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2004年5月14日 (金)

おきじんじゃ:隠岐神社

隠岐神社(島根県隠岐郡海士町大字海士)マピオンBB地図

 未踏地で、しかも離れていると(京都から)隠岐島は一つの小さな島という印象が強かった。後鳥羽院や後醍醐天皇が配流されたところだから、そんな疑似記憶を持っていたのだろう。しかし実際は、歴史探訪にしろ観光旅行にしろ隠岐は「点」としての目的地にはなりえない。「面」と歴史との三次元で考えていかねばならぬだろう。
 そうでないと、「大仏さんを観ただけで奈良。嵐山や映画村を歩いただけで京都に行ったつもりになる」そんなことになってしまう。以前、佐渡金山跡をみただけで佐渡島を観たような気になったが、あれは大きな間違いだった。

 隠岐は島前(どうぜん)、島後(どうご)の二つに大きく分けられる。くわしく言うと、人が住む四島(島後、島前{西ノ島、中ノ島、知夫里島})と、百八十前後の諸島をあわせて「隠岐島」というらしい。
 隠岐空港は島後の隠岐郡西郷町にあり、私のめざす後鳥羽院関係の史跡や、昭和に造られた隠岐神社は、島前の中ノ島、隠岐郡海士町にある。してみると、隠岐はこのMuBlog記事の一つや二つでは全体を把握できない。「要約すれば」という技法も使えない。
 海の荒れない季節に渡り、隠岐神社境内の一角にベッドと天蓋を置き、じっくり一ヶ月ほど逗留しないと、全貌は分からないだろう。飽きてきたなら、砂絵でも描いて観光客に見せて、・・・この砂絵イメージはたしか二十代前半に読んだ丸谷才一『笹まくら』なのかもしれない。
 ともかく今朝は、てはじめの記録として、筆を置く。梅雨明けまでに完成し、夏は渡りたいと痛切に思う。 
 畏友梅翁師は「なぜ、隠岐へ行き急ぐのか」と、昨夜メールで問うてきたが、私にもわからない。
 今生の思いに、後鳥羽院が私を呼んでおられる。
 そもそもは高校生の頃、我こそは新島守(にいじまもり)よ、おきの海の荒き波風心して吹け、と増鏡で知ったところから始まったのだから、帰結は院ご自身のこととなろう。

参考サイト
  隠岐の観光案内地図
  隠岐式内社巡り(玄松子:げんしょうし)

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コメント

境港から高速フェリーやな! 8月が望ましいな~。7月はスケジュ‐ル満杯です~。赤とんぼの岩岳合宿で飛行機飛ばすし、17日よりスイスへトラッキングに出掛ける予定だす。という訳で8月は予定無しでおます。羽田より米子空港に飛んで、境港から高速船で1時間で後鳥羽院さんのところへ着きますやろ?しかし、沢山島がありますな~。

投稿: jo | 2004年5月14日 (金) 07時31分

JOさん
 高速フェリーよろしな。境港って、よい魚が一杯でしょうね。
 しかし、梅翁師の昨夜のメルは、ものすごきびしく「何故行く。何しに行く。」と、まるで予算のヒアリングの差し戻し付箋文みたいでしたで。

 あの御人、ほんまにむつかしいお人や。
「行きたい」それだけしか、私、よう言わん。

 なんか、疑似餌ないかな。
 酒かな。少量の珍味。ふふふ、白粉話かな?

 あそこ、ワインなんかないはずやしね?

 あの御人は神話では惹きつけられないしね。
「漱石も、逗留した!(嘘でしょうね)」なんかどうでしょうね。
・・・

投稿: Mu | 2004年5月14日 (金) 07時57分

 漱石は、逗留していません。(怒)
 「修善寺」「湯河原」です・・。

投稿: wd | 2004年5月14日 (金) 09時17分

WDさん
 漱石が隠岐島に数ヶ月逗留して、「行人」をしあげたと、それくらいのトンデモ話をしないと、腰をあげない気むずかしいオジキが私の親友におりまして、・・・まあ、漱石さんのことは不用意にしるせないですねぇ。ほほほ。

投稿: Mu | 2004年5月14日 (金) 09時25分

ふむ・・・。人麻呂はどうやろ? 確か『水底の歌』梅原猛の流罪刑死の水牢は近くと違います? ま~8月頃に行くとして、それ迄に京都、奈良で三人で密談しませう。境港から1時間で行けるから近いですよ。先ず、来月に京都で鼎談といきませう。

投稿: jo | 2004年5月14日 (金) 09時35分

JOさん
 まずは都で謀議密議。
 ゆるゆると隠岐。
 

投稿: Mu | 2004年5月14日 (金) 13時40分

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