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2004年5月26日 (水)

うじし・しょくぶつこうえん(上):宇治市植物公園(上)

宇治市植物公園(宇治市広野町)マピオンBB地図

水の石盤
 宇治市が町を整備しているのは、以前記しました
 この宇治市植物公園は観光客には知られていないとおもいます。最初ここへ来たのは20世紀だったのですが、驚きました。いまでも、「おや?」は変わらないです。どうしてこんな立派な植物公園を造ったのでしょう。
 ただ、それが散歩や、あるいは植物好きの方に好評なら、ほっとします。実は、私はこういう施設があることが内心誇りだし、喜ばしく思うのです。維持費や効率を考えると、うむ、と考え込むのですが、公共の施設にコストパフォーマンスをきつく導入すると、まっさきに図書館などは抹消されます(本を読まなくても餓死はしないという論理です)。当然、平日だと、がらーんとしている植物公園などは、危ないですね。
 と、ここでこういう筆致はとめます。
 私は、とにかくこの植物公園、それに源氏物語ミュージアムが宇治市にあることが、とても誇らしいのです。
 ええ、写真の説明ですね。植物といえば、水。この公園は水と石と植物が上手に組み合わせてあります。この丸くて大きな岩柱の天辺に水の膜が流れているのは、設計の確かさを味わいます。こんなに均質に水が流れるなんて、私には、驚異です。

ジャングルの花
 温室は熱帯風、亜熱帯の趣があります。季節は8月だったので、窓もあいていたとおもいます。小道をあるいていると、こんな鮮やかな花が突然現れるのです。例によって、花の名前はしりません。知った方がよいとも思うので、今度行ったら確認しておきます。

ジャングルの豆
 ジャングルに豆があるとは思えませんから、乏しい語彙で、これを「豆」と決めただけです。よくみると、花のつぼみのように見えます。さあ、ぱかっと開いて針が千本立っていたら、食虫植物かもしれません。一体何なのか、隠元禅師「さやインゲン」です、などと言われた日には、がっくりします。まさか。

竹の家
 記憶では、隣にもう一つ四阿(あづまや)があったはず。写真では雰囲気がでなかったのですが、周りはうっそうとした「ジャングル?」ですから、こういう竹のたてものは、南国にいるような気分でよかったです。いっそ、温室の中に川でもつくれば佳いのですが、そうなるとテーマパークとかわらなくなって、維持は困難でしょう。

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地図の風景」カテゴリの記事

コメント

へ~~宇治に植物園があったんですか?
しかも今回は(上)ですから(下)が今後あるんですね。
植物園は面白いですね、ハワイの植物園ではてふてふが沢山飛んでいました。イギリス人は世界中の種を集めて持っているそうですね。大英帝国の栄華『種』にあり、だそうですよ。
宇治の嫁と姉の実家で暇が出来たら、今度、探訪してみます。

投稿: jo | 2004年5月26日 (水) 13時57分

JOさん
 わたしゃ、あいかわらず、植物音痴を自覚したよ。
 花、草木類がとんと判定できない。

 植物図鑑でも買わないとね。
 

投稿: Mu | 2004年5月26日 (水) 14時11分

せんせ
あかんもんは、あかん。諦めまひょ。羊はんもWDさんも専門家がおられるから、え~んとちゃいます?
我々は違うもんで頑張りまひょ。
竹の家でお座りの御婦人はどなたでせうか?
気になるな~~?

投稿: jo | 2004年5月26日 (水) 16時29分

 (花好きのワタシ・・。でも、この公園あんまし、こころひかれへんのです。植物園って、京都の場合やけど、恋人同士で行くと別れる~って話、若い頃に聞いたし・・、この宇治の公園もそうなんかなあ~と、不埒なこと考えてしもた・・。
 まともなコメントは、羊はんにお願いしまひょ。)

投稿: wd | 2004年5月26日 (水) 16時46分

なぬ!植物園で逢引すると別れる!
初耳やな~。奈良方面ではそないな言い伝えがあるんどすか?
なんでやろ?
江戸方面でも聞き込み調査しておきます。そないな風習があるのか?ないのか?
確かに、逢引するのに”植物園にゆかへんか~?”あまり聞かんな。

投稿: jo | 2004年5月26日 (水) 17時42分

せやけど、あだしのへ行くよりえ~んとちゃう?

