控える。
もう一つは、JOさんと話ながら思いついたことだ。
しかし話題には出さなかった。
JOさんや梅翁が楽しげに語っていたので、提案する必要もないと思ってのことだった。
ことはこうだ。
最近、浪人している者がおり、
私が「JOさん、あの親爺、どうすりゃよいのかね。ことごとく、誘いを断っていると聞くが」と問いかけていた。
その男。
周囲の誘いを、じらして値をつりあげるようなケチな男では決してない。
そういうことからは極北の地にいた実力者だからこそ、あまた真摯な誘いもかかる。
私でも、妖しい起業をもしなすならば、彼をそばにおいておきたい。
そこにおって、昼寝しているだけで価値のある男が、この世には確かにおる。
ワープロも満足にうてない、エクセルも知らない、blogなんてぇ、であったとしても。
論理不鮮明、酒が燃料で、ひたすら終日笑顔の酩酊状態であっても、
この世に値打ちのある男が、確かにおる。
本人はつぶやくように、「仕事を、したくないのです」と、まるで漱石「それから」の代助さんじみてくる。
JOさん、こまりはてて、それでも小声で(Mu注:なぜここで小声かは、説明が難しい)、
「僕の友達で、会社の顧問をしている者がおってな、Muさん」
「ふむふむ」
「そいつが、たとえば、顧問料を5万円いただいておるとする」
「安いね」
「ところが、Muどん、彼が縁あって20社の顧問をしていると、どうなる」
「おお、月に100万円の収入か。月に一度昼寝しにいくだけの非常勤顧問で」
「でしょう」
ここまできて、私は内心はたと膝を叩いた。
そうか。
案内広告はこうなるな。
「
この時代、blogひとつ持っていないなんて、恥ずかしいことですよね。
社会に、確固とした人格(パーソナリティ)を持っていないのとおなじ。
うちの猫ちゃんマタリン翁に、わらわれますよ。
と、数年前、あおられてblogを開設したあなた。
日々努力し、人生の蘊蓄(うんちく)を傾けてはや3年。
しかし、なんということでしょう。
なんの反応もない。
コメントひとつ、どこからも来ない。
来るのは的はずれなサーチエンジン・キーワードだけ。
(そうでしょう、「エロイカを愛好した女性」と書いただけで、とんでもないターゲットにされてしまう、泣きますよね)
そこで、コメント仕掛け人、Muがお手伝いします。
あなたの記事に、毎回、コメントを投稿させていただきます。
通り一遍のコメントではなく、あなたの記事の一つ一つに、
痒いところに手が届くような、コメントを差し上げたいと思います。
迅速をモットーにしております。常時ソフトウェアで記事投稿を確認し、一時間以内にコメントを差し上げます。
当社、Muコメント企画代表MuMuMuは、かつて千変万化の文体を駆使し、自らのMuBlogに、あたかも、10人、20人、100人の常連、数百人の一見さんがいるような偽装をほどこしMuBlogを世に出した実績で、ディジタルネットワーク大事典に項目があるほどの経験をもっております。
Muコメント企画に常駐する社員はすべて、厳選され長期間の訓練を受けておりますので、圧倒的な「多文体記述技能」を駆使し、あなたの求めるママの「人格」でコメントアクセスが出来る者たちばかりです。
秘密は厳守いたします。
どうか、ご一報下さい。
なお、「人格」一名「コメント」一件あたりのお値段は、100円という低価格です。
あなたが月に30件の記事を投稿されても、たったの3千円という低料金です。
人格には、現在のところ{社長、浪人、大学教授、女子大生、主婦、若手OL、高校生}などを取りそろえております。
ご相談あれば、どのような人格をもったコメントテーターもご用意いたします。
」
秋の夜長の物語。
おわり。
| 固定リンク
「風雪梅安一家」カテゴリの記事
- 小説木幡記:2007/07/07(土)虚飾の帝都に遊ぶ(2007.07.07)
- 2004/10/10(日):お笑いコメント稼業(2004.10.10)
- 2004年8月11(水)晴:blog考察(2004.08.11)
- ならほてる:奈良ホテル(2004.04.09)
- JOさんのblog(2004.03.11)
「小説木幡記」カテゴリの記事
- 小説木幡記:楠木正成のこと(2013.06.07)
- 小説木幡記:腰痛と信長(2013.05.28)
「Blogメモ」カテゴリの記事
- 小説木幡記:2009/12/05(土)静かなubuntu狂乱(2009.12.05)
- 小説木幡記:2009/02/05(木)Google Earthで火星を見たり、最中を食べたり、忙しい(2009.02.05)
- 小説葛野記:2009/02/04(水)朝霧の宇治からNetbook 28800円(2009.02.04)
- 小説木幡記:2009/01/06(火)年頭の失念事項(2009.01.06)
- 小説木幡記:2008/10/20(月)インターネットが消えた日:タイムマシンに乗って(2008.10.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
Muはん
ところで、申し込みありましたか?
