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2004年8月31日 (火)

美しいサイト:森博嗣出版年表

 森博嗣さんのこのインターネット目録を最初に見た年は、2002年ころだと記憶しています。
 それから、おりにふれてこの目録を考え込んできたのです。

 森さんのデザインは、どんな場合にもとても洗練され、目をひくものです。
 だから、美しいサイトという私の決めたルールに、合致するものです。

 メジャーな方なので、わたしがここで紹介するのは、いささかおかしい(まのぬけた)ことでもあるでしょう。
 しかし、この「目録」は、単に見栄えがよいという、そういうレベルだけで見過ごされるのが残念なので、あ・え・て紹介しました。

 ここでは、図書一冊一冊を自律的物(対象:オブジェクト)としてとらえ、それをビジュアライズされています。可視化したことで、図書の実態が仮想的にであれ、補足しやすくなります。それを時系列に並べたことで、作家史がひと目で分かります。図書館のカード目録(今でもあります)や、使いにくいOPACで検索することに比べれば、どれほど「目録」というものの目的が明確になったか、はかり知れません。
 
 図書をオブジェクトとして整理された一番分かりやすい点は、各図書イメージをクリックすることでわかります。書誌情報と、そこに作家のコメントまで含まれています。一冊一冊の図書を丁寧にあつかう、優れた目録であることがわかります。

 私は、目録とは、一つの知識体系(伝統的に、図書一冊の内容と想定してください)を圧縮し、抽象化した記録だと考えています。それは、AとBという二つの知識体系を最小限の情報で区別できる内容が基本です。
 目録は本体の身代わりです。しかし、森さんのような整理をすることで、身代わりが符丁ではなくなり、自律性を持った「物」になったと、考えているのです。

紹介サイト
   浮遊工作室(ミステリィ製作部)森博嗣出版年表

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