投稿: jo | 2004年5月26日 (水) 17時44分

JOさん、(1)
>我々は違うもんで頑張りまひょ。
 植物はきらいじゃないから、少しがんばります、夏に。
 三島由紀夫さんも、若い頃は、松と杉とを区別できなかったとか、俗説あります。

>竹の家でお座りの御婦人はどなたでせうか?
 公園ですから、だれかかんかおります。竹の四阿は、休みどころです。未知の方です。

投稿: Mu | 2004年5月26日 (水) 17時59分

WDさん
>別れ場所
 植物園が別れ場所なんて、はじめてです。

 私のしるところでは。
 四条河原町阪急前の世界地図(銘板)前でデートすると、即日別れる。
 嵐山渡月橋を二人でわたると、一夜にして、別れる。

 その二つは、葛野女子大では超有名ですぜ(?)
 (ま、足して50歳未満の、おさなごたちの世界感、呪術、占い世界でしょうね)

投稿: Mu | 2004年5月26日 (水) 18時03分

JOさん、その(2)

 そうやね。

1.化野で逢い引きすると、一週間以内に別れる。
2.鴨河原で逢い引きすると、芹沢鴨の運命になる。
3.南座まえの「とんとん来」でデートチャーシュー麺すると、むすばれるう。

 どうや、!

付録:虎ノ門界隈でデートすると、ラジコン飛行機が脳天を直撃し、瀕死になる。

投稿: Mu | 2004年5月26日 (水) 18時07分

   えぇ?!! 
 植物園に行くと別れるんですか?!それって潜伏期間はあるのでしょうか?
 結婚前にダンナさんと宇治の植物園行っちゃいましたよ。 WDさん、もっと早く教えてほしかったです。
 私は花に詳しくないですので、まともなコメントは・・ ありません。
 
 先生がとられた写真の他に温室の中なんですが、藤の花のように上からぶら下がっていて、とても濃いエメラルドグリーンで、花びらに肉厚がある花を見ました。形は、ラッパみたいな花が葡萄のように鈴なりになっているんです。一個一個のラッパは3センチほどですが、それが鈴なりなので全長60センチくらいでした。珍しいと思って花の説明がきを探したのですが、よくわかりませんでした。
 Mu先生、そういうの見かけませんでした?
  
 あと、京都で別れるので有名なのは「宝ヶ池」のアヒルボートというのもあります。(ホントかな?)

投稿: 羊 | 2004年5月26日 (水) 18時21分

羊さん
 ともかく、とすると、宇治市植物公園はしられておるのですね、安心。

>それって潜伏期間はあるのでしょうか?
 WD説を深く考えると、あるのでしょう、ある。決まっておる。治療は、ダンナさまにおいしい食事を毎日用意なさること。それからときどき葛野に向かって三拝、柏手5回。毎朝、することでしょうね。
>ラッパみたいな花が葡萄のように鈴なり
 いささか、手塚漫画になってきたな、イメージでは。
>京都で別れるので有名なのは「宝ヶ池」のアヒルボート
 ああ、これも辞書化しておきます。データベース「別れる場所と、条件、潜伏期間」

投稿: Mu | 2004年5月26日 (水) 18時29分

どれもこれも知らんな~。
もう関係ないからどうでもよろし。しかし、誰が、仕掛けるんやろ?要はそのような噂を立てることで、儲けるやつは誰か?
別れの噂は、要は、アベックに来てもらいたくない!出来れば爺婆に来て欲しい!顧客ターゲッツトが巣鴨の地蔵さん界隈の商店街のような経済界の連中やな。さすが、実業界で社長やってるJOは分析が鋭い。