所謂、”さくら”稼業というやつですな。この話は映画業界、出版業界、コンシューマ産業全般に実際行われていますね。
何でも船出は難しいんですね、そこを無事お守り申し上げてそして軌道に乗り始めると、あとは大丈夫なんやね。
例えば、今は有名な”アニメ映画”ですが、最初は渋谷の小さな劇場を借りて、桜を動員して並ばせる。話題を作るんやね~~。
でかい劇場だと、コストもかかるし且つ、”新しい”ものを生み出す時にはむしろ、逆効果なんやね。
この手の話は、歴史的にも普遍の”正当化された行為”なんや。
所謂、プロヂューサとは”如何にさくら企画が出来るか”に尽きるんやね。
マーケテング論に於いて、”核を打つ”という諺がある。これは、ブームを作りたい時、新製品を打ち出したい時に対象顧客の大衆を相手にせず、先ず、大衆が信奉する”核”になる人物を感動させる行為なんやね。
未だかつて一般大衆からブームが発生した事例は皆無である。必ず”仕掛け集団”が存在します、大衆は知らないだけである。
Muさんの”さくら企画”に期待しましょう。
投稿: jo | 2004年10月10日 (日) 10時18分
JOさん
「さくら話」とてもよかった、学んだという充実コメントでした。
ところで、Muコメント企画は、すこしニュアンスが異なる。1対1の、個人介護サービスと思ってくれた方が正しい。
あとに続く大衆は原則としていない世界。
一番分かりやすい事例は、高齢者対象ですね。
あるいは、リハビリを兼ねたひきこもり青少年対象。
要するに。
「あなたは、孤独ではない。あなたの生きてきたことは決して無意味ではない。あなたの生涯の智慧に感動して、こうやってコメントがくるじゃないですか」
「君は一人ではない。君の考えは世間的には少し特殊かもしれないが、こうやって、感動コメントがくるじゃないか」
だから、申込者は本人もあるが、むしろ、家庭関係者が多くなるだろうね。
・・・
今のところ、申込者はないです。
しかたないので、私はMuBlogに、それらしくコメントがあるかのように、こうして、JOとかあれとか、これとか、こうとか、ああとかいうい名前を装って、blogをもり立てておりますぞ。
投稿: Mu | 2004年10月10日 (日) 12時01分
感動的な話やな~~。
老人介護と引きこもりな~~身近に沢山あるな~~。
残念ながら今の老人はblog出来ないやろから、Muさんの晩年の頃になるやろな~~。
だけど、自分でblogたてて、自分でコメント書いて、複数のキャラを立てて、自作自演の話は小説になりそうやな~~。そして、殺人事件が起こる。刑事はコメントする人物を探す、しかし、狂言と判る、しかしその裏には怖~~~い陰謀集団が控えていた。
”賀茂川修道会”なんかが存在してるんやな~~。話は深~~~い世界に入る。
真面目な話をそらして、すんまへん。
影のMuなるjoさん(自作自演のMu)でした。
投稿: jo | 2004年10月10日 (日) 12時21分
影のまた影のJOさんへ
私の案内宣伝にあるように、数年先ですね。
団塊世代が隠居にはいった頃がめど。
団塊世代の数パーセントは、ニフティーなんぞに煽られてそろそろblogを開設しはじめたはず。
どっこい、まともなコメントがあるのは、そのまた数パーセント。一般に肩書きはずした人間に、下の世代は興味をもたぬ。余程のマニア世界を持ったものでないと、仲間は消える。
そこで、
Muコメント企画登場、ですな。
ところで。
たしかに、複数キャラを維持メンテするのは大変やろうね。
影のまた影、青影、白影、赤影忍者への報酬もばかにならない、・・・と将来の有名なblogは思うことでしょう。
お笑いコメント稼業。
吉凶いかに。
追伸
あと一週間少しで、7万アクセス越えそうです。
これははたして、何人の影コメンテータと契約しておるのでしょう?
投稿: Mu | 2004年10月10日 (日) 12時33分
先生、「Muコメント企画」が軌道に乗って、人手が必要なときには 是非お手伝いいたします。バイト料はそうですね、コーヒーをご馳走していただければOKです。
複数の人格になりきるなんて、まるで俳優・女優にでもなった気分ですよね。
投稿: 羊 | 2004年10月11日 (月) 14時00分
影・羊さん
珈琲でやっかいな仕事をして下さるなら、住所か、ないし母校に来て下されば、一杯20円の珈琲を山のように差し上げます。
先頃、JOさんの東京土産に、ネットで大量に買ったという20円袋を、なんと5袋もくださったのです。
味がとても良いので、私も注文しようかと思います。1千円で50袋もあるらしいので、あなたには、50コメントを月にやってもらって、人格は、そうですなぁ、3人程度でよいです。
Muくらいの手練れ(自画自賛)でも、5キャラ駆使すると、なんとなく、変になります。分裂しそうですよぉ。
では、会社設立の折には、あらためてお願いにあがりますです。
投稿: Mu | 2004年10月11日 (月) 14時35分