投稿: jo | 2004年5月26日 (水) 19時20分

  今、宇治市植物公園のホームページで、エメラルドグリーンの鈴なりラッパの名前がわかりました。「ヒスイカズラ」というそうです。

投稿: 羊 | 2004年5月26日 (水) 20時21分

翡翠か。継体天皇の故郷やな~。えろう日本らしい熱帯植物ですね。

投稿: jo | 2004年5月26日 (水) 20時27分

JOさん

>実業界で社長やってるJOは分析が鋭い。
 うーん。そうなんかぁ。
 でもな、歴年きいておると、みんな判でおしたように別れとるで。

1.四条河原町阪急世界地図はな、
 {だれでも思いつく、そういうスポットを指定する男も女もイージーなんや、気合いがはいっとらん!}

2.渡月橋、渡って別れるのはな、
 {あそこは風情があるから、男も女も「こんなええとこあったんか。そや、あのこも誘おう」と、なるから一夜にして別れる。}

3.鴨川はな、
 {あそこは、根性なしの男女がいくところや。そないなとこで野○におよぶなら、さっさと、云々かんぬん。(これでも教師ですから、伏せ字だらけになる)}

4.宝ヶ池のアヒルボートはな、
 今は違うけど、昔は地下鉄なかったから、車でしかいけへん。そやけど、20やそこらで外車のりまわす男にろくなもん、おらん!そやから、即日別れるんや。

5.植物園、これはな~
 こりゃWDさんにきかないと、ようわからん。
 「薔薇につつまれて~、おお、愛のあかし~」これは、赤松愛か、テンプターズか、(もう石器時代の話)
 そういうこと。
 うん? わからん。

6.化野念仏寺
 こりゃ、まあ、簡単。女も無常につまされて、出家しょる。
 JOさん、出家というのは、むかしから深い意味があったんやでぇ。

*.そのうち、地図にマッピングして、解説本作りたくなった。

投稿: Mu | 2004年5月26日 (水) 21時04分

羊さん
JOさん
 宇治の下を掲載するとき、宇治市植物公園と、それから、flowerというblogも紹介予定です。
 翡翠ときて、そく、継体天皇にむすびつくJOさんは、もうつきあいきれへんわぁ。頭のなか、どないになっとるや。

 私は、翡翠とくれば、即、出雲だす。

投稿: Mu | 2004年5月26日 (水) 21時11分

流石に先輩!
文学の世界のプロやね。男と女の関係については詳しいわ。
しかし、男と女の待ち合わせ場所はよく、川とか池とか橋とか水に関係が深いな~~。これには理由があるんと違います?先生?
あの世とこの世の接点!二人が生きるも死ぬも紙一重。そういう境地になるんやろな?ロマンチックな世界やね。話は変わるけど、最近宴会の帰りに三カ月見るとえろうロマンチックになるんやけど。
なんでやろ?わし、イスラムの人間ではないけどな。
それから、翡翠やけど、出雲は玉造で加工してるだけで、原産地は富山、姫川、あのあたりでしょ?先週のダッシュ村というテレビ番組で富山の海岸で翡翠拾っとっつたで。

投稿: jo | 2004年5月26日 (水) 21時50分

(なんでこんなことで、盛りあがるんやろなあ~。どれも、迷信どす。京都の府立植物園も、阪急も、「宝ヶ池」のアヒルボートも、渡月橋も、鴨川も、あだしのも、どれいっても別れまへん!
 行ってへんのは「とんとん」だけや!「とんとん」行ったら、ほんまに別れるんちゃう~!)

 山城運動公園には行ったことがあります。そのときには「宇治市植物園」はできていませんでした。最近なんですね。

投稿: wd | 2004年5月26日 (水) 21時52分

JOはん、
 えらい返事をまたせたな。
 寝てしもてました。ぐっすり。

 水とデート場所の類縁は。
 されば、わが神国は、岩清水の世界。
 つまり、水に囲まれた景観やね。
 綺麗なところは水どころ。

 三日月問題は、わからない、即答不可です。

 翡翠を遙々運んだ先が出雲。
 出身地だけが尊いのと違います。
 氏より育ち。
 
 まだ半睡状態です。

投稿: Mu | 2004年5月26日 (水) 23時19分

WDさん
 宇治市植物公園は、もう10年は歴史があると思いますよ。

 「別れスポット」は、統計的なものでしてぇ。固有の、ケースに当てはまらない場合もあります。
 さらに、体質によっては、長大な潜伏期間もあり得ますので、ご油断なされぬように。

 さて、アヒルボートがいまもあるのかどうか、興味が湧きました。一度じっくり撮影してきます。

投稿: Mu | 2004年5月26日 (水) 23時24分

  そうですかあ~。広野町に住む仲人さんに、案内してもらったので、その方がご存じなかったのかなあ~。

  「長大な潜伏期間」のご忠告、肝に銘じておきます。

 (・・・とここで、いやなこと思い出してしもた。「あだしの」へ行ったダブルデートの、もう一組のカップル、あれだけ仲良かったのに、子供までいんのに、離婚してしもた・・。・・・と・と・ということは、「別れスポット」全部に行ってるアタシは、チョー危ない、ってこと?・・ど・ど・どうしよう?
 なんか、Mu爺さん、治療法があるって言うてたな。・・ふむふむ。
 毎日のおいしい食事、これは大丈夫や。毎日「(愛)妻弁当」作ってるし、夕食は肉料理と魚料理、隔日で出してるし、朝なんか、豆から挽いた珈琲入れてるし、まあ大丈夫やな。
 次に葛野の方へ向かって、三拝・柏手5回か・・。潜伏期間が長大やし、こんなんで済まされへんやろな・・。あっ、そうや、神棚作ろう!方角は奈良から言うと、北西やな。ちょうど冷蔵庫がある場所やん!そうや、ワインの入ってた木箱、これ残ってた・・。冷蔵庫の上に、この木箱を置いて・・っと。ご神体がないな。しゃーない「四季」の写真でも、プリントアウトして飾っとくか。えっ、水や酒はいらん、珈琲を供えろって?珈琲かあ・・。まあ、毎朝入れてるし、ついでや・・。供物は、豆腐や湯葉なんかの精進料理やな。たまには、動物性タンパク質も、お供えしろ、って。せやな~。脂ののった、芳醇な鴨ロースなんかは、もったいないし、ニワトリのパサパサした、ささみでも供えとくわあ。安いし・・。
 これだけやったら、「別れ病」発病せんで、ええんちゃう?)

 と、このコメントで21件目。書きながら考えてたんですけど、コメント数が多い記事の、トップ10なんて調べられるんですか?

 あんまり、記事に関係ないことばかり書くのは、心苦しいので、一つ鳥に関する豆知識を・・。宇治川で使用する「鵜飼い」の鵜は、ウワナベ池にいる「カワウ」の仲間ではなく、「ウミウ」の仲間を使います。

投稿: wd | 2004年5月27日 (木) 08時36分

 Joさんの、男女の仲と、水の関係について、思い出しました。

 漱石の『それから』という本の中では、主人公「代助」と、彼の友人である平岡の妻「三千代」が、逢い引きする場面では、雨が降っているんです。

 「雨は依然として、長く、密に、物に音を立てて降った。二人は雨の為に、雨の持ち来す音のために、世間から切り離された。同じ家に住む門野からも婆さんからも切り離された。二人は孤立の儘、白百合の香の中に封じ込められた。」

 当時、この二人の愛を「雨に降り込められた愛」と言っていたことを、思い出しました。

投稿: wd | 2004年5月27日 (木) 09時23分

文学者 WDさんやな~。『雨に降りこめられた愛』か、文学的やな~。最近、飛行機ばかり飛ばしているんで、週末の天気予報ばかりが気になるんや。子供の遠足と同じやね。
昔、テント生活してた頃(ホームレスとちゃうで)に雨が降るとテントの中が幸せな空間になるんやな。外の雨の音を聴いていると安らぐんやね。実家の木造のボロ家でもそうやったな~。
これを誰やったかな~、そうそう明石の研究所で常務してる人麻呂はんは1/fの揺らぎとか言っていたな~。自然界のものはこの1/fの揺らぎに支配されているそうや。
鵜飼といえば、桂林の川下りで鵜飼してましたで。昔、BBCと仕事していた頃、中国の江南の鵜匠のスリコミのドキュメンタリー番組の制作の話を聴いて、面白いな~~と感激した思い出があります。うみ鵜でせうか?

投稿: jo | 2004年5月27日 (木) 10時51分

WDさん
 こう、いまの仕事だけじゃなくて、人生やはり体力勝負ですね。90分授業を朝2つ済ませると、へろへろです。

 さて、先年後期「生涯学習」という柄にもない講義を持っておりまして、窮余の策として、「それから」を見せて、高等遊民と現代のプーターローと、そして生涯学習の三つどもえを解けと、課題にだしました。
 で、おいておいて。

 意外な展開。白百合が象徴的に使われているが、百合は臭いがきつすぎて、とてもじゃないが、松田優サクさんも藤田?ミワコ?も、ロマンチックになれないはず、・・・
 絶句。どうなんでしょう、白百合のかたまり(要するに、Mu用語を翻訳すると、花たば)の臭い、香りはどうなんだろう。(鵜飼とは、千里離れたな)

投稿: Mu | 2004年5月27日 (木) 13時01分

JOさん
 中国も本朝も、鵜匠とは、つまり、鷹匠とおなじかな。されば、中国に鵜匠のあるを知り、びっくり。で、鷹匠は中国におるのかな。
 雪男までいる国じゃから、およそ人の想像するものはすべて、中国には、ありそう。

投稿: Mu | 2004年5月27日 (木) 13時05分

鷹匠は梅安先生ですね。詳しいよ。モンゴル平原で鷹匠は活躍しています。草原の道を通り日本に伝わったんやな。漢民族が鷹を狩猟で使用しかたどうか知りません。権力の象徴ですね。
そういえば、アメリカもそうや。大統領演説の後ろには何時も
鷹がいますね。

投稿: jo | 2004年5月27日 (木) 13時37分

 私も、あの映画は見ました。でも、映像から伝えられることなんて、作品のほんの一部にしか過ぎません。

 白百合の匂いがきつすぎる・・。作品の中で、あの白百合がどんな意味を持っていたか・・、実際に作品を読めば、すぐわかることなのに・・、残念です。

 代助と三千代は、その昔三千代の兄と代助が親友だった時の話、三千代の兄と代助と三千代と三人で、楽しく時を過ごしました。三千代の兄が亡くなるまでは・・。兄が亡くなって、代助は三千代に自分の想いを伝えるべきだった・・。なのに、平岡に先を越され、三千代は結婚してしまった。

 三人が楽しい時を過ごしていた頃、代助は百合を買って三千代とその兄を訪ねました。
 結婚後、今度は三千代が3本の百合を携えて、代助を訪ねます。
 そして、最後に代助が三千代に、愛を告白するときに、代助は部屋中を百合の香りで満たすのです。

 「彼は雨の中に、百合の中に、再現の昔の中に、純一無雑に平和な生命を見出した」

 百合の強烈な匂い、この匂いの中にこそ、漱石は純潔なあこがれをこめていたのだと思います。

 だから、あの場面では、白い花でもスズランじゃなく、百合でなければなかった・・、と思います。
 Mu先生も、学生さんたちが変な感想文を書いてきたら、「実際の作品にあたってみたら・・」と指導してくださればいいのに・・。
 でも、映像化された「それから」は、あまりおすすめできません。

投稿: wd | 2004年5月27日 (木) 14時30分

WDさん
 ようやく起きてきましたで。

1.文学のためよりも松田優作をみせたげるのと、代助の高等遊民ぶりを、手短につたえたかった。
2.百合の強烈な匂いを知っている学生が、その強烈さ故に、普通なら気持がそっちへ向かうという事実を知らせてきた。

 映画「それから」は、ひとつの解釈として、おもしろかったです。明治の情景をテキストだけから再現イメージできる学生も大人もすくないし。
 家督をつぐ、財産をつぐ、家をつぐ、「勘当」ということで、あれだけの豪華な敷地や家や環境、そして代助の住まいや書生雇い金や、食費を、一挙に失うことが、リアルにわかりました。
 失うものの大きさが分かるから、あの映画はよかったです。

 そうでした。私の授業は「生涯学習論」だったんです。

投稿: Mu | 2004年5月28日 (金) 02時53分

 ご質問の意味を、私が勝手に「白百合」という一点に解釈し、長々とお話してしまいました。「それから」の時代背景を、わかりやすく、現代の若者たちに伝える点では、映画化の意味もあるのだなと思いました。

 「Mu先生も・・・」と、出過ぎた、失礼なことを言ってしまい、申し訳ありませんでした・・。

投稿: wd | 2004年5月28日 (金) 07時59分

漱石はんと言えば 先日テレビ番組してたな~。息子が親爺のロンドン時代を辿る真面目な番組でしたで~。彼が、英国文学に行き詰まっていた頃、味の素を発明した独逸留学生で化学者との出会いが漱石の悩みを解決したそうやね。漱石の文学論はこの化学者の影響が大きいとの説を息子が逆上る番組どした。
当時、化学も無機化学と有機化学が別々に存在し、ドイツの師匠がラジコン飛行機で上空に上がり、二つの世界を一段高い世界で見下ろし、統合した概念を打ち出したそうや。英国の文学ばかり勉強しても英国文学は判らんし、彼らを越える事は出来ない。そこで、漱石はんはハタト気がお付きになられたそうどす。それからは、英国文学を読むだけでなく、広く科学の分野の本を勉強始めたそうやで。だから、難しいとされる漱石の文学論は科学的手法が使われているそうや。
息子が東北大学の漱石記念品を手に取り、話してましたで。


投稿: jo | 2004年5月28日 (金) 14時06分

 私もその番組見ていました。漱石の「文学論」は、本当に難しいです。学生の頃も、途中で、挫折してしまいました。
 漱石が、東大で先生をしていた頃、その「文学論」を東大の学生相手に、講義したんですけど、全然わかってもらえない・・。家に帰っては、奥さんに「大学へ行くのはイヤだ!」とごねていたそうです。自分が一生懸命考え抜いた、文学論を誰にも理解されず、家に帰っては、そのイライラを奥さんや子供に当たり散らしていた・・。漱石らしいな、と思います。
 友人の薦めで、小説を書くことになり、その「文学論」を実際の小説に現してみたら、これが意外なことに、評判が良かった・・。それで、やっと溜飲が下がったわけです。
 そんな話だったような、途中で私寝てしまって、朝になって、教えてもらいました。

投稿: wd | 2004年5月28日 (金) 15時46分

ひとさま達の話を難しいとおもうのは、
  眠いとき、
  背景知識を知らないとき、
  意義がわからないとき、
・・・
 どうにも、今はそんな状態です。午前3時で頭がぼんやりしています。
 漱石ファンが多いのは何故なんだろう。

投稿: Mu | 2004年5月29日 (土) 02時59分

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